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2022/06/07 - バリュエンス(9270) の関連ニュース。 バリュエンスグループ佐藤慎一郎氏(以下、佐藤):バリュエンスホールディングス取締役CFOの佐藤でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。さっそくですが、当社について紹介したいと思います。

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バリュエンスHD、ラグジュアリーブランドリユースの業績はコロナ前を上回り回復 海外展開で伸長を見込む

投稿:2022/06/07 15:00

バリュエンスグループ

佐藤慎一郎氏(以下、佐藤):バリュエンスホールディングス取締役CFOの佐藤でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。さっそくですが、当社について紹介したいと思います。

はじめに、社名の由来は「Value」と、「Intelligence」「Experience」の語尾「ence」を掛け合わせ造語にしたもので、2020年3月にバリュエンスへ社名変更しています。事業活動を通じて、みなさまに価値ある体験を提供していきたいという思いを込めています。

グループ理念

佐藤:Missionとして「らしく、生きる。」、Visionとして「Valuable Experience」を掲げています。人生を変える価値を提供していくことを、当社グループの理念としています。

会社概要

佐藤:会社概要です。社名はバリュエンスホールディングス株式会社で、現在は当社、連結子会社10社、持分法適用関連会社1社の計11社で事業を運営しています。代表は嵜本晋輔で、嵜本の経歴については後ほどご紹介します。

現在、資本金は11億円、従業員はグループ全体で864名といったかたちで事業を運営しています。スライド右側にはグループ事業のブランドを記載していますが、詳細については後ほどご説明します。

事業紹介/サービス紹介

佐藤:事業紹介ならびにサービス紹介です。我々は、お客さまから主にブランド品や骨董、美術品などを買い取り、販売する事業を行っています。

ブランド品買取については「なんぼや」「BRAND CONCIER」というブランドで買取専門店を運営しており、現在は国内に128店舗、海外に22店舗を展開しています。店舗での買取だけではなく、お客さまの自宅に伺う出張買取や、我々に品物を送っていただく宅配買取、オンラインでの買取にも対応しています。

骨董品、美術品などの買取については「古美術八光堂」という買取専門店を運営しています。専門の鑑定士を抱えており、出張買取を中心に骨董品、美術品の買取を行っています。遺品整理や生前整理にも対応しています。

事業紹介/サービス紹介

佐藤:このように買い取ったものは、同業のリユース事業者に対してオークションというかたちで販売しています。現在、「STAR BUYERS AUCTION」を週に1回開催し、我々が買い取ったブランド品を事業者に販売しています。こちらは2020年3月にオンライン化し、世界各国のパートナーが参加しています。

例えばサザビーズなどのオークションをご覧になった方もいると思いますが、オンライン化する前は当社も同じようなかたちで事業者にリアルで参加していただくオークションを開催していました。しかし、コロナ禍の影響などによって、2020年3月からは「ヤフオク!」のようなオンライン形式を採用しています。

また、「THE EIGHT AUCTION」では、骨董品・美術品などのBtoBオークションを行っています。こちらも2020年7月にオンライン化しました。

事業紹介/サービス紹介

佐藤:一般消費者向けに小売販売も行っています。「ALLU」というブランドで、銀座、心斎橋、表参道の3店舗に加えて、ECサイトもあり、全世界に向けて我々が買い取ったブランド品を販売しています。

事業紹介/サービス紹介

佐藤:それ以外のサービスとして、資産管理アプリ「Miney」の運営も行っています。みなさまがお持ちの腕時計などのブランド品を撮影してアップすると、AIが自動で査定し、現在どのくらいの価値で売ることができるのかを、リアルタイムで確認いただけるアプリです。

相場は日々変わっていくものですので、最初にアップロードした際の算定だけではなく、相場状況が動くたびに再計算されていきます。さらに、「売りどきアラート」という機能もあり、みなさまがお持ちの実物資産の今の価値を推し量るのに最適なアプリとなっています。こちらは無料で提供していますので、ぜひ使っていただければと思います。

