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2023/04/14 - テクノクオツ(5217) の関連ニュース。*16:29JST RSテクノ Research Memo(9):2025年12月期の業績目標を上方修正(2)■RS Technologies<3445>の今後の見通し(2) プライムウェーハ事業プライムウェーハ事業では、山東GRITEK※の徳州工場におけるプライムウェーハ月産能力が2022年12月期末時点で8インチ13万枚、6インチ15万枚、5インチ5万枚となっているが、今後は8インチにより一層注力する方針を打ち出しており、前述のとおり8インチの能力は2024年内に18万枚まで増強する予定だ。設備投資額としては2023年に20億円、2024年

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RSテクノ Research Memo(9):2025年12月期の業績目標を上方修正(2)

配信元:フィスコ
投稿:2023/04/14 16:29
*16:29JST RSテクノ Research Memo(9):2025年12月期の業績目標を上方修正(2) ■RS Technologies<3445>の今後の見通し

(2) プライムウェーハ事業
プライムウェーハ事業では、山東GRITEK※の徳州工場におけるプライムウェーハ月産能力が2022年12月期末時点で8インチ13万枚、6インチ15万枚、5インチ5万枚となっているが、今後は8インチにより一層注力する方針を打ち出しており、前述のとおり8インチの能力は2024年内に18万枚まで増強する予定だ。設備投資額としては2023年に20億円、2024年に4億円を計画している。現在は中国系半導体メーカーの需要に応えるだけで手一杯だが、将来的にはコスト競争力を生かして中国以外の市場へ展開することも視野に入れている。実際、欧米メーカーからコスト面で高く評価されており、生産能力さえあれば販売できる状況にある。このため、8インチプライムウェーハの生産量については2025年以降についても拡大する可能性が十分にあると弊社では見ている。

※GRITEKが80%、徳州市政府が20%を出資している。


一方、12インチプライムウェーハを手掛けるSGRSでは北京の研究開発棟に設置した月産1万枚規模のテストラインでの品質向上に取り組んできた結果、製品として販売できるレベルでの品質基準をクリアしたようで、2023年10月に竣工予定の新工場に月産10万枚の設備能力を構築する計画となっている。設備投資額としては2023年度に240億円、2024年度に20億円を予定しており、このうちGRITEKが出資比率(19.99%)相応分の資金を負担することになっている。プライムウェーハについては設備稼働後も、安定的に一定品質以上のシリコンウェーハを大量生産するための量産化技術が重要となるため、一定期間は量産化技術確立のための試験運転が必要で、実際に出荷できる時期としては2024年に月産5万枚を目標としている。中国ローカル企業で12インチプライムウェーハの量産化に成功した企業はまだなく、同社ではいち早く量産化に成功することでシェアを拡大していく考えだ。

販売戦略として、中国半導体メーカーのボリュームゾーンである回路線幅28~40nm品のプライムウェーハの品質基準を確保し、中国半導体メーカーをターゲットに販売を拡大していく。生産能力の拡大施策としては、新規投資だけでなくM&A等により低コストで製造設備を取得することで低価格化を実現し、まずは中国市場でのトップシェアを目指す。また、次のステップとしてグローバル市場でのボリュームゾーンである14~20nm品の品質基準をクリアし、中国生産による価格競争力を生かして、大手半導体メーカー向けに販売する戦略だ。同社はウェーハ再生事業で大半の大手半導体企業と取引があるため、品質基準の確保と安定供給体制さえ構築できれば、価格面での優位性から採用がスムーズに進むものと考えられる。同社は将来的に12インチプライムウェーハで30%の市場シェア獲得を目標に掲げている。

中国向けの12インチプライムウェーハは海外大手企業が販売しており、中国ローカル企業は多額の設備投資を実施してきたものの、品質基準を依然クリアできず量産化に至っていないのが現状だ。インゴットを均質な純度・品質(酸素濃度や抵抗値等)で引き上げ、高い歩留まりを達成するのに苦戦している状況に変わりないようだ。同社は大手シリコンウェーハメーカー出身のエンジニアを招聘して現地スタッフにノウハウを伝授しており、品質面ではほかの中国ローカル企業に対して同等以上の水準になっていると見ている。製造の後工程となる研磨・洗浄工程については再生ウェーハの技術を活用できるため問題なく、2024年に量産を開始できる可能性は十分ある。また、目標とする月産30万枚の能力を構築するためには1千億円規模の多額な投資が必要となるため、中国競合他社のM&A等も選択肢の1つとして考えている。現在、量産化技術の確立に苦戦している企業から設備を安価に取得することを想定しており、数年後にそういった状況になる可能性があると同社は見ている。投資資金については合弁先のGRINMや徳州市政府系ファンドと共同で負担していくもの思われる。

