これは自然が持つテクノロジーを、産業に応用する技術や製品を紹介する展示会でした。
たとえば、ヤモリはどこにでも吸い付きますが、これは手に微細な毛がたくさんあって、分子間力によりくっついているそうです。これを応用した粘着テープが開発されているとのことでした。
トンボの羽構造を応用して、微風でもくるくる回る風車など、実用化するとメリットが大きな技術がたくさんありました。
ちょうど企画展を主催した先生と話をする機会があったので、このような製品を実現するためには、ナノテクなどの技術開発が進むことが重要ですかと聞いた答えは意外なものでした。
先生は、測定する技術も、構造を実現する技術もどちらもあるが、自然を観察したときにそれが産業にどう使えるかを想像できる研究者が圧倒的に不足している、と話されました。
確かに生物学だけを研究している先生に、新しい発見が産業界でどう使えるかまで考えてもらうのは難しいかもしれませんし、様々な分野の専門家が集まって自然から学ぶことを研究したら、まだまだ新しい技術が生まれてきそうな予感がします。
そしてそのようなベンチャーがたくさん生まれてくると、日本経済が元気になるのではないかと期待しています。