【ワシントン＝吉田通夫】バイデン米大統領は29日、ロシアがウクライナの首都キエフなどへの攻撃を大幅に縮小すると表明したことに対し「彼らの行動を見るまでは何も読み取れない」と述べた。ロシアはこれまで、ウクライナへの侵攻計画を否定するなどうそを重ねてきており、米政府は今回の発表も懐疑的にみている。
ブリンケン国務長官も同日、訪問先のモロッコで記者会見し、ロシアについて「侵略の方向転換を反映しているのか、再び人々を欺こうとしているのかは分からない」と指摘。「われわれは彼らが何を言うかではなく、何をするかに焦点を当てている」と語った。
米国防総省のカービー報道官は同日の記者会見で、「（ロシアが）突然キエフへの攻撃を縮小するとか、全面的に撤退すると宣言しても、だまされてはいけない」と警戒感を表明。ロシア軍の一部はキエフから後退しつつあるものの、小規模のため「（部隊の）再配置であり本当の撤退ではない」との見方を示し、「脅威が終わったということではない。今日もキエフへの空爆は続いている」と強調した。
