鳩山由紀夫首相は11日午前、自身が掲げてきた2010年度予算の新規国債発行額を44兆円以下に抑える方針について「国民の皆さんの命を守るのが政治家、政権の務めで、それをどう判断するかもある。1円でも超えてはいけないとかそういう議論ではない」と述べ、44兆円を国債発行の上限とする従来方針の撤回を認めた。首相官邸で記者団に語った。
44兆円以下との方針に関しては「何らかの目標とか、そういう議論のたぐいではないと私は思っている」と指摘し、15日にも閣議決定する予算編成の基本方針に明記しない可能性も示唆した。
一方で「44兆円はあきらめたのか」との記者団の質問には「財政規律というのはそれなりに大事な話だ。一つの象徴として44兆円という話になっている以上、そんな簡単にあきらめるという話ではない」と強調。予算編成の基本方針で発行上限額と明記しなくても、最終的には実現したいとの意向を示した。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091211AT3S1100K11122009.htmlより転載