【QAあり】キャスター、稼働社数を拡大し過去最高の1,244社を達成 CAC(顧客獲得単価)も堅調に推移
セグメント区分変更
中川祥太氏:代表取締役の中川です。2025年8月期第1四半期の株式会社キャスターの決算説明を始めます。よろしくお願いします。
まず、「WaaS事業」と呼んでいたセグメントの名称を「BPaaS事業」に変更することをご案内します。第1四半期より開示区分が変更となります。
セグメント区分変更
セグメントの内訳としてはスライドに記載のものが含まれると考えていただければと思います。
名前の変更だけですので大きな変更はないのですが、昨今は投資家のみなさまの間で「BPaaS」という名称のほうが強く使われるような流れになっているため、名称はそちらに合わせ、我々としては事業は変わらず今後も進捗できればと思っています。
業績ハイライト
業績のハイライトです。
端的にトピックスだけを取り出しました。1点目は、稼働社数の拡大です。我々は、今期は稼働社数が非常に重要な指標だと考えています。2024年8月期に1,192社というところからスタートし、2025年8月期は1,413社を目指しています。
現在、第1四半期の段階で1,244社と順調に成長しており、このペースのまま1,413社をしっかりと達成しながら、さらに上に伸ばせるように動ければと思っています。
2点目が営業黒字化に関してです。2025年8月期業績予想としては、およそ1,000万円の営業利益を予定しています。すでにほぼトントンという計算式になっていますが、第1四半期において現在は営業赤字となっているものを第3四半期から黒字転換し、最終的にこちらの数字に持っていく計画となっています。
上場した第9期も同じような動き方をしており、我々としてはその期と同じような着地ができればというところで、現在鋭意調整しています。
業績ハイライト
各種詳細な数字をご説明します。売上高は11億6,400万円、営業利益はマイナス1億4,300万円で着地しています。稼働社数は1,244社、ARPUは29万6,000円で推移しています。
売上高が拡大している要因としては、稼働社数の増加に加え、今期から子会社として買収したグラムス社のPL連結が始まり、増収を後押ししている状況です。
また、利益に関しては、専門領域サービス向け人材獲得や管理体制の強化等、どうしてもかかってくる費用は第1四半期でしっかりと使ったというところです。今後CACの大幅効率化なども含めて利益を出していけるような体制を目指していければという想定を持っています。
四半期業績推移(売上高)
売上高を示したグラフです。ご確認いただければと思います。
稼働社数の四半期推移
稼働社数を示したグラフです。稼働社数は1,244社、前期末比52社の増加と、ペースがさらに上がっている状況です。我々としてはもっと社数を伸ばしていける状況を作っていければと思っています。
四半期業績推移(営業利益)
営業利益です。先ほどからお伝えしているとおり、事業関連の人材獲得等に投資等を行っており、マイナスの計上が起きていますが、ここから第3四半期に向け黒字化していくように調整していますので、通期での黒字は変わらず進められればと思っています。
営業利益増減要因
営業利益の内訳です。ご確認いただければと思います。
四半期業績概要(セグメント別 売上高)
四半期業績概要、セグメント別の売上高です。まずBPaaS事業は記載のとおり、大幅に稼働社数を拡大している状況です。また、その他の事業では子会社グラムス社のPL連結開始が、全社の増収を後押ししている状況です。
セグメント別業績概要(BPaaS事業)
セグメント別業績概要、BPaaS事業の詳細です。サービスとしては低ロットサービスを開始しました。後ほどトピックスで軽く触れますが、こちらのサービスが大変好調です。ARPUはロットが小さいため少し低下していますが、稼働社数は継続して堅調に推移しています。
セグメント別業績概要(その他事業)
その他事業の詳細です。新規事業の「CASTER EC-Consulting」が順調な立ち上がりを見せています。また、子会社であるグラムス社とのPL連結開始が増収を後押ししています。
気になっている方がいらっしゃるかもしれませんが、セグメント利益について、海外のベルリン支店閉鎖が完全に完了し、コスト削減に寄与しています。今後こちらで何か大きな損失が出ることは想定されないため、ご安心いただければと思います。
