2024年8月期までの過去5年間の業績を振り返ると、売上高は稼働社数の増加とARPUの伸びとともに右肩上がりで拡大してきた。平均売上成長率(CAGR)は35%を超えるが、ここ数年は鈍化傾向にある。
一方、損益面では、事業の立ち上げや成長基盤の整備に向けた先行費用(広告投資やシステム開発、人的投資等)により創業来営業損失が続いてきたものの、売上高の伸びで固定費や先行費用を吸収し、2023年8月期に初めて黒字化を実現した。売上総利益率は40%前後で安定推移する一方、販管費率は売上高の拡大とともに低下傾向をたどっている。ただ、2024年8月期については、さらなる成長加速に向けた広告投資の増額により、再び営業損失を計上した。
財政面では、創業来営業損失が継続してきたなかで、優先株式の発行などを通じて財務基盤の安定を図り、自己資本比率は改善傾向をたどってきた。もっとも、本来資産を必要としないビジネスモデルであることから、総資産の約60%が現金及び預金であり、今後の成長に向けた広告投資やM&Aを含むセグメント拡大に向けてどのように活用していくのかが注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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