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安心した投資生活を送るために

日銀が18日に発表した2007年6月末の資金循環統計(速報)によれば、家計が保有する金融資産残高は前年同期比2.9%増の1,555兆円となり、過去最高額を記録したようです。

投資信託が前年比13%増と急増していましたが、これは6月末の株価(日経平均)が、前年比17%上昇していることを考慮すると、実質的には評価額の上昇で相殺されています。

結果、金融資産残高の拡大における最大の貢献は、「団塊世代の退職金の流入」という着地でした。

理由はともかく、参加人口と運用資金の拡大は流動性リスクの軽減に繋がり、投資家にとって好材料と言えます。

一方、日経新聞の夕刊に興味深い記事があり、その記事は経済、金融のグローバル化が進むことで、複数の外貨で分散投資をすることによるリスク分散効果が低下していると結論付けていました。

このような流れが、株式投資に特化している人にとっても、決して他人事でないことは、いまだに鳴り止まぬ米国サブプライムローン問題の日本の株式市場への影響から、容易に想像が付く内容です。

先月からリスク分散の話や、外国人投資家の心理等の話をさせていただきましたが、その過程で共通項としてあげられるのは、より鮮明となりつつある為替と株価の関係なのかもしれません。

『みんなの株式』でも、そういったことをテーマにしたコミュニティが立上り始めているほか、最近では会員の皆様の日記でも、為替動向に関するコメントを目にします。

私自身も『FX@みんかぶ』(注1)というコミュニティを立ち上げさせていただきました。

注1: http://minkabu.jp/blog/show/6597

このコミュニティでは、為替動向について語るというよりは、為替動向について語るためのサイトをどうやって作るかについて協議を進めていますが、今後は少し為替動向自体の話についても進めていければと思っています。

先日お話した「損をしない」という観点から、実際に運用するか、しないかは別としてFX(為替証拠金取引)に関する知識を得ることは、今後投資をやっていく上で重要なことなのかもしれません。

そういった意味で、現在、ソネット様が提供されているFX講座(注2)は、私の古巣でもあるゴールドマン・サックスにも籍を置いていた著名為替ディーラーの荻野氏が分かりやすくFXの仕組みを説明されていますので、ご参考にされると良いかもしれません。

というより、講師の「お名前」を拝見すると、参考になりそうな気がしてきます・・・。
※この意味は、コンテンツのプロフィール枠を見ていただければ分かると思います。

注2: http://www.so-net.ne.jp/money/fx/index.html


そういえば、弊社でも皆さんのリスク管理に少しでもお役にたてばと思い、近々、「リスク早見表」的なものを会員様向けに無償提供予定です。

これは市場データ(過去1ヶ月もしくは3ヶ月)を用い、皆さんが保有されている、もしくは興味のある銘柄が、どの程度儲かる、もしくは損をする可能性がある株なのかを一瞬にして把握できるというものです。

今回配布させていただくものはα版なので若干簡易のものですが、徐々に進化を遂げていくと同時に、これ以外にも「損をしない」の観点からお役に立てるような様々なサービスを提供して行きたいと思っています。

なお、その「リスク早見表」的なものでも、主要5通貨のみとなりますが、外貨の変動リスクについても確認できるようにしようと思っています。

これらの機能は、特に株式やFXを始めたばかりの方々におススメですよ。

株やFXってギャンブルみたいなのかなぁと思っている人も多いですが、実際にはそうでもないことが分かると思います。

市場の特徴や、銘柄の特徴を掴めば、思ったより安心して投資生活が送れるかもしれません。
5件のコメントがあります
  • イメージ
    ウランママさん
    2007/9/19 17:06
    こんにちは「、リスク分散の効果が、低下している」

    何となくそう言われれば、そうですね。

    分散しても、リスクばかり背負ってる感じがします。
    昔、税務署員に、株で、儲けている人間は、しっかり働いているサラリーマンに比べて、楽して儲けているんだから、

