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私は株で200万ドル儲けた/私は株で100万円損した

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 この本は、うさんくさそうなタイトル(発表当時このようなタイトルは今のように食傷気味でもなかったのかもしれないが)からは想像できないくらい強烈に面白い。中身は1950年代の売買の話なのだが、今も昔も全然変わらない。特に株価の変動に一喜一憂したり、いろんな情報に踊らされる人間の心理が。 この本の著者は、なんとまあダンサーである。世界的に有名な「もっともギャラが高い」ダンサーではあるが、もちろん投資家としては素人である。それが、ギャラの代わりにカナダ株をもらい、偶然儲けてしまったところからストーリーがはじまる。 最初は勘に頼った売買を繰り返し、それでうまくいかないと、様々な投資情報をかきあつめ、それでもうまくいかないと、財務諸表を勉強し、それもうまくいかなかった彼が、自ら発見したその手法とは、値動きのみに注目するボックス理論とブレイクアウト理論だった。と、書くとこれだけの話のようだが、この人の偶然にして良いところは、さっきも言ったように世界的に有名なダンサーではあるが、投資家ではなく、また文筆家でもない、こちらの側からみればいわゆる「普通の人」なので、余計なレトリックや経済分析も一切なく、ただ自分が株の売買に翻弄され、苦労して儲けられるようになるまでの話を、非常に率直に、誰が読んでもわかるように(なんせ本人が「普通の人」なので当たり前かもしれないが)、簡素な文章で書き連ねているところである。 そして彼がたどり着いた売買方法がまたユニークで面白い。ネットも無い時代であり、彼は世界中をダンサーとして駆け回っていたので、ブローカーから送られる、指定した銘柄の値動きのみをしるした電報と、1冊だけの投資情報誌(しかも彼は値段表以外のページを捨てた!)だけで、売買をしたのである。判断を惑わすような投資情報の類は全部捨てて。それが今わしがやってるようなブレイクアウトの手法なんだが。 いろんな投資家がこの本を推薦しているのもわかる、なるほど面白い本でした。パンローリングの本にしては、文庫化されていて、安いし、いますぐでも注文して読んでほしい。株に興味が無くても面白いぐらいのルポルタージュになっている。割と短いし、さっきも書いたように文章が平易なので一気に読める。で、そんな株の本ばっかり読んで儲けられそうな気になっているだけのわしの売買ですが、昨日の東レが追加されてこんな感じの残高。なんかアイランドリバーサルみたいな位置に、天井くさい売買拮抗の十字線だのう。まあブレイクした状態には違いないけど。下がったら損切りすりゃいいんだけどね。本だと200万ドル儲けてるけど、とりあえずわしゃこの今までの100万円の損をゆっくりゆっくり取り返せたらいいなあ、と、それぐらいの低い目標です。今日の一言「増やそうとしない、取り返そうとしない、ただ、なるべく減らさないようにするまでだ」(金沢真一)
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