【概要】
- 明治期に創業した津村順天堂をルーツとする漢方専門の製薬会社。
- 現社長は6代目、創業家は不祥事で経営からは退いている。3代目の創業家社長の放漫経営、小柴胡湯による死亡事故発生などの危機を乗り越え、漢方専業で再興して今に至る。
- かつての看板商品だった入浴剤の「バスクリン事業」は08年に売却して、漢方に注力。
【基本データ】2023.11
- PER 10→15
- PBR 0.7→0.8
- 配当 2.5:6400→7000円、配当性向は40%。将来的にDOE5%へ。
- ROE 7.3→6.7
- 営利率:16%
- 自己資本 63%
- 来期予測 増収減益
- 四季報:続落
- 大株主:海外・投信54%、中国平安が10%、。機関。
- 空売り:20年以降機関なし。機関の状況。5800、21倍。
- 経営者 ○
- チャート 下降傾向、当面2500が底。200線は↑トレンド。
- 判断:変動:2500-7000,買:‐2800、売:上5000‐、理論:3362
【ニーズ】
【トピック】
- 国内漢方シェア8割のガリバー。特に医療用漢方に強い。
- 作用機序を解明しEBMから医師にアピール。特定疾患の薬に注力。
- 漢方薬に特許はないが、原料の調達・加工、均質化した品質での大量生産設備が新規参入のハードルに。
- 近年は中国の平安グループと合弁会社を立ち上げ、原材料調達と中国市場参入に意欲。23年現在は売り上げ1割だが、31年までの8年間で5割達成を目指す。
- 上記目標のため、23.4に現地企業「平安津村」を通して伝統薬企業の買収を決定。しかし3ヶ月後に地元自治体から法令違反を指摘されて持分売却と失敗。
- 23.11の2Q決算で上方修正と増配を発表。ならびに2031年までにROE10%(現状6.7%)、自己資本50%(現状63%)、配当性向50%以上(現状40%)かつDOE5%(現状2%)の目標を公表した。
- 物価高騰の中で、医療用製品は価格転嫁が遅延。生薬の契約栽培化と機械化による人件費圧縮でコスト改善を模索。24年には薬価改正で利益幅改善に成功。
【投資判断】2024.03
- 21年より下降トレンドが継続したが、経営効率化策の公表と薬価改正による利益率の改善を受けて反転。
- 売上は上昇、堅実経営で資産を増やしている。23.11に中期計画で数値目標を明示、ROE向上と増配を宣言して好印象。保守的文化なので、信ぴょう性は高そう。配当は今期で6600円(2.3%)→7000円(2.5%)と増額、DOE基準だと16000円(5%)となる。8年は長いが、投資妙味はある。
- 市場では地味な存在だが漢方には未来を感じていて、今後の中国展開を含めてチャンスはあると思っている。24.03の薬価改正が報道されて株価が大幅上昇したため一部利確したが、価格が落ち着いたら再度購入し、長期保有のつもりで投資額を増やしたい。
【参考資料】