創業、そして事業拡大へ

佐藤:当社の沿革になります。社長の嵜本はもともとJリーガーで、ガンバ大阪に入団しましたが、2003年に戦力外通告で退団した後、父親の経営するリユースショップに入社しました。リユースショップの中でもブランド品のリユースに目をつけ、事業の始まりとして2007年に買取店舗1号店をオープンしました。

2011年に独立し、SOU(現・バリュエンスホールディングス)を設立し、以降は買取専門店と事業者向けオークションを運営しています。2018年には東証マザーズに上場し、2020年にバリュエンスホールディングスに社名変更して、現在に至ります。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):創業のきっかけをお話しいただきましたが、嵜本社長がリユースショップに入社し、買取専門店を伸ばしていこうと考えたのは、どのような目の付けどころによるものだったのでしょうか? 簡単でよいので教えてください。

佐藤:嵜本のお父さまのリユースショップは、主に家電製品などが中心だったらしいのですが、捨てられるはずだったものを綺麗に磨き直すことで、再び価値あるものになっていくことに目をつけたようです。ブランド品のほうが単価が高いため、効率的に収益を稼ぐことができるという観点から、ブランド品に注目した買取専門店を設立しました。

売上高推移

佐藤:創業以来の売上高の推移についてです。創業10年で売上高は500億円を超える規模まで成長しており、中期経営計画「VG1000」として、2025年8月期に売上高1,000億円を目指すと発表しています。こちらの中期経営計画については、後ほどご説明します。

馬渕磨理子氏(以下、馬渕):スライドを拝見すると、コロナ禍以降に再び売上が伸びているようですが、何か理由などはありますか?

佐藤:コロナ禍においても買取専門店の店舗展開のスピードを緩めなかったことに加えて、同業のM&Aなども実行しています。コロナ禍がずっと続くわけではありませんので、成長の歩みを止めずに積極投資を継続するという経営方針のもとに投資を行った結果、500億円を超える売上まで成長してきたと考えています。

坂本:コロナ禍によるブランド品の価格上昇なども影響しているということでしょうか?

佐藤:そうですね。ご存知のとおり、時計の相場が非常に好調に推移しています。また、最近は金価格も上昇しているため、相場上昇の背景も当然あります。

ビジネスモデル

佐藤:我々のビジネスモデルと強みについてです。先ほどもご説明したとおり、主に一般消費者へ向けて、Webを中心とした広告宣伝やテレビCMなどで集客し、店舗、出張、宅配、オンラインといったかたちで買取を行っています。

買い取った商品を自社オークションで同業者に販売します。その他に、主に金やプラチナについては相場があるため、オークションではなく業者に卸売で販売します。こうしたBtoBの売上が全体の85パーセントで、そのうち自社オークションが50パーセントから60パーセントくらいの比率になっています。このように、同業のリユース事業者に販売するのが主なビジネスモデルです。残りの15パーセントは、店舗およびEC経由による一般消費者への販売となっており、主にCtoBtoBといったかたちでビジネスモデルを展開しています。

収益構造

佐藤:収益構造についてです。我々が買い取ったものが原価で、オークションによって同業者に販売した分が売上、その差額が売上総利益となっています。

現在は同業他社から商品の委託を受け、我々のオークションで委託販売するビジネスも行っており、販売手数料が売上として計上されています。こちらは原価がかからないため、ストレートに売上総利益に直結しますので、手数料の比率が上がると利益率も上がるといった収益構造になっています。

バリュエンスグループの強み

佐藤:当社の強みとして、集客、買取、販売の3つの面によって、厳しい業界環境の中でも、他社より抜きん出た競争力を持っていると考えています。

集客力 独自のO2O(Online to Offline)モデル

佐藤:集客については、独自のO2Oモデルを構築しています。我々が一般の小売の事業者と異なる点として、例えば、道を歩いているときに、ふと「腕時計を売ろうかな」と思うお客さまはなかなかいません。腕時計を売りたいと思った時には、Webで買取業者を検索して、ホームページから近くの店舗の詳細を調べて、来店していただくといったかたちが一般的な消費行動になります。そのため、まずはWebマーケティングによって、我々のホームページから集客することに力を入れています。

