シミック株式会社は、第一三共プロファーマ株式会社静岡工場の土地・建物・設備などの資産を譲り受け、同工場における現有製造品目の生産を受託することについて基本合意

【取得に至った理由（シミック）】
（前提）
●CMO事業では日本、韓国、米国の３か国で工場を有し、高い品質と柔軟かつ安定した生産供給で多くの信頼と実績を築きながら、受託剤形の拡大、なかでも固形製剤と注射剤の国内生産を目的とした工場取得の必要性の検討を進めていた。
（効果）
●今回の譲受で、拡大傾向にある医薬品製造受託市場の中で、当社グループはほぼ全ての剤形が受託可能な国内最大級のCMOになる。
●医薬品製造のファブレス化やアウトソーシング化を進めるクライアントに対し、これまで以上に多種多様なニーズに柔軟かつ迅速に応えられるようになる。
（今後）
●CMO事業では、グループの強みを最大限に活かしながら、既存クライアントからの受注増や新規顧客の開拓に積極的に取り組んでいく。
●当社グループは今後も企業価値の向上に結びつく時代に即した施策を、スピード感を持って進めていく。

【譲受けに至った理由（第一三共）】
●生産から物流に至るサプライチェーンで、ビジョンに合致した最適なグローバル供給体制を構築中であり、その一環として、国内工場の再編の検討をしてきた。
●現在、第一三共グループは国内に製剤工場を4工場保有しているが、既に2011年3月の大阪工場閉鎖を決定している。
●さらに将来的に必要とされる生産能力などを総合的に検証した結果、平塚と高槻の2工場に集約するとの結論に至った。

【第一三共プロファーマ株式会社 静岡工場の概要】
所在地　静岡県島田市金谷東1丁目588番地
面 積　210,000㎡
操業開始　1965年
従業員数（2009年7月）　387名
生産能力　錠剤 15億錠／年、カプセル剤 5億カプセル／年、散・細粒剤 200トン／年、注射剤 300万本／年、
主な生産品目　医療用医薬品（クラビット錠、トランサミンカプセル、パントシン散、オムニパークシリンジなど）

【譲受けの方法】
●第一三共が完全子会社として設立する株式会社静岡新会社（仮）に対象事業の資産を吸収分割の方法で承継。
●シミック株式会社が静岡新会社（仮）の全株式を第一三共から譲り受ける予定。
●株式譲受後、一部の品目は第一三共プロファーマ株式会社の他工場に製造移管。それ以外は静岡新会社（仮）が製造を受託する予定。

【スケジュール】
2009年 10月 静岡新会社設立（予定）
2009年 11月 最終契約書締結（予定）
2010年 4月 株式譲受、営業開始（予定）

CMO事業の過去をさかのぼると
期間 売上高 営業利益 営業利益率 営業利益率（全事業）
平成18年度 456,016千円 43,485千円 9.5% 8.8%
平成19年度 2,409,565千円 126,965千円 5.2% 9.9%
平成20年度 2,454,181千円 △62,307千円 △2.5% 8.8%
平成21年度2 1,297,969千円 8,734千円 0.6% 9.4%
となっている。
平成19年度以降、全事業の営業利益率を下回る成績だったので、今回の譲受けが寄与するか楽しみだ。
ただ、直近の貸借対照表で有利子負債の割合が増えている状況で、この譲受けに必要な資金がいくらになるかが気になる。
最大の焦点は「のれん」かな。有利な条件で話が進むといいのだが…。