前回、行使価格・短期金利を入れるにあたり迷うところはありませんが、オプション価格・原資・残存日数には考えにより違いが分かれるところがあると述べました、具体的に見ていきます。
<オプション価格>
近々出来値で入れると、仮に1円と2円の違いの場合、倍違うわけですからかなりの違いが出ます。なので、板数量を加重平均した「仲値」というものを入れる考え方を教わりました。これだとIVが安定すると思います。証券会社配信のものではここまで期待できないかも知れません。
<原資産価格>
まず基本としてオプションとは日経平均株価という「現物の指数」が原資産なのでこれを使えばよいのですが、これだと問題が出てきます。それは9時~15時までしか算出さなれいので、15時10分までの時間帯や夕場は計算できないことや、期近のオプションしか計算できないという問題もあります。(日経平均株価という指数に期先という概念はない)
先物価格はどうでしょう?証券会社によっては先物を原資にしている所もあるようですし、書籍などでも堂々と原資で計算していると書いてあるものもありました。でもこれも問題があると思います。そもそも先物と現物には価格差があるので正確ではありません。メジャー限月以外を計算すると、更に差が大きくなるので問題です。
そこでプットコールパリティを使うという考え方を教わりました、パリティを使うと正確な数値が得られます。パリティは色々な場面で市場が効率的であることを示してくれる偉大な存在です。この方法だと、夕場だろうがメジャー月以外だろうが、各限月の原資産を理論的に示してくれます。しかし期先になると板が薄くなる事も多いので、先物からパリティとの差を埋めて原資とすれば完璧です。
<残存日数>
普通に365日で良いような気もしますが、実際の相場には休日・連休などがあることや、更にSQ前などの要因が重なると違和感が出てきます(そこを正確に体感できれば問題ないような気もしますが)。そこで実営業日数の245日で計測する考え方があるようです。これだと極端な日数の変化がないので違和感はないのですが。365日で違和感がないのが王道の様な気もしますし、自分自身どちらが良いのか迷うところです。
以上の様に、証券会社の配信IVがどのように計算されているのかを把握した上で監視する、もしくは正確なIVで監視していくことで、リスクパラメータという計器を取引に役立てることが出来る気がします。