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日本の国際競争力の評価は? -6位それとも27位?

 日経新聞によると、9日に世界経済フォーラムが発表した「2010年版世界競争力報告」で日本は6位となっています。翔年はあれっと思いました。ちょっと評価が高すぎるのではないかと…。その根拠は後で示します。

 
まず、リストを見てください。世界経済フォーラムがまとめた競争力ランキングはこうなっています。

(カッコ内は前年順位)
1(1)スイス
2(4)スウェーデン → 政府、民間部門とも高評価でアップした。
3(3)シンガポール
4(2)米 国 → 金融・経済危機に足をひっぱられてダウンした。
5(7)ドイツ
6(8)日 本 → 日本はビジネス関連が突出して優れていると評価された。
7(6)フィンランド
8(10)オランダ
9(5)デンマーク → 金融機関の評価が悪化した。
10(9)カナダ
………………
22(19)韓 国
27(29)中 国
51(49)インド
58(56)ブラジル
63(63)ロシア
83(71)ギリシャ → 金融危機の発端になった国は昨年から大幅にダウンした。 


 この表だけをみると先進国が上位を独占しており、「こんなものかなぁ」という意見もあると思う。
 しかし、もうすこし立ち入って項目を詳しく見ると、わが国の評価は果たして6位でいいのだろうか? と言う疑問が湧いてきます。

 この調査の対象となった国は139カ国でした。政府の債務残高という項目評価では、わが国は137位でした。それも2カ国は算出不能な国だったので、算出可能な国・地域の中では最下位なのでした。関連する政府部門の項目でも、わが国は「財政収支」が134位、「政府支出の効率性」は91位など、先進国の中で、堂々の超低空飛行です。


 もう一つの評価をご覧下さい。これはスイスの有力ビジネススクールのIMD(経営開発国際研究所)による「2010年世界競争力年鑑」のランキングです。

IMDによる2010年の競争力順位
(カッコ内は前年順位)
1(3)シンガポール
2(2)香 港
3(1)米 国
4(4)スイス
5(7)オーストラリア
6(6)スウェーデン
7(8)カナダ
8(23)台 湾
9(11)ノルウェー
10(18)マレーシア
………………
12(10)オランダ
13(5)デンマーク
16(13)ドイツ
18(20)中 国
23(27)韓 国
27(17)日 本

 翔年はこの表の評価の方がより実態に近いのではないかという印象をもちます。実態に近いという表現が言いすぎとしても、長期的な視点で見るかぎり、このような競争力評価でいいのではないかと思います。

 日経の伝えるところによると、「スイスの『経営開発国際研究所』はインフラや経済実績など客観性の高い統計を中心に指標を作成するため、対象はこうした指標が手に入る58カ国・地域にとどまる」としているが、翔年は逆に、これこそが正しいデータの使い方ではないかと思う。なぜなら、データによるランキングは現状を正しく捉えていることが一番大事だが、それは先行きを指し示す指標でもあるべきだと信じるからです。

 わが国の政治家はこのような数字をみて、何も考えないほど目先のことしか考えていないのだろうか? 

 国民はわが国の財政について、先行きどうなっていくのか、政治家に国家運営の覚悟を求めると共に、明確な指標を要求するべきであろう。
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