中央フリーウエイ

[いしころさん]

彼女がよく帰り道で歌っていた。
横浜から帰るとき、中央道を通りたいというので、走ることに。
新宿を過ぎるあたりから、小さな声で歌っていた。「大好きな歌なのよ」って 君は言ってた。
大井競馬場のあたりかな、窓を急に開けて、大きな声で歌いだした。深夜の夜空は晴れていた。車に当たる風が、快く僕たちの顔に流れて、嬉しく君は、僕の方を見つめながら、そして抱き付いたり、助手席でハネていた。横からちょっとキスをして。大好きだったよ。
やがて、フロントガラスから見える星空は、まるで息をしいる、僕たちを見守っている様に思えてた。あの輝きに感動した。幸せだったね。きっと。

山梨に入ると君はいつしか深く眠っていた。エンジンの音が子守唄のようだったか、僕たちは未来に向かっている様に思えていた。
http://www.youtube.com/watch?v=P2llCX3UDWA