具体的にはホームページのUI/UXを最適化することで、店舗の詳細ページに辿り着きやすくしています。また、LINE査定や「Miney」によって、どれくらいで売れるのかを事前に提示することで、ホームページに来たお客さまを実店舗への来店に結びつけるような工夫をしています。そうは言っても、近くにお店がなければ来店できませんので、全国に128店舗の買取専門店を展開しています。

集客力 質の高いカスタマーサポートセンターの存在

佐藤:さらに、カスタマーサポートセンターのコールスタッフが社内に常駐しています。当社に興味を持っていただき、電話までかけていただいたお客さまをしっかり来店まで結びつけたいと考えています。応答率は96パーセントと、他社に比べて高水準です。加えて、電話での査定も実施することで、できるだけ店舗にお客さまを誘導しようと考えています。

集客力 関ジャニ∞を起用したテレビCMの放映

佐藤:「なんぼや」の認知率を向上させるために、昨年度からテレビCMの放映を開始しました。今年は関ジャニ∞さんをイメージキャラクターとして登用しています。

我々の知名度向上はもちろん、リユース業界全体のイメージ向上も企図して、関ジャニ∞さんという非常に有名なタレントを起用しています。

坂本:以前のイメージキャラクターは関根勤さんだったと記憶しています。今回の関ジャニ∞さんを起用した理由は、ターゲット層の変化によるものでしょうか? そのあたりについても、もう少し教えてください。

佐藤:我々のお客さまは年齢層に大きな偏りがあるということではありません。そのため、比較的ファン層が広く、幅広い世代に支持されている関ジャニ∞さんを起用しました。また、非常にクリーンで爽やかなイメージの方々ですので、我々を含めた業界全体のイメージ向上を図り、より親しみを持っていただきたいというところで、今回起用したという経緯です。

坂本:テレビCMの放映が5月8日までということで、いったんの結果は出ていると思うのですが、効果はどのくらいあるイメージでしょうか? 数字に出たものがすべてではありませんが、反響などを含めて、ニュアンスでよいので教えてください。

佐藤:詳細は調査中ですが、我々の認知度に関しては、かなり高まったのではないかと思います。また、先日のゴールデンウィークでの来店客数の増加には、かなり寄与したと思っています。

買取力 接遇を重視した買取スタイル

佐藤:来ていただいたお客さまから、きちんと商品を買わせていただくという「買取力」についてです。これまで、リユース事業者というとイメージ的にもあまりよくなかったり、店舗も薄暗いようなところであったりする会社が多かったと思います。その中で、我々は非常に洗練された店舗となっており、個室の相談ルームでプライバシーにも配慮しています。また、ドリンクサービスなどのおもてなしを行い、くつろいだ雰囲気で商談させていただくようにしています。

接遇を非常に重視しており、金額だけを提示するのではなく、お客さまとのコミュニケーションを通じて、持参された商品に対する思いを汲み、価値を算定して「買わせていただく」という気持ちで、買い取らせていただいています。その結果、成約率90パーセントを実現しています。

買取力 高精度プライシングの仕組み

佐藤:高精度のプライシングについてご説明します。商品の価格に関しては、我々はオークションというかたちでマーケットを持っているため、その販売価格データベースを使用して本部からサポートします。一人ひとりの鑑定士の勘や経験に頼るのではなく、ビッグデータを活用したプライシングで、お客さまが満足できるような価格をご提供しています。

販売力 オンライン化によるオークションの規模拡大

佐藤:買い取った商品をどのように販売しているのかについてです。先ほどお話ししましたが、2020年3月よりオークションをオンラインで開催しています。その結果、パートナー数が385社だったものが、約3倍から4倍の水準の1,239社まで拡大しています。お客さまが増えるということは、それだけ入札が増加して価格が上がりやすい環境になったということだと思います。

また、これだけの事業者が参加するオークションのため、自社で買い取った商品だけではなく、他社の商品も販売するサービスもスタートしています。これが、先ほどお話しした手数料収入として収益に寄与しているということになります。

馬渕:オンライン化によってオークションの規模が拡大しているようですが、オークションというと海外の事業者が参加するというイメージがあります。円安は、御社にとってメリットになってくるのでしょうか?

