八百長問題で、大相撲春場所の開催を中止へ
大相撲春場所中止へ、八百長解明間に合わず
http://www.yomiuri.co.jp/sports/sumo/news/20110204-OYT1T01208.htm
八百長問題に揺れる日本相撲協会は4日、大相撲春場所(3月13日初日・大阪府立体育会館)を中止する方針を固めた。相撲協会の幹部は「一般の方々との信頼性の問題。協会執行部も腹を決めている」と開催不可能を強調した。この問題の解明を進めている特別調査委員会(座長=伊藤滋・早大特命教授)も調査には時間がかかるとし、放駒理事長(元大関魁傑)は「ファンの皆様に理解してもらえない状態で(場所を開催して)いいのか、考えなければいけない」と語った。
6日の臨時理事会で開催中止を正式に決める。6日に予定されていた入場券の前売りはこの日、延期された。
本場所が中止となれば国技館改修の遅延で、夏場所を開催できなかった1946年以来、65年ぶり。相撲協会は、昨年の野球賭博問題では名古屋場所開催にこぎつけたが、理事長は4日、改めて「(八百長は)野球賭博より重い問題ととらえている」と語った。
特別調査委は、5日夜までに八百長に関与した疑いが持たれている力士ら14人について、1度目の事情聴取を終えるが、全容解明に向けて、力士らから資料の提出が必要と判断。使用している携帯電話の任意提出を求めた上で、通話やメールを解析し、預金通帳の提出なども要求することになった。
このため、6日の理事会では力士らの処分には至らない見通し。これに伴い、当初、調査委は7日から2週間の予定で幕内、十両の全関取の調査を終える予定だったが、難しい情勢となった。このため、所管の文部科学省などから求められている全容解明や関係者の処分は、春場所開催に間に合わず、相撲協会は場所中止を決断せざるをえなくなった。
親方の一人は「昨年の不祥事とは次元が違う。我々は甘んじて罰を受けなければならない。(5月の)夏場所を中止しても問題を解明するべきだ」と語り、徹底した究明を求めた。春場所担当部長の北の湖理事(元横綱)は4日、「お客さんの信用が大事。調査の進展を見て(開催か否かは)理事会で、きちんと決議すべきだ」と語った。