「パワー半導体」が1位、次世代半導体日米連携で政策恩恵も<注目テーマ>
1 パワー半導体
2 半導体
3 再生可能エネルギー
4 半導体製造装置
5 2021年のIPO
6 水素
7 太陽光発電関連
8 全固体電池
9 5G
10 2020年のIPO
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「パワー半導体」が1位となっている。
パワー半導体は、メモリーなどの「演算」や「記憶」などの働きをする半導体とは異なり、電子機器へ電力を供給したり制御したりする役割を担う半導体で、モーターの駆動や交流と直流の変換などで不可欠となっている。日本はこのパワー半導体で、世界売上高シェア上位10傑に5社が食い込むなど、“パワー半導体大国”といっても過言ではない。また、他の半導体と比べてカスタム性に富んでいることから参入障壁も高く、同分野における日本メーカーの優位性が簡単に揺らぐことがないのも強みとなっている。
日米首脳会談では半導体のサプライチェーン強化や次世代半導体の開発で協力する動きがテーマに上がったが、今後は世界的な電気自動車(EV)シフトの流れを背景に、その重要デバイスとして欠かせないパワー半導体が日米連携のキーデバイスの一つとなるとの見方が強く、中期的な政策恩恵が見込まれる。EV向けにとどまらず、太陽光発電など再生可能エネルギー分野全般でも需要が高まっており、関連メーカーのビジネスチャンスは、脱炭素社会でこれまでにない規模で膨らんでいく可能性がある。
パワー半導体分野ではシリコンウエハを使用したものが現在主流となっているが、薄型化などによる低消費電力へのニーズが高まるなか、高耐圧や高耐熱、高速動作といった性能を携えたSiCデバイスやGaNデバイスも注目されている。また、高性能かつ基板価格の低コスト化にも対応した酸化ガリウム型半導体も近年脚光を浴びている。
関連銘柄では、きょうの全体波乱相場にも関わらず、SiCパワーモジュールを筆頭株主のパナソニック<6752.T>と共同開発体制を敷いている三社電機製作所<6882.T>が続伸と気を吐いているほか、カーブアウトした企業がβ型酸化ガリウムパワー半導体の開発で先駆するタムラ製作所<6768.T>が4連騰、車載向けや産業機器向けで旺盛なパワー半導体需要を取り込むトレックス・セミコンダクター<6616.T>なども目先利益確定売りをこなし底堅い動きをみせている。このほか東芝<6502.T>、三菱電機<6503.T>、富士電機<6504.T>など大手重電メーカーやローム<6963.T>、サンケン電気<6707.T>、新電元工業<6844.T>、フェローテックホールディングス<6890.T>、昭和電工<4004.T>、日新電機<6641.T>、芝浦メカトロニクス<6590.T>、東京エレクトロン デバイス<2760.T>、三益半導体工業<8155.T>なども注目しておきたい。
出所:MINKABU PRESS
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