佐藤:我々は日本円でオークションを行っているため、海外の事業者も先ほどのスライドに記載のとおり、非常に増えています。円安で非常に買いやすい水準になっているため、海外の利用者が非常に入手しやすい環境になっているのは事実かと思います。実際に、海外の事業者の落札割合はかなり高くなっており、前月などは時計のジャンルで50パーセントを超えています。

販売力 オークションプラットフォームでの同業他社への販売(CtoBtoBモデル)

佐藤:我々と他社との大きな違いは、個人から買い取り、オークションというかたちで同業の事業者に売るというところです。買取の面では競合であったりするのですが、販売ではお客さまになるというかたちです。競合であり、お客さまであるというフレネミー的な、独特のビジネスモデルを行っているというのが我々の特徴です。

また、他社では個人に売る場合、店舗で販売するケースが一般的だと思います。店舗販売の場合は在庫の回転期間が比較的長いのに対し、我々は買い取った商品を翌月販売するというのが一般的な商品サイクルで、在庫回転期間が短いということも大きな特徴になっています。

中期経営計画

佐藤:このようなビジネスで、この10年で500億円まで急成長を遂げてきました。先ほどもお話ししましたが、2021年8月期から2025年8月期までの5年間で、売上高を1,000億円まで拡大していこうという「VG1000」という中期経営計画を発表しています。その内容について簡単にご説明します。

新品市場規模

佐藤:最初に、マーケット環境についてです。リユース品は、新品市場が非常に大きく成長していると、その後のリユース市場も非常に大きな恩恵を受けます。最近の海外および国内の新品市場を見ていくと、2020年はコロナ禍で減少しているのですが、海外でも市場規模としては35兆円です。日本国内でも2兆円の新品のブランド品が売れているという、非常に大きなマーケットですので、我々の中には、それだけ潜在的な市場があると考えています。

ラグジュアリーブランドの業績

佐藤:ラグジュアリーブランドの業績です。こちらも2020年はコロナ禍で一度減少していますが、「LVMH」「KERING」「HERMES」の3ブランドとも、それぞれ堅調に業績を伸ばしています。ブランド品は非常に好調であるというのが、業界環境の背景にあると思います。

中古市場規模と海外展開

佐藤:その背景を享受して、全世界の中古品の市場規模が2020年は約2.7兆円だったものが2025年には約4兆円と、年平均成長率8パーセントで成長するだろうと予想されています。

日本国内も3,000億円くらいの市場規模があると思われています。日本国内の新品市場が2兆円ということを考えると、まだまだ10分の1くらいしか出てきていないマーケットですので、みなさまの家のタンスに眠っているものが歴年積み重なっているだろうと思っています。それができるだけ世の中に出てくれば、市場規模は非常に大きいものになるだろうと思っています。

売上高推移

佐藤:この10年間、我々は買取店舗の出店を増やすことで買取数を増やし、成長してきました。今後5年は多店舗展開に加えプラットフォーム戦略で成長していきたいと思っています。

中期経営計画の目指す姿

佐藤:プラットフォーム戦略についてご説明します。我々は、一般消費者およびパートナーから、さまざまな方法で買い取らせていただき、または委託販売をさせていただくことで、商品を集めます。それらの商品をtoBにもtoCにも販売し、また、それに対して時計修理やバッグ修理などの付随するサービスも提供することによって、一般消費者ともパートナーともリカーリング的な関係を築いていきたいと考えています。

そのような意味では、我々のプラットフォームでの商品の取り扱い物量、数量をできるだけ大きくし、そこから生まれる収益を増やしていきたいと考えています。これまでは、どちらかというと一般消費者から買い、パートナーに販売するという一方通行のビジネスでした。しかし、一般消費者およびパートナーそれぞれと、販売と買取・委託の両方の関係を持つことで、循環型のビジネスに変えていきたいと思っています。

GMVの拡大に向けて

佐藤:そのような意味で、GMV(取扱高)をいかに拡大していくかが非常に大事になってくると考え、GMV拡大を1つのKPIとして挙げています。仕入れ拡大やオークションプラットフォームの強化、取引データの活用などによって、GMVを拡大させていきたいと思います。

