1. 会社概要
Aiロボティクス<247A>は、AIとマーケティングを融合し、美容領域に革新をもたらしているD2Cブランド運営企業である。自社開発AIシステム「SELL」を核としたデータドリブン経営と業務自動化により、高い収益性と成長性を実現している。上場時に掲げた目標である「2029年3月期に時価総額1兆円」の実現性を高めるため、スキンケア・ヘアケア商品などを全国の代理店やサロンに卸販売するBJCを2026年4月に子会社化した。BJC及びその子会社を含む連結グループ体制へ移行し、従来のEC主導モデルから店頭卸モデルを主軸とする事業構造への転換を進めている。
同社は「『自由』=『選択肢』であり、選択肢が多いことは幸せに繋がる」という考えの下、「新しい自由を創造する会社」をミッションに掲げている。より良い未来の実現に向けて、AIによる生産性の向上とともに、D2Cブランド事業において、これまでにない商品やサービスの提供を目指している。
経営体制は、創業者で代表取締役社長の龍川誠(たつかわまこと)氏を中心に構成しており、監査等委員会設置会社として強固なガバナンス体制を敷いている。2026年3月期末の連結従業員数は36名である。
2. 沿革
龍川社長は、学生時代からウェブサイト制作や化粧品のECサイト運営など様々なビジネスを手掛けてきたシリアルアントレプレナー(連続起業家)である。2013年に設立した女性向けキュレーションメディア「4meee!(フォーミー!)」などを運営するロケットベンチャー(株)(現 4MEEE(株))を、サービス開始から8ヶ月でエニグモ<3665>に約600百万円で売却した。こうした経験を通じて、龍川氏はECや女性メディアに関する知見やノウハウを蓄積した。
2016年4月、龍川氏はさらなる事業規模の拡大を目指し、同社の前身であるメディア運営会社HowTwo(株)を設立した。当初は動画メディア事業を展開していたが、2018年10月には広告配信事業の収益性向上や広告主のニーズに対応するため、成果報酬型「AIマーケティング事業」へ転換すると同時に、広告運用を自動化する自社開発のAIシステム「SELL(セル)」の開発をスタートした。「SELL」は、ポーラ・オルビスホールディングス<4927>グループや(株)ファンケルなどの大手化粧品クライアントから評価され、同社の成長を支える基盤となった。
2020年7月には、AIによる広告最適化にとどまらず、企業のDX支援や自社D2Cプラットフォームの構築を目指し、社名を「Aiロボティクス株式会社」へ変更した。社名の「AI」と「ロボティクス」は、AIを搭載したRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を意味し、中核となるAIシステム「SELL」が自動化と効率化を担う事業モデルに由来する。
2021年2月には、スキンケアブランドを展開するYunth(株)への出資(2022年1月完全子会社化、同年11月に吸収合併)を経て、2022年2月にD2Cブランド事業を本格的に開始した。2023年5月に経営資源の選択と集中を進め、AIマーケティング事業のリソースをD2Cブランド事業にシフトした。以降は、美容家電ブランド「Brighte」(2024年2月)、ヘアケアブランド「Straine」(2025年6月)を投入し、ブランドポートフォリオを拡充した。
2024年9月に、社会的信用度・知名度の向上を目的に、東京証券取引所グロース市場へ株式を上場した。さらに2026年4月には、EC中心の事業モデルから店頭卸を含むマルチチャネル型への転換を加速させるため、BJCを子会社化した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)
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