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思わず手を打つ

思わず手を打つ、手打ち風、という、
商品コピーがありました、大昔のことです。

朝、ちょっと調べるか、おおーっと、
二日続けて、この「怪」挙には、驚きました。
思わず手を打つ、組織風です。

ジェイテクト (6473)
このところチャートの底で、沸騰していました。
SBIの国内株式、株価ページには、昨日更新したデータがあります。
信用売残
5,131,500
前週比
+3,899,700

信用買残
791,900
前週比
-105,900

貸借倍率
0.15倍

それが、今朝、日証金の融資・貸株残高 詳細情報を見れば、
申込日 20100616 20100615 20100614 20100611 20100610
貸株返済 258,600 3,823,400 85,700 31,400 82,400
貸株残高 570,000 797,100 4,587,300 3,886,900 3,433,000

15日と16日に、売残を大量に減らしているではありませんか。
15日は、382万3千株
16日は、25万8千株

この二日間のチャート、
一見するに踏み上げられたような痕跡、見つけにくいですね。
お見事です、名人達人、無形文化財、人間国宝、
こんな技があるのかと驚嘆する次第です。
でも、この動きに乗って、866円の底で買いたかった、
底値マニアの私は、ちょっと残念です。

ジェイテクト、この会社は知りませんでしたが、
GMに、リコールで名指しされた会社くらいは知っていました。
それが何と、光洋精工と豊田工機の合併とは、
今時は、検索で調べれば簡単に調べられますから、
便利な世の中になりました。

(17日に書いたものは不適切でした、削除し以下に訂正いたします。)

2006年1月1日に光洋精工と豊田工機が合併して誕生。
なんとも不思議な、奇妙な、ベアリング屋と工作機屋の合弁、
に見えます。
この二社は、生まれも育ちも全く異なりますが、
時代の流れで、事業内容が似てきたのです。
両社の沿革
http://www.jtekt.co.jp/company/history2.html

ベアリングをコアコンピタンスとする専業メーカー光洋精工に対して、
豊田工機は、元はトヨタ自動車の工機部門でした。
おそらくトヨタ本体から、戦略的に要求されたのか、
その時期に、本業である設備事業が振るわなかったのか、
1968年にパワーステアリング、
1980年に等速ジョイントの生産を初めています。
豊田工機が、設備屋以外の仕事に乗り出したのです。

光洋精工は、
ステアリング・コンポーネンツに早くから
取り組んでいました。
リサーキュレーティングボール式のものから始まって、
ラックエンドピニオン式、バリアブルレシオ式、
油圧アシストつまりパワーステアリングなどを開発し、
自動車各社に供給していました。
1983年 光洋精工は、世界初の電子制御式パワーステアリングを
開発 しました。
2000年には、豊田工機は、その将来性に着目し、
光洋精工株式会社と電動パワーステアリングの共同開発で
基本合意 しています。
車の省エネ技術の一つとして、将来、電動パワーステアリングが、
主流になるでしょう。
しかし、世界はまだ油圧アシスト ・パワーステアリングが主流です。
この開拓されていない大きな市場に乗り出すためにも、
2006年1月1日にジェイテクトを創ったのでしょう。

また、予想できない展開があります。
・2009年12月31日 米国の老舗ベアリング製造大手
ザ・ティムケン・カンパニーよりニードル軸受事業を買収
・そのため、4,156,800,000 円の増資
  公募価格866 円
・ティムケン買収で生産拠点12ヵ所、開発拠点3ヵ所増加
なぜそんなに、ニードルベアリングが欲しかったのでしょうか。

人とくるまのテクノロジー展
http://www.jtekt.co.jp/company/news/100427.html
今回の出品では、全貌はうかがい知ることはできません、
必殺HV開発?
EVなら、変速機の重要性はないのです、
電動モーター自体が、トルクを上手く出します。
内燃機関つまり普通のレシプロエンジンの自動変速機には、
もちろんニードルベアリングが使われています。
ティムケンしか作れない特殊なものとは言えません、
古くからのコモディティ部品、技術革新の余地は大きくない
はずですが、
自動車屋を甘く見てはいけません、
彼らは、車のモデルチェンジがありますから、
かなり、先を見通す習慣と能力を持っています。

また、GMのリコール問題にかんして、
あの電動ステアリングは、米国の工場で作られものではないでしょうか。
・1988年 光洋精工は、米国・TRW INC. と合弁で
TRW KOYO STEERING SYSTEMS COMPANY(現 JTEKT AUTOMOTIVE TENNESSEE-VONORE CO.)を設立
・2003年 完全子会社化しています。
外国での生産そして品質管理は、困難とリスクが伴います、


ジェイテクト、さてどうするか、
宴は終わったようにも見えます。
5件のコメントがあります
  • イメージ
    mino777minoさん
    2010/6/17 15:56
    こんにちは。

    僕の実家近くには旧豊田工機のジェイテクトがありますよ。小さい頃は良く夏祭り大会がそこの運動場でやっていて盆踊りを踊った記憶があります。

    ジェイテクトに変わってからは一切無くなってしまいました(泣)地域の住民とのコミュニケーションはどこえやら。あの古き良き時代に帰りたいです。
  • イメージ
    松尾バナナさん
    2010/6/17 16:07
    mino777minoさん

    早速、コメント有難うございます。
    ちょっと気になるジェイテクト、
    底(公募価格の866円)を打って、次第にあがるのでしょう。

    でも、豊田工機のジェイテクト工場は、
    おそらく心配ないと思いますが、
    拡散したら収縮、
    そのうちに、地方に配置した工場の取捨選択が始まると思います。
    つまりのところ集中化とリストラでしょう。
    世界のトヨタは、ジェイテクトも世界企業にするのでしょうね。
  • イメージ
    松尾バナナさん
    2010/6/18 03:12
    ジェイテクトについての記述、
    認識の誤りがありました、ここに訂正し、
    お詫び申し上げます。

    どうしても、大トヨタが光洋精工に出資して、
    豊田工機を引き取ってもらったように見えるものですから、
    偏見が入りますね。

    今後は、こんないい加減なことを書かないように、
    10~30分で調べるとか、短時間で調べて書くのは止めます。
    幸いにも被害者(?)は少ないと思いますが、
    ここにリコールさせていただきます。
    すみませんでした。
  • イメージ
    efghijさん
    2010/7/10 04:41
    大変面白く読ませていただきました。
    参考になります。
  • イメージ
    松尾バナナさん
    2010/7/10 10:49
    E&Mさんの日記、拝見しますと、
    底流を流れているのはリスク管理ではないかと思います。

    中長期投資の私としましては、
    ファンダメンタルズや需給が良ければ、
    損切りを失敗をしても、また元値に戻るであろう担保なのです。

    でも、買ってから、後で分析することも多いのが実態です。
    懸念材料が出たその時は、
    上昇機会を逃さず、「得切り」で売り払っています。
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