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御家人さん逝く -河井森太郎氏を悼む

故河井森太郎氏(御家人さん)

 ネットでBlogを書いていると大手のマスメディアではなく、個人的な情報をもらえる頼りになる人に時々出会う。御家人さん(河井森太郎氏)もそんなお一人でした。今日、1月21日にお亡くなりになっていたことを知って、びっくりしました。

 大分古い話になりますが、中国の原子力潜水艦の我が国領海侵犯事件や歴史教科書問題などで、この方の中国ウオッチャーとしての確かな目を感じ、時々氏のBlog『日々是チナヲチ』 を訪れていました。とりわけ、2008年12月の08憲章事件では、直接ご本人に『日々是チナヲチ』の記事転載許可をお願いして快諾をいただき、12月12日拙Blogに『「08憲章」が中国を変える!――『開放』編集長・金鐘氏(下)-転載文-』をアップしたたのが記憶に新しいです。
 
 近年体調をくずされてからは、自ら死を悟られ、タイトルを「死ぬまで雑記」としてBlogを書き続けておられました。お名前もハンドルネームしか存じ上げず、おつき合いもネット上のみのほんのわずかなものではありましたが、翔年の心に大きな重いものを残してくださいました。

 最後に御家人さんが残された言葉を読者のために引用させていただいて、個人を偲びたいと思います。
 ●中国は、多民族国家である。
 「多民族」というとチベット人、ウイグル人、モンゴル人などを想起しがちです。確かに中国は56種類の民族によって成立しています。ただし、こうしたいわゆる少数民族が総人口に占める割合は僅か4%であり、残りの96%という圧倒的多数派を形成しているのは漢民族(チャイニーズ)です。

 私に言わせると、この漢民族こそが「多民族」なのです。北京人、上海人、福建人、四川人、広東人、河南人、東北人。……そのいずれもが国家として成立し得る規模を有しているため、感覚的には外国人同士といってもいいくらいの意識の違いがあります。

 中国が統一と分裂の歴史を繰り返してきた理由も、ここにあります。独裁政権は、実質的には武力に頼って統一を維持するほかありません。実際に中共政権も人民解放軍をあくまでも「党中央の指揮に絶対服従するもの」とし、国軍化を断固否定しているのはこのためです。

 「中国人」というものは、例えば国際的なスポーツの試合や外交問題のような限定的な状況でのみ、頭をもたげる特異な観念なのです。日常的には、あくまでも地縁・血縁最優先。例えば東京のコンビニや居酒屋の中国人アルバイトが、往々にして店ごとに「××人」と地方閥で固まっているのは、その好例といえるでしょう。

 もし中共政権による統治を保証している人民解放軍が地縁や利権その他の原因でバラけ始め、党中央軍事委員会を頂点とするピラミッド型命令系統の維持が困難になったときには、国際社会の思惑がどうあれ、中国には割拠に似た状況が現出することになるでしょう。


 御家人さん、ありがとうございました。
 ご冥福をお祈りいたします。(合掌)
2件のコメントがあります
  • イメージ
    ぷよすけさん
    2011/2/3 21:03
    少し内容からそれた話になってしまいますが、中国には漢の時代でも1000万人単位の人が住んでいたんですね。そのころは世界全体でも数千万しかいなかったはずなので、いかにあの地域が人口密集区域かよくわかりました。
    「中国では牛馬より人間の命が軽んぜられる」という話もたまに聞きますが、まさに中国人はその「数」を武器にしていた、しているのでしょう。
    現代では「人海戦術」や全世界の華人・華僑、昔だと五胡やらモンゴルやらが華北を席巻しても結局中国文化に染まっていったということからも想像できます。
    一国で世界の2割の人口を食わせるのは大変でしょうね。まして昔のように自給自足である程度まかなえる時代ではないですし。
    最後に中国の「数」を揶揄したジョークを思い出したので。

    20xx年、ついに第二次日中戦争が勃発した。
    戦争は日本が圧倒し、最初の1か月で中国人の捕虜が1億人出た。
    次の1か月で、また中国人の捕虜が1億人出た。
    1週間後、中国から日本に無条件降伏を進める文書が届いた。
  • イメージ
    ユリウスさん
    2011/6/7 09:45
    ぷよすけさん
    こっちに顔だしてなくて、コメントを無視する形になってしまってすみません。
    中国とインドの人口は本当に凄いですね。
    彼らが経済発展を求めて資源とエネルギーと食糧を(水も)大量に消費しはじめたら、何らかのグローバルな新しい枠組みが必要になると思います。
    うまくいくかどうか判りませんが…。
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