KPIの状況
KPIの状況です。低ロットサービスが非常に好調なこともあり、稼働社数は拡大傾向にあります。我々のサービスの利用率もとても高くなっており、解約率も併せて低下しています。
ARPUに関しては低ロットサービスゆえにどうしても低下してはいるのですが、LTV(ライフタイムバリュー)に関しては同じく安定して推移しており、MRRに関しては順次回復していくような想定を持っています。
KPIの状況
先ほどの内容の繰り返しになりますが、LTVは引き続き順調に推移しています。
また、CACは従来の水準より堅調に推移できており、ユニットエコノミクスの目標水準を、以前は300パーセントから500パーセントとして運用していましたが、今期から500パーセントから700パーセントに再設定し、営業黒字化を優先するような推移を目指して運用していく方向性となっています。
貸借対照表
貸借対照表です。現預金/総資産比率は63.4パーセント、自己資本比率は42.3パーセントで、問題ない自己資本水準を持っていると考えています。
2025年8月期 通期業績予想
2025年8月期の通期業績予想です。第1四半期の売上高進捗率は23.1パーセントと計画どおりの進捗です。全体の連結の予測としては何も変えずに着手できればと考えています。
トピックス① (低ロットサービスの拡充)
2025年8月期のトピックスです。トピックスの1つ目として、従来も小口のロットでサービス提供していたのですが、さらに小規模企業や小口で柔軟に利用が可能な、低ロットサービスを拡充しました。
こちらにより、非常にありがたいことにお客さまからの引き合いが強くなっています。初めて使うお客さまも多い領域のため、こちらのサービスを皮切りに、リモートアシスタントと呼ばれるものが「こんなに使えるんだ」ということをしっかりと伝えながら、サービスを拡大できればと思っています。
トピックス② (業務提携の進捗)
トピックスの2つ目です。SaaS事業者・プラットフォーマーとの連携を広く行っており、この連携によりBPaaS事業の取り組みを拡大できればと思っています。
ありがたいことに、それぞれの企業とさまざまに連携していますが、トピックスとしてはスライド下段にあるとおり、マネーフォワード社の君島氏が社外取締役として就任しました。
事業を推進していく上で監督、助言など今後もお願いできればと思っており、我々としてはこのようなところでの連携をより強化できればと思っています。第2四半期以降も、両社の顧客向けにクロスセルでの提案ができる体制を整備していきます。
トピックス③ (LUVO×KPMGジャパン 協業)
トピックスの3つ目です。AIの企業として設立した子会社のLUVO社で、KPMGジャパンとAIエージェントの開発・活用で協業を開始しています。内容はスライド右側にあるとおりですが、業務としては、AIエージェントと呼ばれる、ワークフローをAIで自動化するものの開発受託を基本的に行っています。
したがって、日本国内でも非常に前例のない領域になっており、ここに関して早い段階で知見をため、当社でもしっかりと活用できるような体制を作っていこうと鋭意動いている状況です。
トピックス④ (AIエージェント制作代行サービスの提供を開始)
トピックスの4つ目です。AIエージェント制作代行サービスというものを当社でも提供しています。実際に社内で使っている「Dify」というAIエージェント作成ツールを使い、基本的にはノーコードで、コーディングが必要なところもありますのでそういったものを組み合わせながら、ワークフローに合わせて自律的に実行できるAIエージェントの制作代行を事業として展開できればと思っています。
ここも社内での教育などをすでに開始している状況で、お客さまからの引き合いもすでにいただいているため、今後はAIエージェントのニーズの拡大に合わせてサービスを拡大できればと思っています。
トピックス⑤ (海外子会社の設立)
トピックスの5つ目です。システム開発拠点としてベトナムに子会社を設立することとしました。
日本国内では開発人員の獲得が非常に難しい状況になっています。我々の会社はリモートワークを行っていますが、この領域はそれでも厳しいほどです。
