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いろんな面でちょっとキツいか「ノエビア(4916)」

ノエビア(4916)は市場シェア4位の大手化粧品会社。とはいっても、上位3社(資生堂、花王、コーセー)のシェアは80%強に達しており、4位ノエビアは3%強に過ぎません。「大手」と呼ぶにはやや微妙な感も。

ノエビア自体は中高級化粧品の訪問販売を特色とする会社ですが、2002年に常盤薬品工業を子会社化(その後2004年に完全子会社化)して、こちらはドラッグストアやコンビニエンスストアを通じた化粧品や大衆薬、ドリンク剤などの店頭販売を行っています。

常盤薬品は、最近流行っている覚醒系(普通に眠気を覚ますという意味です)ドリンク剤のパイオニア「眠眠打破」シリーズや南天のど飴などで結構有名ですが、SANAブランドのちょっとカワイイ系スキンケアやコスメ、メイクなども扱っています。

さて、利益の大半を稼いでいるのは化粧品事業です。他の事業(医薬品、食品、その他)は合算すると営業損益が収支トントンないし赤字ですから、大半というより化粧品がすべてを稼いでいるといって過言ではありません。

その化粧品売上高の半分以上(10/9期2Q実績で54%)はノエビアによる訪問販売ですが、この部分の販売落ち込みがかなりキツくなっています。

10/9期2Qの化粧品事業売上高は前年同期比5.9%減少しましたが、常盤薬品の店頭セルフ販売商品(化粧品事業売上高の36%を占める)は増収だったということなので、単純に計算すれば、ノエビア化粧品の訪問販売ルートは二桁近い減収であったと考えられます。

主体となる中高級化粧品そのものが節約志向で売れにくくなっているほか、ネット、通販など販路の拡大もあり、訪問販売という販売手法自体がやや行き詰まりとなっている感もあります。

そこへもってきて、今年2月に副社長がストーカー容疑で逮捕され退任するという不祥事が発生しました。女性への訪問販売を主体とする企業の重役がストーカー容疑ですから、これは企業イメージにかなり大きな痛手となり得るのではないでしょうか。

一方、店頭でのセルフ販売品は好調とのことですが、大手ドラッグストアやコンビニエンスストアが販路の中心であり、利幅はかなり小さいのではないかと推測されます。

今後、訪販ルート減少、薄利のセルフ商品のウェイト上昇というプロダクトミックス悪化傾向が相当長期間にわたって継続する可能性が高いものと思われますので、全体としての収益性長スピードはかなり抑制されたものになるのではないかと思われます。

今、一番勢いがあるように見える「眠眠打破」シリーズは、それでも売上規模は10/9期2Qで20億円に満たず、増収率も前年同期比4%弱の増加にとどまったようです。既に全国ほぼ全てのコンビニで販売されており、同カテゴリードリンク剤におけるシェアは75%に達しているということなので、逆に言えばここからさらに伸ばしていくのはハードル高そうです。

なんとか増収しているセルフ販売化粧品も、全国約1万2000件のドラッグストアチェーンの95%以上に既に卸されていてやはり販路拡大による成長余地は限定的でしょう。

全体として、今後当面は成長イメージを持ちにくい、そんな感じです。

10/9期2Q決算は、期初会社計画に対して売上高3.4%未達、経常利益は同15.5%未達となりました。一方、通期の会社計画は下方修正せず、期初計画を据え置きました。

まあ、消費全体の回復基調もありますし、会社側でも「十分達成可能」と自信を見せていますし、私としても「計画未達の可能性大」と確信を持てるわけではないですが、個人的には計画達成確度に関してかなり??と見ています。

株価バリュエーション(本日終値995円に基づく)は、会社予想PERが17.9倍、予想ROE4.4%に対し予想PBR 0.78倍。予想配当利回りは3.6%です。

この会社は株主優待として1000株以上のホルダーに対し年間4万2000円相当の自社商品が提供されるので、実質利回りは8%弱という見方もできるわけです。

そういう意味で、1000株とか2000株、とりあえず配当と優待狙いで保有するというのはアリでしょう。ただ、長期保有のキャピタルゲイン狙いということで相当規模の保有をするにはあまり魅力のある会社とは思えません。
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