中国政府と日本政府の攻防 -尖閣諸島のケース

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中国政府と日本政府の攻防 -尖閣諸島のケース

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡る事件は、情報を流出させたとされる主任航海士を逮捕することができず、新たな局面が展開すると予想する。そのことについては後で触れることにして、まず、中国漁船の領海侵犯、不法操業、公務執行妨害事件を両国政府がどのように対応したか、時間経過に従ってキチンと把握しておくこととしたい。

尖閣諸島付近の領海線 photo by wiqipedia



9/7 中国漁船が領海侵犯、不法操業、海上保安庁の巡視船と衝突事件をおこす。
→ 保安庁の巡視船は不法操業で取り締まろうとした。
通常の独立国なら、領海侵犯事件として対応しなければならないはずであるが、わが国は自衛のための軍隊も持たない?(自衛権があるとかないとかのバカバカしい議論をいまだにしている)平和愛好国家?なので、いろいろと屁理屈をつけて強制力(暴力)に制約をかけている。

9/8 船長を公務執行妨害で逮捕。
→ 領海内で起きた事件なので国内法で対応。この対応は保安庁としてはまぁ仕方ない精一杯の対応であろう。

9/11 レア・アースの遮断?
→ この日ニューヨークタイムスが報じている。
中国政府の対応は早いと感じた。

9/12 丹羽中国大使、深夜に中国の国務委員に緊急呼び出しされる。
→ この大使、事件に対する初動はどうであったのだろう。どんな情報を日本政府にもたらしていたのだろう? 翔年はスピード不足がはなはだしいし、重大事件であるという認識も欠如していたように感じる。何の音沙汰もないのはどうしたことだろう。

9/13 船長をのぞく船員14人全員と漁船を釈放
→ この報道に接した時、「えっ、何故?」と思った。
特に漁船については、重要な証拠物件である。これを返すことはこの時点で勝負あったとみる。勿論、わが国政府の完敗である。この初動の間違いが全てである。その後の推移をみれば明らかなように、日本政府は独立国としてあるまじき恥ずかしい失態を繰り返す。
9/19 船長の拘留期間を延長。
→ 辛うじて踏みとどまった感じだけど、ふんばりもここまで。

9/22 菅総理と前原外相国連総会に出発(25日まで)

9/23 中国政府 藤田社員4人を拘束
→ 日本中に衝撃走る。ここにきて日本政府は中国政府の意図が読めず。中国との情報パイプもなし。対中国戦略も持たない政府は、判断不能に陥ったのではないだろうか?

9/24 沖縄那覇地検が船長を釈放(拘留期間5日残して)
→ 地検が判断したように装って、政治家がその陰に隠れてしまった。仙石官房長官は地検の判断を「諒とする」とそらぞらしいことを国民に向かって言った。

9/25 中国政府 謝罪と賠償をわが国に要求
→ 日本政府のうろたえぶりを見透かしたように、最後の一撃を加えてきた。


11月に入って、国会で限定的ながら衝突事件のビデオ公開があった。(まだ国民には秘密)
11月5日、その秘密ビデオがインターネット上に流出し、日本人のみならず、世界中の人々が日本政府の言う機密に属する映像を見た。


 さて、ここまでの事件の顛末を読者はどのようにお感じになるだろう。翔年は日本政府が素人集団に見えて、危なっかしくて見ておれませんでした。中国漁船の船長は酔っ払っていたという巡視船の乗組員の証言もあるようですが、日本政府の足取りはその酔っ払い以上にふらついているのではないか。
 「日本丸」の船長は誰か? 対中国政策はどのように考えて、ことに処しているのか、政府内で十分議論がなされているのか、今回のこの事件の舵は誰がとっていたのか、国民は大きな不審感を抱いている。民主党の言う「政治主導」は全く機能していない。


 最後の流出ビデオに触れておきたい。9月13日に船長を処分のまま保留釈放した時点で、裁判の証拠物件ではなくなっているはずである。とすれば、政府は誰のために、どのような意図で、国民にビデオを機密にするのか? 機密にする必要性を国民にしっかり説明すべきだ。
 それかあらぬか、捜査当局は保安官を帰宅させる方向で検討を開始していたが、結局は“カンヅメ”状態で状況は変わらず。任意の聴取を続け、逮捕するか書類送検かの判断は週明け以降に判断するとみられている。
→ これは逮捕理由がないということですね。無理して逮捕すればまた失策となるでしょう。
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