3. 財務状況と経営指標
E・Jホールディングス<2153>の2019年5月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,883百万円増加の26,731百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が895百万円増加したほか、業務量の拡大を背景にたな卸資産が355百万円、売上債権が223百万円それぞれ増加した。固定資産では繰延税金資産が449百万円増加した一方で、関係会社出資金が評価減を実施したことにより165百万円減少した。
負債合計は前期末比513百万円減少の8,582百万円となった。業務未払金が230百万円、未成業務受入金が203百万円増加した一方で、未払金が884百万円、有利子負債が235百万円減少した。また、純資産合計は前期末比2,397百万円増加の18,149百万円となった。配当金の支払い172百万円が減少要因となったが、親会社株主に帰属する当期純利益1,261百万円の計上や自己株式の処分(115万株)を実施したことで、1,526百万円を調達したことが増加要因となった。
経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率は前期末の63.4%から67.9%に上昇し、有利子負債比率は3.0%から2.0%に低下、ネットキャッシュ(現預金‐有利子負債)も前期末比1,130百万円増の10,361百万円となるなど財務基盤の拡充が進んだ。一方、収益性指標を見るとROAが前期比0.2%低下したものの、ROE、売上高営業利益率ともに改善しており、全体で見れば着実に向上している。
なお、同社は2019年7月にアイ・デベロップ・コンサルタンツの全株式を17億円で取得したため、直近では現預金の水準がやや低下していると見られるが、株式取得費用の一部は借入金等で賄い、現預金の水準を維持していく方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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