それゆえ、なるべく今後エンジニアのリソースを潤沢に活用するためには、海外はどうしても避けて通れないところがあり、すでに子会社のグラムス社がベトナムでのオフショア開発のノウハウも持っていたため、そちらを活用して我々のほうでも拡大することを決定しました。
トピックス⑥ (オンラインキャリアスクール)
トピックスの6つ目です。「Remotte」というオンラインキャリアスクールを開始しました。経理の領域に関してリモートでキャリアスクールを開校しています。
これはマネーフォワード社のフィールドである、経理領域です。ここに関しては人手が非常に足りなくなっていくと予想されています。したがって、そこに対して他の領域からしっかりとリスキリングを行い、経理領域で不足していく人員に対し、我々が供給を強めていける状態を作っていければと思っています。
注力領域について
数字の予想を示した資料です。ご確認いただければと思います。
注力領域について
注力領域です。先ほどもお伝えしましたが、現在、AIと経理の2つの領域に非常に注力しています。それぞれの領域でどのようなプレイヤーと協力して行っていくかということも、すでに絵姿が見える状況になっており、我々としてはここの動きがあればIRなどで逐次お知らせし、しっかりと前に進めていければと考えています。
ただし、我々の中ではまったく予想していませんでしたが、AIの領域の中でもKPMGジャパンの力を貸していただけることになったため、経理領域ということになっています。したがってこの領域に関しては今、非常に多くの知見が集まりつつある状況かと考えています。
注力領域について
こちらも繰り返しになりますが、このような領域の人材不足に対して採用・教育を強化しながらAIの活用を促進していき、世界最高レベルの生産性が必要になるため、このような人材と事業を提供していくことを目指したいと思っています。
質疑応答:マネーフォワード社との業務提携について
「マネーフォワード社との業務提携の進捗はいかがでしょうか? 辻社長とは前からのお付き合いだったのでしょうか?」というご質問です。
マネーフォワード社との業務提携の進捗は、今のところは順調に進んでいます。マネーフォワード社は、小規模なお客さまから大規模な顧客まで、多くのバリエーションのお客さまと取引されています。
そのような企業それぞれに対して、我々の経理業務をどのように提供するかについての座組みが固まってきたため、しっかりとそこの連携をしながら、サービス提供を実際に進めていく段階に入っていると考えています。
辻社長とは、今回の業務提携のタイミングで初めてしっかりとお話ししました。前からお付き合いがあるというわけではありません。
とはいえ、当然ながら私も以前からご活躍などを拝見しており、ありがたいことに我々のことも一定は先方に認知していただいていた状況でしたので、話を深いところまでせずとも理解がある状態でスタートできたかと考えています。
質疑応答:従業員数の推移について
「従業員は2020年から2022年にかけて大幅に増えているものの、直近ではほぼ横ばいです。人材の獲得から利益の獲得のフェーズへ移ったと考えてよいでしょうか?」というご質問です。
ここはポジティブな面が大きいかと思っています。業務領域やシステム開発の進捗などによって、従業員1人当たりの生産性は大幅に引き上がっています。したがって、2022年から24年にかけては従業員を増やさずとも案件を獲得できる状況がかなり強まっていたとご理解いただければと思います。
2025年は取引先を拡大していくフェーズに入っているため、どのように従業員を増やしていくかについては、また違う姿が出てくるのではないかと考えています。
質疑応答:ベトナムの開発拠点の立ち上がりの状況について
「ベトナムの開発拠点の立ち上がりの状況を教えてください」というご質問です。
正確には準備している段階であり、まだ立ち上がってはいない状況です。すでにグラムス社自体はベトナムにエンジニアを抱えて開発していますので、そこに対して適切に採用を拡大して人員を揃えた後、開発拠点として設定するという流れになります。したがって、現在の延長線上で十分進められる状況にあるとご理解いただければと思います。
今のところ、なにかしらのボトルネックや障壁があるというような状況ではありません。なにか大きな動きがあればまたお知らせしたいと思います。
質疑応答:グラムス社とLUVO社の業務内容と強みについて
