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※2018年12月1日18時に執筆
国内の上場企業の多くは年に数回、アナリストや機関投資家向けに決算説明会を開催しています。
実はテンバガー(10倍株)など長期上昇株のトレジャーハンティングには、経営者の生の声を聞ける決算説明会は非常に有効なツールとなります。将来大きく成長する会社を探すには、経営者の人物像や、長期的なビジョンに沿った具体的な経営戦略などが重要となるからです。
決算短信等の財務諸表の分析もいいですが、どうしても近視眼的になってしまいがちです。そこで、1回1~2時間程度の決算説明会の内容を、アナリストの視点からポイントを絞り込んで紹介していきます。
■SRGタカミヤ<2445>
同社は工事現場などでよく見る建設用の足場など仮設機材の販売とレンタルを行っています。建設現場では、従来の枠組足場から次世代足場への切り替えが進みつつあるようです。こうした中、同社が注力する次世代足場「Iqシステム」が販売・レンタルともに大きく伸びています。
19年3月期2Q累計(4-9月期)の営業利益は前年同期比+35.1%の10.87億円と期初予想の9億円を上回るなど好調に推移したものの、通期の業績予想は前期比+47.8%の25億円と従来予想を据え置いています。
今後、販売では次世代足場の需要拡大を取り込むほか、アグリ事業や構造機材事業の確立に注力する方針です。レンタルではAI・ITを活用し、運用効率や精度を向上させるほか、海外での機材センターの開設により販路を拡大するとしています。これらにより、21年3月期を最終年度とする中期経営計画では、売上高500億円、営業利益40億円を目指すようです。
株価は7月に777円を付けた後に調整基調にありましたが、600円処では押し目買いが入り、足元では短期的なリバウンドを見せています。
それでは決算説明会の内容を見ていきましょう。
2018年11月21日「2019年3月期第2四半期決算説明会」
■注目度
★★★☆☆
■トピックス
・会社概要
・商号変更
・沿革
・事業系統図
・1.連結業績(累計)
・2.対前年同期比較
・3.販売関連事業
・4.レンタル関連事業
・5.海外関連事業
・6.連結貸借対照表
・7.キャッシュフロー計算書
・8.3カ年業績
・9.2019年3月期 業績予想
・10.株主還元の状況
・今後の見通しと戦略
・1.中期経営計画
・2.今後の見通し
・3.経営戦略イメージ
・4.今後の見通しと方針
・参考資料
■ポイント
・通期計画を据え置いているが、現状は計画通り推移している。高水準の稼働率を考慮すれば、下ブレは考えにくい。
・販売関連事業では、アグリ事業の見通しが明るくなってきた。パイプハウスの建て替えの引き合いが急増している。新商品のオクトブレースは大型ビルに使用されている。来期から売上に大きく寄与。
・レンタル関連事業では、機材の平均稼働率は52.7%と前年の44.3%を大きく上回った。北陸新幹線絡みの工事の本格化で土木が好調であり、これから本稼働していく。今後3年は続く見通し。AI、ITによる効率化もあり、稼働率は好調に推移するだろう。次世代足場「Iqシステム」の稼働率も70.5%と前年の59.0%を大きく上回って推移している。
・次世代足場の普及は1600万平米であり、うち「Iqシステム」は476万平米と30%程度を占めている。21年3月には3000万平米に拡大すると試算し、増加分の+1400万平米のうち、「Iqシステム」は20%に相当する280万平米分の獲得を目指す。
・2019年9月に民間も先行手すりの使用を義務づけるよう安全衛生規則が改正されることがほぼ決定している。消費税増税も相まって、従来の足場なのか、次世代足場になるのか、業界の方針が固まっていくだろう。
・今後の見通しについて、枠組足場から次世代足場への入れ替え需要を取り込み、販売は今後3年間で約110億円を目標とする。そのほか、アグリ事業やオクトブレースなどの構造機材事業の確立に注力する。レンタルはAI・ITを活用し、運用効率や精度を向上。21年3月期の機材の稼働率55.7%を目指す。海外では機材センターの開設により販路を拡大。レンタルで一旦使用してもらい販売に繋げる。国内と同様に次世代足場を普及させる。
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執筆者名:大野芳政
ブログ名:証券アナリストが考えたスマホでできるお手軽株式投資「トランプ式投資術」
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