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北関東の主要企業、新卒採用拡大へ 12年春


 

 北関東3県の主要企業のうち多くが2012年春の新卒採用を今春実績に比べて増やす方針であることが日本経済新聞社の調査で分かった。東日本大震災直後は景気悪化への懸念が広がったものの、落ち込みは短期的なものにとどまるとの見方が多いため。当面は就職環境の悪化は避けられそうだが、地域経済の回復が遅れれば13年春以降の採用活動に影響が出るおそれもある。



 ケーズホールディングスはグループ全体で283人と今春実績に比べて12年春の新卒採用を16%増やす。震災で一部の店舗が被害を受けたものの、加藤修一社長は「新規出店などの計画は変えない」と明言。採用数の増加率も今春とほぼ同水準になる見通しという。



 茨城県や福島県などでガソリンスタンドを展開する関彰商事は今春実績の25人に比べて横ばいか、若干増やす方針だ。同社も震災の被害を受けたが、将来に向けた人材確保を重視する。



 自動車部品大手のミツバは大卒の採用予定数を60人と今春実績の2.4倍に増やす。足元の稼働率は震災前を下回っているが「業績は回復傾向が続いており、必要な数を採用する」(総務部)と話す。同業大手のサンデンは5月中にも採用予定数を固める予定だが「現時点で震災の影響を織り込むことは特に想定していない」(総務本部)という。



 常陽銀行や足利銀行、筑波銀行など地銀各行は軒並み今春と同水準の採用を予定している。群馬銀行も年ごとの採用数の変動が大きい一般職を除けば、今春とほぼ同じ水準になる見通し。各行とも「現状の行員数を維持するための通常ベースの採用」(常陽銀)を継続する構えだ。



 一方、採用数を減らす企業も震災を理由に挙げる声は薄まる傾向にあるようだ。回転ずし大手の元気寿司は店舗の閉鎖などに伴って採用予定数を2~3割減らす方針だが「東日本大震災の前から進めてきたリストラが要因で、大震災の影響はほとんどない」という。



 今春実績と同水準か、それを上回る採用を計画する企業には、震災後の景気悪化に早期に歯止めがかかるとの期待感がある。北関東の主要産業である自動車関連の企業は、今秋から年末にかけて震災前の生産水準を回復する見込み。個人消費も底がたく、前橋市の総合スーパー、ベイシアの担当者は「来年度以降、再び出店ペースを引き上げる」と話している。

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