    もっと税金支払うべきだと、云っていたことを思い出した。
    考え方の違いが、はっきりしていると思うのですが、

    働き方の違いは、有るけど、株式は、簡単なものではないし、損をすれば、元が減る、これも自分のリスク。
    一日中調べ物したり、する銘柄選びも、一歩間違えれば、大損する。これもリスク。
    だから、外貨の運用を考える。何年か前にユーロを110円~130円為替益が、運よく出たが、一歩間違えれば、これも、リスク。そして税金。
    リスクばかり背負わされて、運用益が出れば、楽な事してと
    ののしられ、これもリスクのうちなの?
  • イメージ
    NGTNさん
    2007/9/19 18:24
    多くのファンドが同じような分散のしかたをするので、結果としてリスクが集中している感じですね。ポジションの巻き戻しが始まると、自分や互いの動きで首を絞め合う結果になっています。先月の8,9日辺りの株の異常な動きは、ロングショート型のヘッジファンドが一気に手仕舞いしたようだと言われてますし、為替や株や債券の連動は、グローバル・マクロのヘッジファンドでしょうか、似たようなポジションを取っているところが多いのでしょうね。

    「リスク早見表」的なものとは、具体的には、個別銘柄についての標準偏差やベータ値を表示してくれるものでしょうか?そうだとしたらかなり参考になりそうです。普段見ている銘柄については感覚的には把握しているのですが、データとして見る事が出来ると何かと役に立ちそうです。
  • イメージ
    瓜生 憲さん
    2007/9/20 14:10
    ウランママさん
    税務職員さんの話ですが、個人的には役割分担だと思いますね。そして適材適所の考え方。投資家がいないと企業は成立しません。そして企業がいないと税収が滞る。でも、投資家も、企業で働く人たちも、多分、税務職員には向いていない。だから、税務職員さんみたいな人も必要。会社をやっていて、特に実感しますが、世の中は考えの合わない人というか、いろんな人がいて初めて成り立つんだと思います。そしてリスクの話。結局、リスクがないとリターンが成立しません。分散が機能しなくなるのは、あらゆる金融商品のドライバーが独自性を失いつつあるということを示しているのかもしれません。デリバティブのように、各シーンの隙間に商品が生まれ過ぎると、連鎖を促し、独自性を消してしまうのでしょうね。ただ、市場は集合知形成の中で最適化を進めていくので、どこかで是正が入ると思います。

    NGTNさん
    仰るとおりですね。結局、ここ数年の金融緩和と景気回復の中で、ヘッジファンドが急増しましたが、中には独立してやれるレベルでないものも少なくないと思います。そういう環境では、リスク管理が十分でなく、市況のターンについていけないケースも多分にあるのでしょう。そういうところは、証券会社にドライブされることも多いので、結果的に出来高を増やすことになります。そういったものが連鎖していくことも要因の一つかもしれません。ウランママさんにも書きましたが、最近は隙間商品が飽和状態になりかけているのではないかと思います。隙間を狙うはずが、結果的に隙間を埋めている(連鎖を強めて、個々の特徴を消している)ことに繋がっているように見えて仕方ありません。

    今回ご提供させていただく予定の「リスク早見表」は、比較的初心者を対象としたもので、標準偏差を用いています。まずα版として提供させていただいた上で、皆様の意見をお聞きし、徐々に中級者、上級者の方々にも満足いただけるものにしていければと思っています。なので、すっきり、分かりやすいものです。NGTNさん、色々意見を出していただき、担当者を鍛えてあげてください!!
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    NGTNさん
    2007/9/20 19:49
    あらゆるところにマネーが流れ込み市場は効率的になり、アルファが小さくなっていく。リターンを求めてデリバティブとレバレッジを積み重ねる。リスクを分散させるためのデリバティブはいつのまにかリスクを網の目のように張り巡らせシステミックリスクを増大させていき、レバレッジによってたまったマグマが臨界点を超えたときに今回のようなことが起きてしまった・・・と思っています。

    「リスク早見表」は標準偏差を用いるのですね。「リスク=損失の大きさ」みたいに考えている人が多いと思うので、標準偏差を使ってリスクを把握できるようにするのは、多くの人にとって有用であると思います。リリースを楽しみにしております!
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    瓜生 憲さん
    2007/9/23 12:53
    NTGNさん
    まさに仰るとおりだと思いますね。「リスク早見表」については、α版として導入した後に、皆様と意見交換をしながら、皆さんと一緒に正式版を作成したいと思っておりますので、積極的にご意見をいただけると幸いです。
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