坂本:海外戦略についておうかがいします。まず、海外のリユース業界について教えてください。日本と同じような業界があるのでしょうか? また、仕入れを含めた取引形態について、異なる特徴的なものがあれば教えてください。

佐藤:日本と大きく変わるところがあるかというと、あまり大きな違いはないかと思います。海外も、基本的には買い取って販売するということです。

ただし、ラグジュアリー品のリユース業界においては、GAFAのような大きな企業が、すごいプラットフォームを持って行っているかというと、そうではありません。逆に言うと、Amazonでもそのようなことができていない状況のため、そのような意味では、海外でもまだ規模が小さな事業所がたくさん事業を行っている状況だと思います。

坂本:海外展開としては、日本と同じような戦略で進めるというイメージでしょうか?

佐藤:基本的には我々の買取ノウハウや、日本のおもてなしのクオリティを提供しながら買い取ります。その後、海外を含めオークションで販売していくという、日本と同じようなかたちで海外でも展開していこうと思っています。

坂本:スライドに記載の「パートナーを拡大」というのは、どのような企業を想定しているのでしょうか?

佐藤:パートナーとは、事業者と言いますか、オークションに参加していただく我々の同業他社のようなところです。

坂本:国内に関してはすでにお付き合いがあるところ、海外においてはすでにオークションでお付き合いがあるところと深めていくということでしょうか?

佐藤:はい、そのとおりです。

GMV拡大の好循環

佐藤:ビジネスモデルとしてGMVを拡大していくと、やはり魅力的な商品がたくさん揃うため、パートナーが拡大し、我々のお客さまも世界中に増えていくと思います。その結果、ビッド数が増加しますので比較的高い値段で販売することができます。高く販売できるため、委託によって販売しようという業者数も増えるという、正の循環を作っていきたいと思っています。それが「リカーリング型ビジネスへの転換」だと考えています。

ジャンル拡大による事業機会の最大化

佐藤:これまでが、今までのブランドリユース事業をさらに深めて発展させていくかたちでの成長の仕方だったとすると、もう1つの成長の軸はジャンル拡大だと考えています。我々は今、主にブランド品や美術品などを扱っていますが、その市場規模は3,000億円程度です。それ以外に、住宅の仲介をする不動産事業にも参入しましたし、自動車の買取仲介も開始しています。

今後は、すべての実物資産をワンストップで我々が買い取らせていただくことができるように転換を行っていきたいと思っています。実物資産で困ったことがあった際に、すべて我々にご相談していただければ、その価値を判定して買い取らせていただくことができるように、サービスを拡大していきたいと考えています。

中計期間の成長イメージ

佐藤:このようなことを実施していくことで、2025年8月期に売上高1,000億円を目指そうという中期経営計画を進行中です。今期は売上643億円で計画しており、その達成を目指している状況です。前期の約500億円から、およそ2割の成長になるかと思います。

ESGへの考え方

佐藤:サステナビリティについてご説明します。我々のリユース事業は、いわゆる循環型社会の促進というかたちで、サステナビリティにおける中心の事業であり、我々の事業そのものの発展が社会、地球環境に貢献していくと考えています。

我々のビジネスを広げることによって、みなさまが「らしく、生きる。」ことができる世界を実現し、企業価値の最大化を目指していきます。そのような意味でもESGへの取組を積極的に行っていきます。

サステナビリティへのコミットメントを発表

佐藤:現在、コミットメントというかたちで、「E」「S」「G」のそれぞれについて、中期的な目標を設定しています。「E」の部分では、2030年までにバリューチェーン全体におけるカーボンニュートラルを実現します。「S」の部分では、従業員の満足度を4.2に向上させます。「G」の部分では、当社の取締役会構成員の女性比率30パーセントを達成します。そのような1つの公約を掲げて、ESGに関する取組を行っているところです。

企業方針とESGデータを開示

佐藤:具体的には、企業方針として関係法令、国際ルールおよびその精神を順守するための当社の考え方をWeb上に公開しています。また、ESGデータというかたちで、GHGのプロトコルに基づいた温室効果ガスの排出量や従業員男女比などの当社グループのESGに関するデータも開示しています。

