告白するが、私は買いから入るよりも売りから入るほうが好きだ。
そして売りで利益を取ると買いの場合よりも数段にんまりする。
果たしてこれはどういうことなのか?
買いの場合、リスクは限定されている。例えばドル円が80円で1万ドルなら、
リスクは最大80万円だ。そしてリターンは無限大。数に制限はない。
対して売りの場合、リスクは無限大になり、リターンは制限されている。
ここに歪みが発生する。買い方が多くなりがちなのはこのためだ。
(実際には証拠金取引なので、最大損失を被ることはない。ついでに
上がり続ける相場も下がり続ける相場もない。あ、ドルは別かも……)
リスクの大きい取引をあえてとりつつ、なおかつ成功を収めることで、脳が
買いの時よりも興奮するのだろう。我ながら度し難いと思う。破滅願望でも
あるんじゃないか。買いでも売りでもこだわらなくなったら、一皮剥けるかも
しれない。
なお、下の文は蛇足である。
相場の上昇と下落、そのスピードは下落相場のほうが早い。
よくわからないが、理由は恐らく以下の通りだと思われる。
まず相場が上昇するのは買い方に対して売り方が充分いる時で、
売り方が細ると(買い方ばっかりになると)取引が成立しにくくなるので、
どうしても値動きが重くなってしまう。そういう状態で突然大きな売り方が
出てくると、値段が下がる。買い方は泡を食って売りに回り、売りが売りを
呼ぶ状態になる。構造面と心理面にわけてみていこう。
・構造面
こういう時に充分な買い方が出てくると下げ止まるのだが、現れない。
今まで参加者のほとんどを占めていた買い方が売り方に回っているからだ。
ポジションを持っていない者は下げきって反発してから買おうと思っているが、
そもそも買う人が少なければ反発も少ない。戻ったところを売られることもある。
・心理面
買い方は手持ちの玉を処分したい一心なので、今後のことは考えない。
ただどんな値段でもいいから売る。恐怖心はMAXになっていて、ただ売り切る。
売りを吸収するのは遠いレベルで「買ってもいいよ」という奴らがいるだけで、
その絶対数もまた少ない(彼らも怖いからだ)。だから値段は下がり続ける。
そういうわけで大暴落が演じられる。
これの逆バージョンはほとんど見られない。
買い方売り方にもともとの偏りがあるためで、
だから下落のほうが動きが早い……という理由付けを
してみたが、はてどうだろう。結構穴があるかもしれない。