＜動意株・９日＞（大引け）＝ＪＲ西日本、日本ラッド、ネクストなど

　ＪＲ西日本＜9021.T＞＝３日続伸。来年に日本で行われる主要国首脳会議（サミット）の開催地が、三重県の伊勢志摩に決定したことで、前日は地理的に恩恵を受ける銘柄を中心に物色人気が波及した。きょうはその反動で値を下げる銘柄が出ている一方、前日の余韻を引き継いで上値指向を続けている銘柄も少なくない。同社株は西日本を地盤に２府１６県を営業エリアとしており、関連株の最右翼に位置しながらも前日にそれほど大きな反応をみせなかったこともあって、改めて買いを呼び込んでいる。

　日本ラッド＜4736.T＞＝ストップ高。同社はきょう、情報通信研究機構（ＮＩＣＴ）からネットワーク可視化ソフトウエア「ＮＩＲＶＡＮＡ」のソースコードの利用・改変権を取得し、カスタマイズしたソリューションとして顧客提供を開始すると発表。日本年金機構の個人情報流出問題でセキュリティー関連株への注目度が高まるなか、新たな手掛かり材料となっているようだ。同社は、「ＮＩＲＶＡＮＡ」を国内はもとよりグローバルでのカスタマイズ展開を開始し、特にアジア圏のネットワークキャリアを中心に積極展開を行うとしている。

　ネクスト＜2120.T＞＝大幅高。不動産情報サイトを運営し、首都圏を中心とする不動産市況改善を追い風に収益環境は良好。加盟店から受け取る課金収入の増加が業績を押し上げているほか、買収した子会社の利益寄与も順調だ。好業績期待に加えて、前週に第２位株主の楽天＜4755.T＞を対象とする第三者割当増資の実施を発表、これにより楽天の同社持ち株比率は現在の１５．９３％から２０．０３％に高まる見通しで、「この資本の連携強化は同社にとって株高材料」（市場関係者）とみなされている。

　モブキャスト＜3664.T＞＝大幅高で３日続伸。きょう、スマートフォン向けアプリ「爆走！モンスターダッシュ」の事前登録者数が登録開始から３日間で１０万人を突破し、きょう午前９時時点で１２万人を突破したと発表。期待感が一段と高まるかたちとなっているようだ。このゲームは、５日から事前登録を開始しており、配信開始は６月末から７月上旬を予定している。

　セーレン＜3569.T＞＝大幅高。自動車用シート材や衣料のＯＥＭなど総合繊維事業を展開し、自動車販売好調な北米と中国でシート材の需要が高水準で収益に貢献、前期の１２．３％営業増益に続き１６年３月期も営業２０％増益の７９億円を計画しており、市場でも好業績を評価する動きが強まっている。そうしたなか、東海東京調査センターが８日付で同社のレーティングを「アウトパフォーム」継続とし、目標株価を１５００円に設定、これが物色人気を増幅させている。

　ディー・エル・イー＜3686.T＞＝ストップ高。８日の取引終了後、「東京ガールズコレクション（ＴＧＣ）」の商標権を取得したと発表したことが好感されている。ＴＧＣは年２回の大規模なイベントを中心にファッション・ビューティーに関する情報発信源として広く認知され、若い女性の認知率は高い。ＤＬＥは、ＴＧＣの商標権を取得することで、アニメ・キャラクターに加えファッション・ビューティーなど日本が誇るエンタメコンテンツを包括的に活用し、事業領域を拡大させる。同時に子会社「ＴＯＫＹＯ　ＧＩＲＬＳ　ＣＯＬＬＥＣＴＩＯＮ」を設立することを明らかにしている。

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出所：株経通信（株式会社みんかぶ）