菅総理の気になる言葉使い -「しっかり」は口癖?

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菅総理の気になる言葉使い -「しっかり」は口癖?

 まず、最近の具体事例を見てください。こんな具合です。

4日の年頭記者会見で「しっかり」を二回。
1 「2011年度予算案をしっかりと審議し、できるだけ迅速に成立させたい。」

2 「しっかりとした社会保障を確率するために財源問題を含めた超党派の議論を開始したい。」

5日夜のTV朝日の番組で「しっかり」を三連発。
3 「通常国会までに政策を実現するために最も力が発揮できるような党と内閣の態勢をしっかり整備したい。」

4 「野党にしっかり議論に出てきてもらい、国民にとってプラスになる政策を決めていける国会にしたい。」

5 「政治家は本人と国民の声で行動を決める。しっかりとした判断をするだろう。」



 総理はなんでもかんでも「しっかり」という言葉を使っていますね。このような決まり文句を何回も言うのは「口癖」といっていいのでしょうか? みなさんはどう思いますか?
 明確な思考原則に基いた具体的な政策を語る語彙力が不足しているようにも見えますし、自信なさが現れているように見えるんですが……。

 例えば1の「しっかりと審議し」は「十分、実のある審議をし」の意味でしょうし、2は「しっかりとした社会保障」は「財源の裏づけのある社会保障」でありましょう。
 3は「態勢を整備したい」で「しっかり」はなくてもいいように見える。子供に「頑張れ!」と言うとき、「しっかり頑張れ」というような強調語だろうか? 口癖が「しっかりせよ!」と自分にたいする自己暗示になっているのかも知れませんね。
 4は文法的にへんです。「野党にしっかり議論にでてきてもらい」は「しっかり出る」とは日本語の文法にてらしてもへん。思わず「総理、しっかりしなされ!」といいたくなる。
5は「熟慮を重ねた判断」とでも解することにしましょうか。

 
 どのようなシチュエーションで、どのような言葉を選択し、どのようなトーンで国民に語りかけていくかは、政治家にとって、リーダーにとってとても大切なことだと思いますが、新年の一番大切な時期に口癖に聞こえるような決まり文句を連呼する総理には失望を感じざるを得ません。

 読者のみなさんも、販売成績が上らない自信をなくしたセールスマンの意味のない「口癖」が気になって、そのセールストークをだんだん聞く気になれなくなったような経験はありませんか? 支持率が低下を続けている菅総理はそういう兆候がでているのではないでしょうか? ちょっと揚げ足取りにすぎましたでしょうか?
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