「グラムス社、LUVO社について、普段あまりお聞きすることがないため、どのような会社なのか、強みなどを教えてください」というご質問です。
まず、グラムス社に関してお話しします。例えば、古着のECなどを取り扱う際に、商品の写真を撮ったり、採寸したり、それに対する文章を作ったりしなければ、商品をECサイトに出せません。「ささげ業務」といわれるそのような業務を、システムを使って効率化しながら、実際のオペレーションを回しているような会社です。
この領域に関して、実際にECの運営に深く入り込むことも非常に多い会社であるため、その分、中でも特定の領域に対するAI技術、エンジニアの確保の仕方、オペレーションの組み方などに強い優位性や特徴、特異性を持って運営している会社だと認識しています。
もともとは開発会社なのですが、お客さまがビジネスを回す際に、「どのようなオペレーション、システムが必要ですか?」「どのようなことをするのが、どこを効率化するのがベストですか?」ということに関して、開発だけではなくビジネスプロセスそのものを受け取って改善する力がありました。
それによって、なかなか効率化されなかった業界の中で特異なオペレーションを構築し、実際にシェアを伸ばしていたという点は非常に魅力的に感じました。
今回も我々がベトナムに進出する際も、彼らからすると「そのようなことはもう慣れたものです」という話でした。そのあたりが強みであると思います。誰も、あるいは多くのプレイヤーがまだ行っていないようなところに対して先行的に手をつけており、すでにノウハウも蓄積しているところが非常に魅力的な会社だと思っています。
そしてLUVO社に関してですが、LUVO社は2024年9月にできたばかりで、まだ会社の特性を作っているような段階です。
しかし、幸いなことに、2024年6月ぐらいからAIに関する技術のかなり大きなターニングポイントがいくつかあり、そのあたりから大きく変わってきています。その段階で会社を設立しており、年末年始にもいろいろなニュースでAIエージェントという名前が出ていましたが、タイミング良くそのトレンドのど真ん中に立てたのは、ある種とても運が良く、良い立ち位置で生まれた会社だと考えています。
したがって、我々としても非常にシンプルに考えており、LUVO社にはAIエージェントに関する制作代行や、それ以外の領域がいろいろありますので、そのあたりでイニシアチブを持てるように、いろいろと支援していくことが十分にできればと思っています。
質疑応答:AIエージェント制作代行について
「1月12日付の『日経ヴェリタス』の記事を見ました。AIエージェント制作代行は拡大していきそうでしょうか?」というご質問です。
結論としてはかなり拡大すると思います。というのも、AIを触られている方であればみなさま同意されると思いますが、人間の能力を超えるタイミングはもう今年中に来ると思います。
それが実際にワークフローに入っているか、いないかだけの話になっています。企業としては、「このようなことをやりたい」という話になった時に、手順さえ守ればもうほとんどができてしまいます。この手順を守ることが「具体的にはなにか?」というと、AIエージェントの制作代行になります。
ほぼすべてのビジネスプロセスがAIエージェント化していく可能性があると捉えた時に、この手順をしっかりと回しながら、業務を拡大していくような領域が伸びないということはあまり考えられないと私は思っています。
したがって、今年、来年そして再来年と非常に力強く伸びていく領域ではないかと捉えています。
質疑応答:地方での採用状況について
「地方での採用状況について教えてください」というご質問です。
開示している情報にもあったかと思いますが、全体の7割程度が首都圏ではなく地方採用です。この状況はなにも変わっていません。そして今後もさらに強くなっていくと思います。我々としては地方を採用領域の中心にしたいと思っています。
質疑応答:中長期の成長戦略について
「中長期の成長戦略について教えてください」というご質問です。
非常に長くなるため、大まかにしかお伝えできませんが、非常にシンプルな話です。我々のアウトソーシングは、BPOと呼ばれるようなセグメントで事業をしていますが、この領域では今後日本の人口がどんどん減っていきます。労働人口が減るのは今年からです。ここからぐんぐんと毎年減っていきます。回復することはありません。
