今年の株主総会での株主の関心は、東日本大震災による生産や業績への影響に集中し、東京電力の福島第1原発事故を受け、原子力関連ビジネスの行方を問う声も相次いだようです。
個人株主の関心の高さは総会への参加人数にも表れ、過去最高を更新する企業が続出したようです。
日産自動車の総会では、株主が震災で寸断された部品調達網の影響を尋ねたほか、電力不足から「電気自動車(EV)に逆風が吹いているのではないか」との質問も出たそうです。
ゴーン社長は調達網について「一部は代替部品に替えた。塗装の色を変えたものもある」と対応を説明し、EVは「(蓄電池として)逆に電気を供給する能力もある」と述べ、EVを主力商品にすえる生産計画に変更がないことを強調したそうです。
スズキは、会長兼社長が東海地震発生に備えて生産拠点の分散などを検討すると言及したことについて「地震、津波、液状化、そして浜岡原発の影響を考えなければならない。10年、50年先を考え、できる限り対策を考える」と説明したそうです。
ルネサスエレクトロニクスの総会では、自動車向け半導体部品の主力工場が被災で5月末まで操業を停止したことを受け、株主が「他社へ移った需要は戻ってくるのか」と質問したそうです。
社長は「お客様が他社製品に乗り換えたのは事実だが、代替生産を含めて9月には震災前の供給水準に戻る。シェア維持に取り組んでいく」と強調したそうです。
JTの総会では、出荷制限など震災の影響が拡大したことについて経営責任を問う声が上がり、会社側は全銘柄の出荷再開を当初予定の8月上旬から7月18日に前倒しする方針で、「早急に安定供給すべく取り組んでいる」と理解を求めたそうです。
日本製紙グループ本社の総会では、宮城県石巻市の工場について株主から「いつ復旧するのか」との質問があり、会社側は年度内に完全復旧する見通しを示したそうです。
私も先日日記でご紹介しましたが、私が参加した株主総会も過去最高の出席者でした。