ハイブリッド車用モーターコア好調。ホンダ燃料電池車の受注期待も?
■今回の注目銘柄■
・黒田精工(7726)
ボールネジ・ツーリング・金型・空気圧機器などの精密機器を主とする同社に黒田精工(7726)に注目したい。
ホンダの新型ハイブリッド乗用車「グレイス」にも採用されているモーターコアやスマートフォン着信時のバイブ用振動モーターコアなど主力の駆動システム、金型システムが非常に好調。
連結売上高は13年3月期の105億円をボトムに、14年3月期121億円、15年3月期139億円(会社側推定)、更には『16年3月期1155億円(四季報予想)』と正に業績は「うなぎのぼり」にあるといえる。にもかかわらず、株価が5年以上も200円どころのもみ合いから抜け出せずにいるのは、利益率が一向に上がってこない事を嫌気されているのが要因だろう。
しかし、利益率低迷は前15年3月期で「決別」の時を迎えようとしている。
合弁会社設立などによる海外での生産・販売網強化、モーターコアの生産工場増強、また、今後量産が期待される次世代大口径450mmシリコンウエハー用超精密表面形状測定装置「ナノメトロ」開発。そして新基幹情報システムの導入と、人事も含め同社にして大構造改革を決行してきたが、其れゆえの「産みの苦しみ」をいよいよ脱し、今年度から大きく貢献する可能性が出てきたとみる。
その理由として、後押しするかのように3月30日付で「株主構成で下記の通り大きな変化があった事実」には注目せざるを得ない。
それまでの株主構成は
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1位 PHM社 940万株(33.5%)
2位 みずほ銀行 138万株(4.9%)
3位 黒田浩史 117万株(4.2%)
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だったが
現時点での株主構成(※推定)
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1位 PHM社 557万株(19.8%)
2位 みずほ銀行 138万株(4.9%)
3位 黒田浩史 117万株(4.2%)
4位 ファナック 98.4万株(3.5%)
5位 伊藤忠丸紅鉄鋼 98.3万株(3.5%)
6位 ミツバ 56.2万株(2.0%)
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となっており、筆頭株主のグループとの関係を維持しつつ、新たにファナック(6954)など名立たる企業が大株主として登場し、こうした「変革」を市場も評価していく事になるだろう。
更に、ホンダはトヨタに次いで来年の3月にも水素で走る燃料電池車の発売と伝えられており、そうなれば当然『同社のモーターコアが使われる可能性』がある事を念頭に入れたうえで、今度の動向を追っていきたい。
本村