したがって、これからどんどん労働人口が減っていくにもかかわらず、業務量はしばらく変わりません。となると、人手が足りません。この人手が足りない領域に対して我々としてはアウトソーシングを提供しています。この状態で一番重要なのはなにかというと、対応できる領域、そしてその対応できる領域に対して十分なデリバリーができるかということです。
我々はありがたいことに、採用に関して非常に強い状況ですので、対応できる領域を確実に増やし、そしてお客さまに我々のBPOサービスをしっかりと届けていくことができます。
これが2030年あたりまでどれだけトップラインを伸ばしていけるかが重要で、かつ、その間に採算性が悪化しすぎては意味がないため、今期発表しているように、最低限の利益は確保しながら進みたいと思います。これが3年から5年程度の間に我々が絶対的に取り組むべきことだと考えています。
したがって、そのオーガニックな成長の範囲において、なにか特殊なことをする予定は現時点での計画には入っていません。ただし、1つだけ例外があります。それがAIエージェントです。
技術的に非常に新しいものであるため、我々としては、これに関しては他のプレイヤーが出てくるより先にしっかりと取り組みながら、BPOの成長の中のさらに加速できるような要素としていければと考えています。したがって、中長期の成長戦略においては、AIエージェントが非常に重要な、特異点的な要素になるかと思います。
質疑応答:第1四半期の数字について
「第1四半期の数字としては順調でしょうか?」というご質問です。
順調です。これは時折聞かれることで、もちろん順調だという前提でお答えしていますが、「順調です」以外の回答はなかなか出せないと思います。なにかおかしい時にはIRで確実にお伝えします。
質疑応答:社内のAIに詳しい人材について
「AIについて詳しい方は社内にいらっしゃいますか?」というご質問です。
現在、私はLUVO社の取締役をしていますが、まずそこにAI関係で活躍しているエンジニアが何人かいます。私も、コーディング環境などを用意して、AIについて実際に動かしながら業務のプロセスを自動化するようなことを行っています。
したがって、詳しい人がすでにいるというわけではないですが、すでに何人かが詳しい状態になりつつある状況だとご理解いただければと思います。この領域については、まだ誰も知らないため、私がAI関係に関わり始めたのは2024年の中頃からですが、これでも随分先行している状況かと思います。
質疑応答:低ロットサービスの特徴とニーズについて
「低ロットサービスが順調ということですが、従来のサービスとの違いは何でしょうか? また、どのようなニーズにフィットしているのでしょうか?」というご質問です。
低ロットですので、当社のサービスは月額形式で、従来は10万円強の単価だったものを、その3分の1程度の単価帯でスタートできるようにしたところが大きな特徴です。ロット自体も単純に3分の1程度になっているため、スタートしやすいところが、そもそものコンセプトとなっています。
なぜ、従来はこのかたちではなかったかというと、実はロットを小さくしても、1アカウントあたりの管理コストは、システム上、大きいロットを提供した場合とあまり変わりません。これには、そもそもBPOの会社が大ロットのサービスのみを受注しているという、構造の問題があります。
当社では、オペレーションの仕様上、大半の領域をシステム化しています。これにより、低ロットでも固定費はほとんど変わらない状態にすることができました。十分にサービス提供に耐えられるだろうということで、低ロットサービスを開始しました。
これがお客さまのどのようなニーズにフィットするかというと、先ほども軽く触れましたが、あらためてご説明します。リモートアシスタントは当社が作ったビジネスですが、世の中の多くの企業ではまだ使っていただいたことがありません。そのような企業にとっては「なんだそれ」と感じられています。
実際に触れて「これなら、ここでも使えるよね」と拡大していただく流れが、昔から非常に多いパターンとなっています。
そのようなニーズに対し、まずは会話がしっかりとできる、試してもらえることもあり、サービスの提供を開始したという経緯になります。また、実際にお客さまに購入されていると理解しています。
