私はかなりマニアックなのですが、超高層ビルが大好きです。
超高層ビルは経済発展の段階やその地域の活気を目で確認することが出来ます。
おそらくあまり知られていないと思うのですが、「超高層ビルの呪い」というものがあります。
これは超高層ビルの建設ラッシュが起き、他のビルよりも数メートルでも高いビルを建てようとする動きが活発になったとき、大規模な経済危機が訪れるというものです。
実際には
1920年頃のアメリカでの超高層ビルブーム。現在のニューヨークに見られる高層ビルはこの頃に建てられたものが多いです。当時最も高いエンパイアステートビルは1931年に完成しました。そして1929年に世界恐慌が起きます。
1973年に世界貿易センターとシアーズタワーが完成し、エンパイアステートビルの世界一の高さを抜く。同年に第一次オイルショック。1971年にはニクソンショック。
1998年にマレーシアでシアーズタワーの高さを凌ぐぺトロナスツインタワーが完成。1997年からアジア通貨危機。
2010年ドバイにこれまでのビルの高さ(台北101の509m)をはるかに凌ぐブルジュ・ハリーファ(828m)が完成。2008年に金融危機。
計画から完成まで数年かかるため、建設途中に経済危機が起きても完成させなければなりません。よってほとんどが経済危機前に計画、建設が始まり、危機後に完成となっています。経済がバブルに近い状態になると超高層ビルの計画が出てきます。他よりも1メートルでも高いビルを建てたいという欲望を多くの人が抱くようになります。経済が異常な状態では、このような欲望が経済を支配し危機管理が手薄になるのです。そしてこのような大規模な建築工事ができる大量の資金が存在していることが、経済の異常を表しています。
ちなみに日本でも1970年代前半に新宿の超高層ビル群、1990年代前半に東京都庁と現在日本一高いランドマークタワーが建設されました。最近では東京スカイツリー(着工2008年7月)が建設されています。
そして今最も問題なのが中国です。今後もまだまだ中国国内の記録を更新する高層ビルが建設される予定です。それらの多くが2013~15年頃に完成します。最近は地方政府主導の計画が多く、より特定の個人や組織の欲望を反映した不動産開発が進んでいます。「歴史は繰り返す」ならば、2013年頃に中国不動産バブルが崩壊し始める可能性が高いと考えられます。