空港がある島から
ない島へ移ると
風がやむことなく
吹きつづけていて
耳のそばで
こまかくうねっている
ビーチへ出て
もっとちゃんと
当たるように
両手でいっそう
みみをひろげる
まわりの風景はどれもこれも
絵葉書のように色が飛び出て
嘘っぽいったりゃありゃしない
オレの人生も嘘っぽい
なんさかぁ リアリティがないんだよね
まるで
グラスに注いだシャンパンの泡のように
波打ち際の砂で書いた文字のように
消えてなくなりそう
終わりのないバカンス
いつもの戯言 そう思えばいいさ
笑いたいんなら 笑えばいいよ
でも、これは確信してるんだ
このまま贅沢三昧に旅をし続けたら
小室哲也の二の舞だってね
株で儲かっているような フリをする
底抜けに明るい フリをする
悲しみなんてひとつもない フリをする
フリなのかどうなのか
自分でも分からなくなるくらい
オレはいったい何がやりたいんだと
悩んでいる フリをする
すると
ずっと見ていた神様までが
フリなのかどうかわからなくなって
こいつは面白そうだと
ついてきてくれる
きっとどこまでも
ずっといっしょに ついてきてくれる
天国か 地獄か
一緒にボートに揺られて逝きますか
フフフ