国内リユース業界初、Resale Impact を測定

佐藤:他の事業者も行っているESGデータの開示に加えて、当社では「Resale Impact」という、独自の計算指標を開発し、開示しています。従来のリニア型消費では調達から廃棄までの全工程で環境負荷が発生しますが、これに対し、リユースの普及により製品が生産されないと仮定した場合に、調達、製造などの生産に関わる工程と廃棄の工程で発生する環境負荷を回避できると仮定し、これを当社独自の計算ロジックで算出したものを「Resale Impact」と呼んでいます。

昨年1年間では、430万トンのCO2削減に貢献したと発表しています。さらに今、表参道にある「ALLU」という小売店舗では一つひとつの商品に対してこの数値をタグに付けて、「この商品を買っていただくと、新品商品に比べてこれだけCO2削減に貢献しますよ」というかたちで、我々の貢献の見える化を行っています。

エレン・マッカーサー財団へ加盟

佐藤:サーキュラーエコノミーというのが、いわゆる循環型社会の名称ですが、それを積極的に推進していこうというエレン・マッカーサー財団という団体がイギリスにあり、こちらに日本のリユース事業者として初めて参加しました。これによって、一次流通の事業者を含め、他社と一緒に循環型社会を推進していくような取組も行っていきたいと思っています。

取締役の体制

佐藤:取締役の体制としてガバナンス体制のご説明をします。現在10名の取締役で構成していますが、社外取締役が6名で独立社外取締役が5名と、半数を独立社外役員として、ガバナンスを非常に強化し事業運営を行っています。

坂本:どの方がどのご専門なのかよくわかっていない状況で質問するのは大変恐縮ですが、興味があるためおうかがいます。独立社外取締役が半数ということで、非常にガバナンスを効かせた経営をしており、みなさまがそれぞれ専門的な方だと思っています。その専門的な方々のアドバイスで、経営にプラスになったことが事例としてあれば教えてください。

佐藤:2例ご紹介します。独立社外役員の富山浩樹氏は、サツドラホールディングスという札幌を地盤としたドラッグストアの運営をしている会社の社長で、小売業に精通しておられます。我々は「ALLU」というブランドで小売を展開していますが、どちらかというとtoB事業が中心で、小売は少し素人な面がある中、サツドラの店舗やオフィスを見学しながら、小売のノウハウを学んでいます。

もう1例は、夫馬賢治氏です。夫馬氏は独立社外役員ではないのですが、ESGの日本での第一人者で、当社のESG戦略、特に先ほどの「Resale Impact」の開発を一緒に行っていただきました。

株主還元の考え方

佐藤:最後に株主還元です。基本的な考え方については、配当性向は原則30パーセント以上と発表しています。株主に対して安定的な配当をしていき、それ以外のものは投資に向けていくというかたちで、バランスを考えて進めていきたいと思います。

加えて、自己株式の取得をいつ、どれくらい実施するかに関しては、具体的には決まっていませんが、場合によってはマーケット環境といったところを勘案して機動的に実施していくという方針を取っています。4月14日の決算発表時に発表しましたが、現在自社株買いを総額5億円を上限として実施している状況になります。

坂本:株主還元についてもう少し教えてください。数値として、配当性向は「原則30パーセント以上を目標とする」と記載されていますが、総還元性向で考えるという方法もあると思います。自社株買いや、または仮に将来M&Aをされた場合も、配当性向の数値とは別個に考えて、30パーセント以上の配当性向をイメージしておけばよいのかと思いますが、そのあたりについて教えてください。

佐藤:総還元性向を開示していると、配当性向との差分で必ず自社株買いを行うのではないかという期待感がストレートに反映されてしまうため、そのような考え方ではなくて、あくまでも「配当性向はこうですよ」ということです。自己株式は時と場合によって機動的にしていくという表現をしています。

坂本:なるほど。非常によくわかりました。

佐藤:以上で私からのプレゼンテーションを終了いたします。

質疑応答:オークションの海外売上について

坂本:「スライド22ページについて、オークションの売上のうち、海外の割合はどのくらいあるのでしょうか? 円安の影響について、1円当たりの影響額と前提の為替レートを立てていたら教えてください」とのご質問です。

佐藤:海外の落札の割合は、第2四半期の水準で全体の30パーセントくらいです。先ほど、「瞬間風速的には50パーセントに達したことがありました」とお話ししましたが、直近の第2四半期だと30パーセントくらいになります。

為替レートについてですが、我々は基本的には円ベースで販売していますので、為替レートの前提は特にありません。円安だと海外のお客さまが比較相対として買いやすくなっているため、海外の比率が上がっていくというかたちです。

坂本:円で決済をするので想定は関係なく、オークションも円ベースで高い人が落札するようなルールということでしょうか?