(3) 第3の収益柱として半導体製造装置用消耗部材を育成
同社は、ウェーハ再生事業、プライムウェーハ事業に続く第3の収益柱を育成するため、子会社のDG Technologiesで展開している半導体製造装置用消耗部材に注力する方針だ。具体的には、ドライエッチング装置でシリコンウェーハを固定するための石英リングやシリコン電極などの消耗部材の売上拡大を目指す。

同消耗部材の年間市場規模は約1,500億円と同社では推計しており、当面の売上目標としてシェア10%(約150億円)を目指す。売上高は新工場稼働によって、2021年12月期の30億円台から2022年12月期は40億円台に伸張したものと思われる。営業利益率は仕入コスト増の影響等もあって1ケタ台前半の水準にとどまっているが、新工場稼働による量産効果並びに神栖工場の生産性改善に取り組むことで、将来的にはウェーハ再生事業と同水準となる30%台まで引き上げることを目標にしている。

競合は国内、台湾、韓国、米国などに複数社あるが、品質や技術力では同社が同等以上の水準にあると見られる。多品種少量生産となるため、従来は生産効率の低い点が課題であったが、自動化設備の導入や人員配置の最適化、生産管理の強化等によって生産性向上を図ると同時に、材料となるシリコンをグループ会社のGRITEKやそのほか販売ネットワークを通じて安く調達することでコスト低減を図る。また、営業面ではウェーハ再生事業の顧客に対してクロスセルを実施していくと同時に、大手ドライエッチング装置メーカーの純正品としての認定取得を目指すことで販売シェアを拡大する戦略だ。大手ドライエッチング装置メーカーからは納期・品質に加えて安定した供給体制の構築が求められており、同社では2023年内か遅くとも2024年までにはこうした課題をクリアして認定取得を目指す計画となっている。長期的な目標としては世界シェアで約3割、売上高450億円を目指している。石英ガラスの競合であるテクノクオーツ<5217>の事業規模は、2022年3月期の売上高で158億円、営業利益率で20%の水準となっており、DG Technologiesも売上規模が拡大すれば営業利益率で20%前後の水準まで引き上げることは可能と弊社では見ている。

(4) 長期的な成長戦略
長期的な成長戦略としては、既存事業における販売地域拡大と事業領域の拡大を進めることで、半導体業界全体を上回る成長を目指す。販売地域の拡大については、中国で生産している8インチプライムウェーハの中国以外の地域への販売が挙げられる。GRITEKの株式上場で調達した資金を使って生産能力を拡大し、中国以外の市場開拓を進めていく考えだ。また、SGRSによる12インチプライムウェーハ及び再生ウェーハ事業についても順調に進めば、2030年前後には連結対象子会社に組み込まれ、事業規模の一段の拡大に貢献するものと予想される。そのほか、商社機能として日本、アジア、中国で販売している半導体・電子部品、消耗材についても欧米向けに販売する予定だ。一方、事業領域の拡大についてはM&Aを活用していくことになる。対象としては半導体ウェーハ周辺領域で既存事業とのシナジーが見込める企業となり半導体事業も対象となる。手順としては社長が保有する投資会社にて出資を行い、改善を進めながら収益化の道筋が見えてきた段階で同社がM&Aを行うケースが想定される。

同社は12インチ再生ウェーハで世界シェア約33%(同社推計)とトップの地位を確立し、世界の大手半導体メーカーを顧客として既に持っていることから、クロスセルによるシナジーを創出しやすい立ち位置にある。また、半導体産業は好不況の波が大きいものの、同社の基盤事業となるウェーハ再生事業は不況抵抗力が強いため比較的安定した業績推移が見込まれる。高シェアを持つウェーハ再生事業を安定収益基盤とし、プライムウェーハ事業の規模拡大や半導体製造装置用消耗部材を育成することで、半導体業界全体を上回る成長スピードで収益が拡大する可能性は十分あると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ

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