● 2019年8月期第3四半期の連結業績概要
(1) 損益状況
ナガイレーベン<7447>の2019年8月期第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比4.2%減の12,916百万円、営業利益が同10.2%減の3,786百万円、経常利益が同10.1%減の3,839百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同10.1%減の2,649百万円となった。
主力のヘルスケアウェアを中心とした更新対象物件が計画以上に後ずれしたことなどから全体では減収となった。原価面では、新工場の立ち上がりに伴う減価償却費増や不動産取得税の発生などの特殊要因があった。これにより売上総利益率は前年同期比で0.3ポイント低下したが、これらの特殊要因を除けば前年同期よりは改善していたことになる。一方で販管費も役員退職慰労金制度廃止等の一時的要因により前年同期比5.9%増となった。その結果、営業利益は同10.2%減となったが、おおむね想定内の結果であり大きく懸念される内容ではなかった。
売上総利益率は46.7%となり、前年同期比では0.3ポイント低下した。第2四半期決算でも報じられているように、一時的な原価上昇として、新工場新設による減価償却費の増加(第2四半期までで15百万円)及び不動産取得税14百万円の計上などがあったことから、原価率は上昇したものの、これらの一時的な原価上昇要因を除くと売上総利益率はほぼ前年同期並み(47.0%)となっていたようであり、内容としては決して懸念されるものではなかった。
一方で販管費は前年同期比5.9%増の2,240百万円となったが、主に国内運送費の増加、一時的な役員退職慰労金制度廃止に伴う功労金の計上(81百万円)による。販管費においても、仮にこの功労金の計上がなかったとしたら、前年同期比で2.0%増程度にとどまっていた。
以上のように、2019年8月期第3四半期の営業利益は前年同期で2ケタの減益となったが、主に減収と一時的なコストアップ要因によるものと言える。前者については、一部の期待した案件が後ずれしたことによるものであり、必ずしも悲観する内容ではない。また後者のコストアップ要因は当初から見込まれていたものでおおむね想定の範囲内である。したがって、今回の減益はほぼ想定内の結果であったと言える。
(2) アイテム別売上高
アイテム別の売上高は、ヘルスケアウェアが前年同期比5.5%減の7,448百万円、ドクターウェアが同2.8%減の2,090百万円、ユーティリティウェアが同11.2%減の350百万円、患者ウェアが同0.5%増の1,543百万円、手術ウェアが同1.2%減の1,164百万円、シューズが同6.4%減の137百万円、その他が同5.5%減の181百万円となった。全体の売上高がやや低調であったことから、各アイテムとも前年同期比ではほぼ減収となった。
財務内容は堅固、手元の現金及び預金は227億円、自己資本比率は90.4%
(3) 財務状況
財務状況は引き続き安定している。2019年8月期第3四半期末の資産合計は43,134百万円となり、前期末に比べ491百万円増加した。流動資産は33,723百万円となり同502百万円増加したが、主な要因は現金及び預金の減少1,222百万円、受取手形及び売掛金の増加1,103百万円、電子記録債権の増加681百万円、たな卸資産の減少103百万円など。一方で固定資産は9,410百万円となり、同11百万円減少したが、主に投資その他資産の増加54百万円による。
負債合計は4,160百万円となり、前期末比136百万円減少した。主な要因は、前期末との比較であるため未払法人税等の減少347百万円など。純資産合計は38,973百万円となり、同627百万円増加したが、主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加654百万円など。この結果、2019年8月期第3四半期末の自己資本比率は、前期末に比べて0.5ポイントアップして90.4%となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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