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借入金増加によるコーポレートガバナンス効果とは

そもそも企業は何のために配当を行うのか。配当は株主に対する利益の分配である。当期純利益に対する配当総額の割合を「配当性向」、自社株買いも含めた株主還元総額の当期純利益に対する割合を「総還元性向」と称している。いずれも、利益をその権利者である株主にどの程度、還元しているかの指標である。日本の上場企業の配当性向は2004年の23%以降、着実に上昇し、2008年には42%と欧米企業の30%~40%を超えたが、それまでは長い間20%台に低迷し、これをもって日本企業は株主還元に積極的ではない、株主を軽視していると言った論評が多かった。

 企業は株主に利益を還元すべきなのだろうか。還元すべきとすれば、それでは何%の配当性向が適当なのであろうか。この答えを解くカギが、ファイナンス理論で使う「 」である。

 フリーキャッシュフローは、企業が保有する資産・事業が生み出したキャッシュフローから、企業が成長していくために必要な二つの投資(設備投資のように企業が将来成長していくために必要な投資、そして企業規模の拡大にともなって増加する運転資本への追加投資)を控除した後に残るキャッシュフローであり、いわば企業として手元に残しておく必要のない、つまり使い道のない余剰キャッシュである。


*1マイクロソフトが同計画を発表した当時の為替レート(約112円/米ドル)で換算。

東洋経済より複写
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