質疑応答:低ロットサービスの利益率と、サービス全体での構成比について
「サービス利用の構成比は、低ロットサービスのほうが大きい状態が理想なのでしょうか? また、低ロットサービスのほうが利益率が高いのでしょうか?」というご質問です。
我々はサービス業のため、利益率をどのように設計するかは、けっこう上下してしまうところがあります。まず、低ロットサービスの割合が大きいほうが理想か、理想でないかでいうと、マーケットのニーズには合致している可能性があります。
当たり前の話ですが、世の中には大きい会社より小さい会社のほうが多く、知名度のない小さい会社のほうが、採用に苦戦します。したがって、そのような企業が必要としているリソースを提供することが、当社にとって、非常に高いニーズを持ちながら社会性も担保することにつながります。
また、みなさまがそれを使って、ビジネスをしっかりと回していただく状態になれば、長期的には必要性がとても高いサービスになり得ると確信しています。
当社としては、お客さまの指示をしっかりと受け取りながら、最終的には大きい会社のお客さまにも「このサービス便利だよね」と感じてもらい、大ロットを購入していただく流れを考えています。それがサービスの構造上、理想のかたちだと思います。
質疑応答:第1四半期の営業赤字の背景と前期末からの成長投資の効果について
「前期末から、今期に向けて成長投資を加速されているというお話がありました。第1四半期に昨年と同程度の営業赤字が計上されていますが、どのような背景があるのでしょうか? 前期末ほど投資の効果が大きくなかったということでしょうか?」というご質問です。
当社では成長投資枠を十分に活用し、昨年より投資を行っています。構造上、当社のビジネスは積み上げ型のため、黒字化のタイミングをある程度コントロールできる特徴があります。
上場期となった第9期では、第1四半期、第2四半期に一定の赤字が続いた後、第3四半期も赤字となりましたが、第4四半期でこれを吸収する構造となっています。当社はこのような収益構造を取りやすい企業のため、前期の第4四半期まで、ある程度踏み込み、積極的な投資を継続しました。
このかたちを第1四半期、第2四半期も継続し、第3四半期、第4四半期で回収していく体制が最適だと判断し、今回の通年計画になっています。したがって、現状をポジティブに伝えると、昨年から足元にかけて投下している投資は、今期末から来期初めにかけて十分に返ってくるよう設計しています。
質疑応答:ベンダーとのアライアンス戦略について
「今後、どのようなベンダーとのアライアンスを組む戦略でしょうか?」というご質問です。
当社の事業領域は「Business Process as a Service(BPaaS)」と言っています。「as a Service」という言葉は、ご存じの方も多いと思います。「Software as a Service(SaaS)」はソフトウェアサービスを提供するプレイヤーのことを指します。SaaS企業は、事業拡大を目指していますが、どのプレイヤーのツールも新しい分、オペレーションをする人材が必要となります。
しかし現在、労働人口の減少により、新しいツールを触ってもらう人たちすらも減っており、ここが課題となっています。そこで、当社は、SaaSのサービスを使えるようリスキリングを行った我々の従業員等を企業に提供するサービスを展開しています。このモデルを展開することを繰り返せば、我々は十分な市場を確保することが可能です。
そのため、当社にとっては、SaaSのプレイヤーの方々が、非常に重要なパートナーとなります。
また、別の切り口でもご説明すると、介護、医療、建築のような産業は、日本という国にとって非常に重要です。しかし、重要であるにもかかわらず人手不足になる領域が必ずあります。このような領域に対して少しでも貢献できるよう、各領域のオペレーションに必要なベンダーとのアライアンスを積極的に実行していきたいと考えています。
質疑応答:海外展開の構想について
「海外展開はいったんストップされるのでしょうか? ベトナムでも欧州と同じように展開する構想はありますか?」というご質問です。
海外展開については、ベトナムですでに取り組みを進めているため、完全にストップすることは想定していません。
