【ソニーフィナンシャルHD】1Q決算は好調な出足だが…

[TIW藤根 靖晃さん]

1Q決算は好調な出足だが、株価はNAVからみて妥当水準だろう

＜株価/NAV倍率はほぼ1倍で、株価は妥当な水準だろう＞
ソニー生命のEV（エンベディッド･バリュー）は09/3期末の4,009億円から6月末には約840億円増加していると同社では試算している。超長期金利の上昇が増加の主因。その後の金利動向などを踏まえ、足元のEVは09/3期末から約1,000億円増加しているとTIWでは試算している。これにソニー損保の純資産と資本性の高い準備金（税効果後）の合計211億円、ソニー銀行の純資産523億円を加味したNAV（純資産価値）は約5,743億円（1株当り約26.4万円）となる。株価/NAV倍率は丁度ほぼ1倍であり、株価は妥当な水準と考える。

＜1Q決算は債券の売却益などが牽引し好調な出足＞
ソニー生命では負債と資産のデュレーション･ギャップを縮めるため、債券の超長期債への入替を推進。これに伴う売却益や利息及び配当金収入の増加が牽引し、10/3期1Q（4-6月）の経常利益は219億円（前年同期比57％増）と期初の2Q累計（4-9月）予想200億円を既に達成。2Q累計予想は 270億円に上方修正されたが、通期予想は依然、金融市場が不安定として据置かれた。上振れの可能性が高いだろう。

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