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外食版トヨタ?「サイゼリヤ(7581)」

テレビで話題のサイゼリヤ。業績好調です。

10/8期第2四半期累計(09/9-10/2)の売上高は前年同期比18%増、営業利益は同なんと3.4倍。経常利益と当期純利益は、昨年デリバティブ解約による巨額損失(153億円)で赤字決算でしたが、今2Qは見事V字回復となりました。

18%売上増を分解すると、客数が前年同期比17%増、客単価1%増です。客数はともかくこのデフレ環境下で客単価も改善しているのは驚きです。既存店のみの数字を見ても、客数10%増、客単価1%増です。店舗数が800店を超えるいわば成熟段階にある外食チェーンでこれだけの数字は普通望めませんよね。

実は会社の分析によると、増収分の半分以上はテレビ放映による効果だそうです。サイゼリヤは昔から結構テレビ番組で取り上げられているようですが、今回はかなり大きくクローズアップされたようです。

会社としても、放映に合わせて食材仕入れや人員配置などを周到に準備し、客数の急増にきっちり対処することで顧客満足を損なわないよう万全を期して望みました。その結果、TV放映効果が一過性に終わることなく、増加した客数レベルをかなりキープ、即ちリピーター化することに成功したようです。また、放映内容からか、パスタ的メニューよりレストラン的メニューが良く売れ、これが客単価アップに貢献したようです。

テレビによる増収なら「なーんだ」という気がしなくもないですが、それでも与えられたチャンスを最大限活用する(一過性に終わらせない)というサイゼリヤのしたたかさが垣間見えるようです。

また、売上高の伸びに対して利益の伸びがすごい。このコスト管理の徹底こそがサイゼリアのサイゼリアたる所以ではなかろうかと思われます。

何しろ、売上高が70億円強増えたのに対して、コストは20億円強しか増えていないのです。仕入れ、製造、物流、労務、設備、光熱費などを非常にきめ細かく管理しています。

今後の方針について、例えば生産部門では。。。

商品開発速度のアップ:同社は豪州に生産工場を保有しており、ここで食材の開発、テスト、製造を行っているのですが、日本と離れているため製品開発に時間がかかる。このため国内に豪州工場と同じ仕様のテスト工場を建てて開発スピードを上げる(この工場は使われなくなった食品工場をたった7000万円で買収したそうです)。

農業への本格参入:これまで片手間だった農業に本腰を入れて生産管理を徹底する。

要となる人材のピンポイント採用:製品開発(ラボ・工場担当)1名、システム開発(海外などとのシステム統合、IT投資抑制)1名、データ解析(800店舗以上のデータを十分に使い切る)1名、メカニカルエンジニア(食材加工や調理機器など)1名、豪州工場の外販担当1名、の計5名。採用目的がはっきりしているので最適人材をリクルートできたという。また、イタリアとタイに1名づつ安くて良い食材を仕入れるため常駐の「レジデンシャルバイヤー」を配置しました。

設備(店舗)部分では、家賃の値下げ交渉のほかに。。。

今は良い立地が安く手に入るので出店のチャンス。特に既存店を近隣のより良い立地へ移し替え、従業員をそのまま移す「ウチ替え」を促進。生産性(利益率)の大幅向上につながる。

それと新商圏への進出。。。九州への新規出店が大成功しているそうです。2店舗とも24時間営業でないにも関わらず、24時間営業である池袋店、渋谷店を上回る全店トップ売上というから驚きです。プレスリリース発表、オープン前日にマスコミ向け内覧会を実施、一度食べたらリピーターになる確率の高いミラノドリアなどを重点的にアピール、、など周到な準備が功を奏したようです。

海外はどうかというと重点市場の中国では出店を一時的に見合わせているとのこと。これは、不動産市況が高く今数多く店舗を出すと損、との判断です。

とにかく、あらゆる部分に目配りをして、品質を維持しつつ徹底して無駄を省いていこうという姿勢が見えます。

こういうことも言っています。野菜の処理に人数と時間がかかりすぎる。今までバッチ処理していたがこれから連続処理に持っていくため機械から開発している。ガス・電気の使用量を抑制するためアイドルタイムにはスイッチオフを徹底する、などなど。

基本的に製造業の思想です。外食版トヨタといって違和感ありません。

トヨタでもリコール問題が発生しました。サイゼリヤの去年のデリバティブ損失もそうですが、完璧に見えるところでも思わぬ方向から足をすくわれるということもあります。ただ、根幹のオペレーションがしっかりしていれば、ダメージからの回復も早い、ということではないでしょうか。

バリュエーションは今通期会社予想PER12倍、同予想ROE13.9%に対し同PBR1.7倍、配当利回り1.0%とリーズナブルに見えます。

気になるのは、売上高がほぼ1業態で1000億円に接近している点。日本マクドナルドを除いて1業態で売上1000億円を超える会社はそれほどありません。連結売上高1700億円強の吉野家HD(9861)でも牛丼事業の売上高は海外も含め1000億円強です。

これを考えると5割以上といった大きな株価上昇を狙うのはちょっと難しいかもしれませんね。
2件のコメントがあります
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    娥さん
    2010/4/12 16:40
    こんにちは(*б∀б*)
    ちかくのイタリアンのバイキングのお店もお客さんが沢山いました。
    具は全部やすものみたいだけど味はよかったです。すぐにおなかいっぱいになったから元がとれませんでしたё!
    ふくらし粉が入ってるんじゃないかしらё
    少し食べたらおなかがいっぱい♪

    ほぼ満席だったわё
  • イメージ
    板さん
    2010/4/12 18:47
    コメントどうもありがとう(^-^)

    僕はサイゼリヤ10年前くらいに一度行った切りなんですよ。
    そのときは確かイカスミパスタかなにか注文して、安いんだけど量が少なくて今イチな感じで帰ってきました。
    今はグレードアップしたんでしょうかね。今度確かめてきます。

    しかし、おいしいとかどうかに限らず、確かに安い店はてきめんに流行ってますね。複雑な気分です。
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