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債券反落、40年入札控え超長期が安い-長期金利の半年ぶり低水準警戒






  5月16日(ブルームバーグ):債券相場は反落。午前は前週末の米国債相場が反発した流れを受けて買いが優勢だったが、午後に入るとあすに実施される40年債入札に向けた売りなどで超長期債が安くなり、相場は下げに転じた。長期金利が一時、半年ぶり低水準を記録したことに対する警戒感も広がった。

  三井住友アセットマネジメント国内債券運用グループアクティブチームの永見哲チーフは、「超長期債には持ち切り姿勢以外の投資家からの買いも入って、利回り曲線が平たん化していた。こうしたディーリング相場が続くかについて投資家は半信半疑で、買いが一巡した」と説明した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の314回債利回りは、前週末比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.11%で始まった。午前9時40分過ぎには1bp低い1.105%を付けて、新発10年債としては、昨年11月24日以来、約半年ぶりの低水準を記録した。しかし、その水準では買いが続かず、午後に入ると水準を切り上げ、3時過ぎには2bp高い1.135%まで上昇した。

超長期債が安い。新発20年物の126回債利回りは朝方に1.885%に低下していたが、午後に水準を大きく切り上げ、2bp高い1.91%に上昇している。新発30年物34回債利回りは1.5bp高い2.02%に上昇。

  バークレイズ・キャピタル証券の徳勝礼子シニア債券ストラテジストは、「あすの40年債入札に向けた調整の売りが出たもよう。発行額が今回1000億円増加することも重しになる」と述べた。

あす40年債入札

財務省はあす17日、40年利付国債の利回り競争入札を実施する。前回入札された3回債利回りは2.195%で取引されており、入札結果を受けて決まる表面利率(クーポン)は横ばいの2.2%が予想されている。発行額は前回債に比べて1000億円増の4000億円程度。

  BNPパリバ証券の菊池匡博債券ストラテジストは、40年債は、20年債や30年債に対して、割安感があり、相対的に下値リスクは限られると分析し、入札自体はデュレーション(保有債券の年限)を長期化したい生保勢に支えられ、無難な結果を予想している。

朝方は、前週末の米国市場で長期金利が低下した流れを引き継いだ。大和証券キャピタル・マーケッツの尾野功一シニアストラテジストは、「4月初めは財政リスク懸念などから金利上昇に対する警戒感があって動けなかったが、需給面に安心感が出ている。米国の金利低下を受けて、買いが先行した」と説明した。もっとも、「ここから一段と低下するには新規材料が必要」ともみていた。

13日の米国債相場は反発。米物価統計が発表されると上げに転じた。米労働省が発表した4月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.4%上昇。ブルームバーグ予想中央値と一致した。米10年債利回りは5bp低い3.17%程度。一時は3.13%と、昨年12月以来の低水準となった。一方、米株相場は下落。ダウ工業株30種平均は前日比100ドル17セント安の1万2595ドル75セント。

         先物5営業日ぶりに反落

  東京先物市場で中心限月6月物は5営業日ぶりに反落。前週末比7銭高の140円89銭で始まり、直後に買いが膨らむと140円97銭まで上昇し、日中ベースで3月15日以来となる141円台に急接近した。しかし、その後は高値警戒感から伸び悩んで下げに転じ、結局は12銭安の140円70銭と、この日の安値で引けた。

RBS証券の徐瑞雪債券ストラテジストは、「先週末の米国債相場の上昇や日米株安などが材料となり、先物中心に買い優勢のスタートとなった」ものの、「過去1カ月間にわたって金利低下が進んだことへの警戒感もあり、一段と買い進むには新たな買い材料がほしいところ」と説明していた。

  バークレイズ・キャピタル証の徳勝氏は、「前週末の米国債が買われたので、朝方は堅調に始まったが、この水準から買いを入れる感じでもなかった」と言う。

機械受注

内閣府がこの日発表した3月の機械受注(船舶と電力を除く民需)は前月比2.9%増加となった。ブルームバーグの予測調査では同10.0%減少が見込まれていた。4-6月期の機械受注見通しは前期比10.0%増加。

  大和証券キャピタル・マーケッツの尾野氏は、機械受注が予想外に増加したことについて、「他の指標が悪い中、振れが大きい統計ということもあり、特殊な数字と見られているのではないか。今後、設備投資が復興過程で出てくる見通しとなっているが、債券市場ではまだ意識されている感じではない」と語った。

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