【今週の注目材料】米CPI&小売売上高 上振れに注意
【今週の注目材料】米CPI&小売売上高 上振れに注意
トランプ大統領の動向に振り回される展開が続いていますが、今週は二つの注目指標が発表されます。
まず一つ目、明日12日水曜日に1月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。
前回12月の米CPIは前年比+2.9%と11月の+2.7%から伸びが加速。一方、変動の激しい食品とエネルギ-を除いたコア指数は+3.2%と11月の+3.3%から伸びが鈍化しました。コア指数の伸び鈍化は5カ月ぶりとなりました。前回の内訳をみると、エネルギ-は10カ月連続での前月比マイナス圏となりましたが、下落率が11月の-5.4%から-2.0%に縮小しました。ガソリン価格が11月の前年比-8.9%から-1.9%まで減少幅が縮まったことが背景にあります。食品は+2.5%と11月の+2.4%からわずかに伸びが加速。2カ月連続で伸びています。
コア指数は財部門が-0.5%と11月の-0.6%から小幅ながらマイナス幅鈍化となりました。ただ、財部門は12カ月連続での前年比マイナスで2024年は一度もプラス圏となりませんでした。衣料部門が+1.2%と11月の+1.1%から少し伸び、自動車価格が新車が-0.4%、中古車が-3.3%とマイナス圏ながらともに11月からマイナス幅縮小となったことで、財部門全体もマイナス幅が縮小しています。ただ、新車販売は10カ月連続、中古車に至っては2022年10月から26カ月連続でのマイナス圏です。
サ-ビス部門は+4.4%と2カ月連続での伸び縮小となりました。消費者物価指数全体の36.2%、コア指数の45.3%、コアサ-ビスの59.3%を占める大きな項目である住居費が11月の4.7%から4.6%に鈍化。医療サ-ビスが3.7%から3.4%に鈍化。2022年9月から28カ月連続で前年比二桁の伸びが続く自動車保険は+11.3%と依然高い水準ながら11月の+12.7%から伸びが縮まり、サ-ビス全体の伸び鈍化につながっています。
こうした状況を踏まえて、今回の予想ですが前年比+2.9%と12月と同水準の伸びが見込まれています。コア指数は+3.2%とこちらも12月と同水準見込みです。なお、前月比は総合、コア共に+0.3%の予想。総合は+0.4%から伸びが鈍化。コアは+0.2%から伸びが強まる見込みです。
1月の米ガソリン価格は全米全種平均で1ガロン当たり3.196ドルと12月の3.139ドルから1.8%ほど高くなっています。また、2023年12月から2024年12月にかけては1.8%ほど安くなっているため、前年比での価格差がより大きく、EIA小売価格ベ-スでは12月の-3.6%に対して1月は前年比変わらずまで上昇する見込みです。この上昇自体は予想値に含まれていますが、物流コスト上昇の影響などが予想以上に強まっているようだと、予想よりも高めの伸びにつながる可能性があります。
米FOMCの見通しは3月が据え置き、5月まででも58%が据え置き、6月までになると81%が利下げを見込むいう状況。先月末時点では5月は据え置きと利下げ期待が拮抗、6月までに95%が利下げを見込むという状況でしたから、徐-に利下げ先送り期待が広がっている状況です。CPIが予想以上に伸びた場合、先送り期待がもう一段強まり、ドル高になる可能性があります。
もう一つの注目が14日発表の1月米小売売上高です。前回12月は前月比+0.4%、自動車を除くコアも+0.4%としっかりした伸びを見せました。もっとも強かったのが自動車で、トランプ大統領がEV税額控除などを行う前の駆け込み需要などが見られました。その他ガソリンスタンド売り上げなどが好調となっています。弱かった部門で気になったのが、小売売上高で唯一のサ-ビス支出であるフ-ドサ-ビスの-0.3%です。この部門の弱さについて市場では年末商戦での消費のため、外食など裁量支出を抑えた可能性があることが指摘されています。
今回の予想は総合が前月比変わらず、自動車を除いたコアが+0.3%となっています。1月は寒さもあって自動車販売が落ち込みやすい時期ですが、今年に関しては米調査会社が推計値で前年比+3.7%を示すなど好調を維持しています。ただ12月がそれ以上に強かったため、反動もあって前月比ではやや落ち込むとみられます。
その他項目はガソリン価格の上昇などもあって、全体にしっかりした数字を維持するとみられます。CPIが強く出た場合、小売売上高の好調さが後押しするとドル高の加速もありえそうです。
MINKABUPRESS 山岡
トランプ大統領の動向に振り回される展開が続いていますが、今週は二つの注目指標が発表されます。
