＜クローズアップ＞ 防災技術、輸出に照準！産官学で推進組織を設立（２／２）

　個別銘柄では、油圧式杭圧入引抜機などを製造している技研製作所<6289.T>に注目。同社が開発した「インプラント工法」は、躯体部と基礎部が一体化した許容構造部材を独自の圧入技術で地盤に押し込み、それら一本一本が地盤に支えられることで地震や津波などに対して粘り強い構造体を構築する工法だ。
　振動や騒音、汚泥などを発生させないクリーンな工法でもある。

　日立造船<7004.T>の防災関連事業では、ＧＰＳ（全地球測位システム）の技術を活用した波浪・潮位・津波を観測するＧＰＳ海洋ブイを手掛けており、世界で初めてリアルタイムで沖合での津波を観測に成功している。また、ミリ単位で観測するＧＰＳを備えた電子基準点網を構築し、これを活用して地盤・地殻変動、道路・橋梁等の位置変動を監視するＧＰＳ連続監視システムを実用化している。

　パスコ<9232.T>は国内では、政府の推進する国土強靭化政策に関連した防災・震災復興関連の航空測量需要が継続し、カーナビ用データから得たビッグデータをクラウドサービスで本格提供する事業をスタートさせている。一方、海外においては、新興国向けの空間情報データの基盤整備事業や地球温暖化対策関連の受注増が見込める。

出所：株経通信（株式会社みんかぶ）