規則正しく、生きたこそ、今生きていると思う。
和田秀樹なんて「60歳を過ぎたら、好きなことをやろう」なんていう本を出版して、ベストセラーになった。本当に、このとおりやって、死んだ人もいるのではないか。
そうではない。毎日を規則正しく、欲望を、抑えて生きたからこそ、今、この自分は、生きているのである。
和田秀樹の本は、NHKの「今日の健康」と内容が、対立する。「今日の健康」では、1年間に、その分野の専門の医師が、その分野を、説明している。年間で60名の医師である。これを録画にとって、5年くらい見ていた。5年となると300名の医師である。
この人は、もう30年前から、本がベストセラーになればよいという、本を書いていた。売れればよいというのでは、その時に、もう、絶対に、この人の本は読まないと決めていた。本を書くからには、この本は、本当に読んで、社会の役に立つのかを、考えなければならない。社会的利益を考えるのである。その基本のことが、無いのである。
まあ、規則正しく、生活するのは、つまらないことである。これは、禅僧の雲水の修行に、似ている。雲水も、考えようによっては、役に立たないことを、毎日やっているのである。規則正しく、生きるのは、これも、つまらない毎日である。しかしここに、雲水は求めないが、ご利益がある。それは、今こうして生きていることである。これが、最大の御利益であろう。「死んだら、おしまいよ。」である。生きていれば、何かはできる。
しかし、ここで世間の欲望も、頭によぎる。人だからそうなのだが、その欲望を、規則正しい生活で抑えて、カットしているので、今の自分は、生きているのである。好きな事をして生きていたら、もう、40年も前に、死んでいる。
一つだけ、例を上げておこう。酒の好きな人が63歳で亡くなった。回りの人は、誰も同情しなかった。それは「あんだけ、酒を飲んでいたので、何時死んでも、おかしくないと、思っていた。」ということです。