個別企業としては必要に応じて増資をするのでしょうが、日本株式会社としては由々しき事態です。
1.日本株に出遅れ感」という記事が今日に日経新聞にも出ています。確かに、年初来の株価上昇率は一ケタ台で、中国・インドの70%はもとより、欧米諸国からも突出して悪い。
2.しかし、先週末の日経平均の予想PERは32.21倍と、平常時の数字からすると以上に高い数字です。それに加え、大幅な増資が進めば、1株当たりの利益は減少し(希薄化)PERを引き上げる作用が働き、ますます「割高」になります。
3.同じくPBRは1.17倍でいわゆる「解散価値」に毛が生えた程度の株価であり、欧米市場と比べて「割安」との説が語られます。
4.PER、PBRから見えることは日本企業は「いかに資本効率が悪いか」ということではないでしょうか。それにもかかわらず増資があるということは、ますます資本効率が悪くなる可能性があるということです。
5.「資本効率が上がる=一株利益が増える」が実際に見えるようにならないと、本格的株価回復はないでしょう。そして、リーマンショック前の高値を抜くには、数年かかりそうな気がします。