まず一つ目、明日12日水曜日に1月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。
前回12月の米CPIは前年比+2.9%と11月の+2.7%から伸びが加速。一方、変動の激しい食品とエネルギ-を除いたコア指数は+3.2%と11月の+3.3%から伸びが鈍化しました。コア指数の伸び鈍化は5カ月ぶりとなりました。前回の内訳をみると、エネルギ-は10カ月連続での前月比マイナス圏となりましたが、下落率が11月の-5.4%から-2.0%に縮小しました。ガソリン価格が11月の前年比-8.9%から-1.9%まで減少幅が縮まったことが背景にあります。食品は+2.5%と11月の+2.4%からわずかに伸びが加速。2カ月連続で伸びています。
コア指数は財部門が-0.5%と11月の-0.6%から小幅ながらマイナス幅鈍化となりました。ただ、財部門は12カ月連続での前年比マイナスで2024年は一度もプラス圏となりませんでした。衣料部門が+1.2%と11月の+1.1%から少し伸び、自動車価格が新車が-0.4%、中古車が-3.3%とマイナス圏ながらともに11月からマイナス幅縮小となったことで、財部門全体もマイナス幅が縮小しています。ただ、新車販売は10カ月連続、中古車に至っては2022年10月から26カ月連続でのマイナス圏です。
サ-ビス部門は+4.4%と2カ月連続での伸び縮小となりました。消費者物価指数全体の36.2%、コア指数の45.3%、コアサ-ビスの59.3%を占める大きな項目である住居費が11月の4.7%から4.6%に鈍化。医療サ-ビスが3.7%から3.4%に鈍化。2022年9月から28カ月連続で前年比二桁の伸びが続く自動車保険は+11.3%と依然高い水準ながら11月の+12.7%から伸びが縮まり、サ-ビス全体の伸び鈍化につながっています。
こうした状況を踏まえて、今回の予想ですが前年比+2.9%と12月と同水準の伸びが見込まれています。コア指数は+3.2%とこちらも12月と同水準見込みです。なお、前月比は総合、コア共に+0.3%の予想。総合は+0.4%から伸びが鈍化。コアは+0.2%から伸びが強まる見込みです。
1月の米ガソリン価格は全米全種平均で1ガロン当たり3.196ドルと12月の3.139ドルから1.8%ほど高くなっています。また、2023年12月から2024年12月にかけては1.8%ほど安くなっているため、前年比での価格差がより大きく、EIA小売価格ベ-スでは12月の-3.6%に対して1月は前年比変わらずまで上昇する見込みです。この上昇自体は予想値に含まれていますが、物流コスト上昇の影響などが予想以上に強まっているようだと、予想よりも高めの伸びにつながる可能性があります。
米FOMCの見通しは3月が据え置き、5月まででも58%が据え置き、6月までになると81%が利下げを見込むいう状況。先月末時点では5月は据え置きと利下げ期待が拮抗、6月までに95%が利下げを見込むという状況でしたから、徐-に利下げ先送り期待が広がっている状況です。CPIが予想以上に伸びた場合、先送り期待がもう一段強まり、ドル高になる可能性があります。
もう一つの注目が14日発表の1月米小売売上高です。前回12月は前月比+0.4%、自動車を除くコアも+0.4%としっかりした伸びを見せました。もっとも強かったのが自動車で、トランプ大統領がEV税額控除などを行う前の駆け込み需要などが見られました。その他ガソリンスタンド売り上げなどが好調となっています。弱かった部門で気になったのが、小売売上高で唯一のサ-ビス支出であるフ-ドサ-ビスの-0.3%です。この部門の弱さについて市場では年末商戦での消費のため、外食など裁量支出を抑えた可能性があることが指摘されています。
今回の予想は総合が前月比変わらず、自動車を除いたコアが+0.3%となっています。1月は寒さもあって自動車販売が落ち込みやすい時期ですが、今年に関しては米調査会社が推計値で前年比+3.7%を示すなど好調を維持しています。ただ12月がそれ以上に強かったため、反動もあって前月比ではやや落ち込むとみられます。
その他項目はガソリン価格の上昇などもあって、全体にしっかりした数字を維持するとみられます。CPIが強く出た場合、小売売上高の好調さが後押しするとドル高の加速もありえそうです。
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このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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