ただし、海外での販売については、日本のモデルをそのまま現地に持っていくというパターンは、やはり厳しいのではないかと思っているところです。まったく別のモデルにするわけではありませんが、別のモデルで展開する可能性はあるかと思います。なお、これは現時点で計画があるわけではなく、あくまでも一般的な内容として、将来的にそのようなものを展開できればと思っています。
具体例を挙げると、ドイツでの展開は日本と同じで、「ローカル to ローカル」と呼ばれる方式でした。ドイツはドイツ語圏であり、日本と同じように少し特殊な言語圏です。
よく話題になる状況として、英語でのアウトソーシングサービスの多くはインドの方々によって提供されています。これについて、「カルチャーが違いすぎるため違和感がある」という話がどの国でも聞かれます。
このような背景から、ドイツ語を話せる方によるアウトソーシングサービス提供は、非常に新しい試みとして受け入れられていたと考えています。日本はそれが非常に顕著で、サービスとしては十分に受け入れられています。一方でドイツは、英語も十分に使える国のため、よりグローバルで、日本とは少し毛色が違っていました。
同様のモデルをアジア圏などで試す可能性はありますが、非常にむずかしいため、限定的な領域での展開になります。そのため、「ローカル to ローカル」ではなく、「グローバル to グローバル」方式での展開も、選択肢の1つとしてあるかと思います。
また、「グローバル to グローバル」の例として、アメリカ市場向けには、一般的にインドの方々によるサービス提供が行われていますが、当社の持つサービス提供の仕方などを組み合わせ、新しいアプローチも検討できると考えています。
質疑応答:LUVO社のKPMGジャパンとの協業の進捗について
「LUVO社とKPMGジャパンの協業について、進捗はいかがでしょうか?」というご質問です。
ここでは「順調です」とのみ回答します。大きな動きがあれば発表しますが、ここでは非常に重要なポイントについてお伝えします。
実際のところ、AIエージェントに関して大規模な検証環境で検証を行えているプレイヤーは世界的に見ても多くありません。したがって、KPMGジャパンとの協業機会をいただけたことに、我々は深く感謝しています。
このような大規模な環境の中で、どのようにエージェントを活躍させていくのか、どのようなところに活用可能性があるのかを、共同で実験させてもらっている状況です。さらに、開発を進められる環境を提供していただいていることは、非常に前向きなポイントだと考えています。
おかげさまで、協業のニュースが公表された後に、周辺の方々からいろいろなかたちで声をかけてもらっています。我々としては、業界からの期待に応えられるよう、着実に進めていきたいと思っています。
質疑応答:先行投資を行った領域について
「人材獲得や管理体制の強化等への先行投資は、経理・労務領域へ集中投下されているのでしょうか?」というご質問です。
どこに投資したかというと、まず、経理・労務領域に投下しています。さらに、セールスやマーケティングなどへの投下も行いました。
先ほどもお伝えしたとおり、AI領域と経理領域の2つは、重要なポイントです。それらに対して必要な人的リソースや準備などに投下しているとご理解いただければけっこうです。
質疑応答:AIエージェントの活用について
「本日の決算説明の音声は、AIエージェントですか?」というご質問です。
本日の音声はAIエージェントではありませんが、自動音声読み上げ機能を活用しています。
現在準備中で、後ほど開示しますが、今お話ししている内容等は、すべて当社にて録画・録音しています。オルツ社などでも行われていますが、このデータをクローン化することで、AIに覚えさせます。
決算資料の読み上げについては、現在、社内で実験を重ねている状況です。公開時期は後日お知らせしますが、私のクローンがこの資料を読み上げている形式も作って開示する予定です。これらの取り組みについては、今後も随時ご紹介しますので、追って見ていただければと思います。
本日の音声は少しわざとらしい感じがありましたが、今後は「実はAIです」と言っても気づかないほど自然なかたちで、我々の業務の中にしっかりと浸透していくことを目指しています。
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