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円高は継続するか

 基本的に、為替レートを決定する要因は二つだ。
 一つは金利差。これは短期から中期の為替レート決定要因となる。金利が高い国は資金が流入し(通貨高)、日本の様な低金利の国はキャリートレードによって海外に資金が流出する(通貨安)。じゃあ、なんで円安にならずに円高になるんだよ、との疑問が当然のように沸き上がる。それは、金利差はあくまでレート決定の一時的な要因に過ぎないからで、背後には二つ目の円高要因が存在するためだ。
 その二つ目はインフレ格差。いわゆる購買力平価によるものという考え方。ビッグマック指数なんてのもある。次のような例が分かりやすい。

●A時点で日本で200円のビッグマックは、アメリカでは2ドルだった。
 この時、ビッグマックの価値が万国で普遍であると仮定するなら、1ドル=100円となる。
 これが数年たったB時点では、日本はデフレでビッグマックが180円に値下がりし、アメリカはインフレで2.5ドルに値上がりした。この時、1ドル=72円となる(180円 ÷ 2.5ドル)

 この例を見ると、デフレ=円高ということがよくわかる。いや、仮に日本がデフレでなくても、アメリカがインフレになるだけで対ドルでは円高になる。つまり、インフレ格差が為替レートにとって本質的な変動要因であることが窺える。”思惑”だとか”国力”だとか”介入”だとかは、このような本質的な円高要因の前に中長期的に無力となり、流れに逆らった者(日本政府、ひいては日本国民)は為替差損を引き受ける羽目になる。
 たしか日本はデフレだった。たしかアメリカはドルを印刷しまくっている。この傾向は数年間続くだろう。円高は継続するかって? 僕は当然Yesと答える。
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