多くの友人は「それは不可能だ」と言っています。理由は、今回の利上げサイクルはまだ終わっておらず、FRBがこれほど早く引き下げることはないというものです。それも一理ありますね。なぜなら、今回の利上げサイクルでは、まだ主要な経済大国が倒れておらず、FRBに「刈り取られた」国はありません。
しかし、アメリカは今回、利下げをせざるを得ない状況にあります。というのも、彼らはもう耐えられなくなっているからです。何が起こっているのか、一緒に見てみましょう。この図は、アメリカの7月の財政収支バランスを示しています。
図を見ると、左側がアメリカ政府の財政収入、右側が財政支出です。左側の収入源は主に税収で、その流入は細く、少ない一方で、右側の支出は社会保障、軍事費、教育、インフラなど、多くの項目で構成されており、流出は太くて密度が高いです。全体として、アメリカの収支は完全に収支が合っていないことがわかります。
7月はアメリカ政府にとって災害的な月でした。税収は3300億ドルにとどまりましたが、支出は5730億ドルに達し、深刻な財政赤字が発生しました。もしこれが英国であれば、政府破産が宣言されていたことでしょう。
2000年には、アメリカ政府の月間支出はまだ1500億ドルほどでしたが、それが年々増加し、2020年に急増しました。わずか3年で支出は7000億ドルに達し、20年前の5倍に増加しました。この急増は、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが始まった後に、アメリカが金融緩和政策を進め、財政赤字が急増した結果です。ウォール街のアナリストは、現在の爆発的な財政支出と赤字の最も重要な原因は、アメリカの債務利息が増え続けていることだと指摘しています。
7月には、アメリカの債務利息は886億ドルに達しました。今年に入ってから、アメリカの国債の利息支出は合計で9560億ドルに達しており、2024年の年間予測では1.16兆ドルに達すると見られています。言い換えれば、利息支出だけでアメリカ政府の収入の1/4を占めています。
これらの天文学的な数字の背後には、アメリカ政府が直面している大きな問題があります。イエレンやパウエルは公の場で、これは現在アメリカが直面している最大の課題だと認めています。今回の利上げサイクルで、FRBは金利を1%から5.5%に引き上げましたが、その結果、アメリカ政府が新たに発行する債券の金利も上昇し、現在の平均債務利息は3.3%という高い水準に達しています。
では、FRBの利下げは世界経済の緩和のためなのか、それともアメリカ財務省の「時限爆弾」を解除するためなのか、今ならわかるはずです。
だから、私は利下げサイクルが間近に迫っていると考えています。9月18日のFOMCでの利下げの確率は100%であり、0.25%の利下げか、0.5%の利下げかを見守りましょう。