佐藤:おっしゃるとおりです。

質疑応答:オークションの開催回数について

坂本:続いて、「オークションの開催回数を一気に増やしたところ、マッチングがうまくいかなかったということがあったと思います。これについて改善するということでしたが、どの程度まで改善が進んだのでしょうか? すでに回数変更前を超えるところまできていますか? 現状を教えてください」

佐藤:よく資料をご覧になっていると思います。昨年の10月までは月2回オークションを開催していたところを、11月から毎日オークションに変えました。我々の目的としては、1開催当たりの出品数が少なくなるため、より多く入札が入るのではないか、その結果として落札率も上がり、粗利率も上昇することを期待していました。

蓋を開けてみると、日本の夕方くらいに締め切りがくるため、海外の事業者ですと、場合によっては真夜中の開催になるため、「毎日徹夜するのはしんどい」というようなこともあり、お客さまが分散してしまって落札率の悪化につながりました。それが第2四半期の粗利率低下の要因になったのですが、それを反省し、今年の3月中旬からは週に1回、つまり月4回開催に変更しています。

月2回開催のときは90パーセントくらいだったのが、毎日開催では80パーセント弱まで落札率が落ちたのですが、足元では、また90パーセント程度と月2回の水準あたりまで戻ってきています。一時的に開催数を増やしたことの結果に対しては迅速に対応したため、元に戻ったと考えていただいてよいと思います。

質疑応答:業績に影響を与えるマクロ指標について

坂本:「マクロ指標のうち、業績に影響が大きいのは何でしょうか?」というご質問です。

佐藤:そうですね、なかなか難しいご質問です。

坂本:これは難しいですよね。僕も解説者として、これは日本の指標なのか米国の指標なのかということがありますが、日本の指標は基本的に政策に影響しないため、見ても仕方がありません。ただ、米国の何かなのか、マクロを大きく解釈して為替なのかということはあるのですが、そのあたりを含めて何かあれば教えてください。

佐藤:直近で、一番大きくマクロの指標で影響が出たのは金相場です。

坂本:なるほど。それは非常にわかりやすいです。

佐藤:金は相場物であるため、金の価格が上がるとそれを換金しようと持ち込まれる方が非常に増えます。金だけお持ちになるのではなくて、金以外の宝石や時計といった、我々の買取の仕入金額が非常に高まるという傾向があります。そのような意味では、金相場によって金の増減というのはブレますので、比較的一番わかりやすく大きなマクロ指標として影響が出るところかと思います。

坂本:ありがとうございます。非常にイメージがわきました。

質疑応答:中計目標について

坂本:続いて、「中計で示されている2025年の売上高1,000億円は野心的に思えます。やはり海外展開がキーですか?」というご質問をいただいています。

佐藤:野心的なものをなるべく達成していきたいという中で、やはりグローバルは1つの大きな指標になってくると思います。2025年までに海外の店舗を約100店舗まで拡大していきたいという目標も掲げていますので、それにより仕入高が順調に拡大していくことで、1,000億円は達成可能になっていくと思います。

こちらのスライドのジャンルでいうと、不動産や車事業といった多角化も、ある程度寄与し、貢献していかないと1,000億円という数字にはなかなか届きにくいかと思っていますので、そのようなところでなんとか目標を達成していければと思っています。

坂本:海外は欧米や先進国を中心ですか? 中国などアジアでしょうか?

佐藤:先進国よりも東南アジアなどです。比較的富裕者層などが多くて、そのようなところは物価が安く、CAPEX投資が非常に薄く済みます。

坂本:なるほど。人件費も安いです。

佐藤:はい。そこで買い取ったものも、ブランド品の価値は変わらないため、そのような意味では効率よく買えるのは意外とそのような地域です。我々はインドネシアなどで積極的に出店しており、シンガポールや香港や欧米などにも出店しているのですが、意外とエマージングマーケットのほうが効率よく買取できている気がします。

坂本:非常によくわかりました。

質疑応答:TVCMのイメージカラーについて

坂本:「TVCMの装飾には青色が多く入っていたのですが、これは『ティファニーブルー』をイメージされていたのでしょうか?」というご質問です。これはイメージの問題ですので、真似したといったことではないと思いますが。

佐藤:これは「なんぼや」のイメージカラーになります。「なんぼやブルー」というふうに言っているわけではないのですが。

坂本:なるほど。「なんぼや」のイメージカラーをそのままCMに使われたということですね。

質疑応答:社長の人柄について

坂本:「御社の社長は元Jリーガーだとお話しいただいたのですが、現在の社長は社内ではどのような感じですか? 外交的なのか、非常に好奇心旺盛なのか、どういった方なのか教えてください」というご質問をいただいています。

佐藤:非常に好奇心旺盛で活発と言いますか、常に事業拡大のことを考えて積極的に何でもチャレンジしていくようなタイプの経営者です。ぐいぐい引っ張って「ついて来い」というタイプではありませんが、従業員に対しても非常に積極的にコミュニケーションをとりますし、物腰が柔らかく、気づいたらみんな走らされています。そのようなタイプの経営者です。

時間の都合上お答えすることができなかった質問と回答

(ご質問の内容については、ご理解いただきやすいよう部分的に加筆・修正しています。 回答は、2022年5月28日時点の内容です。)

<質問1>

質問:AIによる査定は、より規模が大きい競合のほうが投資できるため有利、ということはないですか?

回答:一般的に投資に充てられる資金が多いほど有利になるかと思いますが、AIによる査定は、開発だけでなく精度向上のためにより多くのデータを学習させる必要があります。当社は100店舗以上の直営買取店舗網を持つとともに事業者向けオークション及び小売チャネルを自社運営しているため、膨大な取引データのAI活用が可能です。このアドバンテージを活用し、将来に向けて必要な投資は積極的に行っていきます。

<質問2>

質問:プラットフォームとしての手数料売上の現状はどの程度の割合があるのでしょうか? 中期計画の1,000億円のうちの割合も、できれば教えてください。

回答:現在、オークション落札額の5パーセントを買主さまからいただいています。委託手数料として落札額の5パーセントを売主さまからもいただいていましたが、利用拡大のため直近では委託手数料をゼロ円にするなどの施策も行っています。また、今後は小売での委託の展開も計画しています。このように、料率や規模が流動的であるため、1,000億円の内訳としては開示していませんが、今後もさまざまなサービスの提供により手数料収入を拡大していきたいと考えています。

<質問3>

質問:中古品売買にあたり、日本と海外の法律の違いはどのように影響しますか?

回答:中国における骨董品の国外持ち出し規制など、リユース品の取扱いについては国や地域によって異なる規制があります。また、外資企業の参入について規制が設けられている場合もあります。当社では国内は直営店舗のみとなりますが、海外では直営店の他に現地企業と提携して営むパートナー店舗を設けるなど、現地の状況に応じて対応しています。この他に、関税の問題や貿易規制、メーカーが有する商標などの知的財産権への配慮など物流に関して注意すべき事項も多く、個人情報の取り扱いなど国や地域ごとのライセンスに基づくルールへの対応も必要となります。当社では現地企業や弁護士と連携しながらこれらに対応しています。

<質問4>

質問:中古品買取販売の企業では、鑑定士の確保が成長のカギになると聞いたことがありますが、貴社の場合はいかがでしょうか?

回答:ご認識のとおりです。出店計画に応じて鑑定士の採用・配置が必要になります。新卒採用に加え、毎月中途採用も行っています。鑑定士は1ヶ月の集合研修を経て店舗配属となり、OJTにて教育を進めています。鑑定・査定にあたっては取引データベースの活用や、本部熟練スタッフのリアルタイムサポートによって鑑定・査定能力の平準化に努めています。

配信元: ログミーファイナンス

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