*16:05JST ダイコク電 Research Memo(5):2024年3月期の業績予想を大幅に増額修正し、過去最高益を更新する見通し
■業績見通し
1. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の業績についてダイコク電機<6430>は、上期業績の進捗や足元の状況等を勘案し、増額修正を実施した。売上高を前期比60.3%増の51,000百万円(修正幅+13,000百万円)、営業利益を同161.2%増の10,500百万円(同+6,300百万円)、経常利益を同148.8%増の10,600百万円(同+6,250百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益を同145.9%増の7,200百万円(同+4,200百万円)と大幅な増収増益となり、過去最高益を見込んでいる。
売上高は、引き続き「情報システム事業」が大きく伸長する見通しである。スマートパチスロについてはヒット機種や稼動が好調な機種も多く、下期においても普及が進む想定となっている。一方、「アミューズメント事業」については、上期同様、表示ユニット及び制御ユニットの開発機種減少により減収を見込んでいる。
利益面でも、DX推進や社内体制の整備に向けた費用のほか、積極的な開発投資※を継続するものの、「情報システム事業」の伸びが収益を押し上げ、営業利益率も20.6%(前期は12.6%)に大きく改善する想定である。
※研究開発費は前期比112.2%増の1,400百万円、設備投資は同131.1%増の2,900百万円とそれぞれ2倍以上に拡大する計画である。
2. 弊社の見方
通期予想(増額修正後)の達成のためには、下期の売上高21,831百万円、営業利益2,600百万円が必要となる。ハイペースで進んできたスマートパチスロの普及や、それに伴う設備投資需要の拡大のスピード感については、やや慎重に見ておく必要があるものの、1) 依然としてスマートパチスロの設置台数には拡大の余地※があるうえ、ヒット機種も増えてきたこと、2) 普及が出遅れているスマートパチンコにもヒット機種が出始めたこと、3) 稼動全体の向上によりパチンコホールの投資余力や投資マインドが高まってきたことなどから、同社の業績予想は十分に達成可能であると弊社では見ている。特に2) については、スマートパチンコとしてのヒット機種が多数登場し、想定よりも早く軌道に乗ってくれば、上振れ要因となる可能性もあり、2025年3月期以降の同社業績の伸びを判断するうえでも注目すべきポイントと捉えることができる。その意味では、業界全体として既存機種との差別化(スマートパチスロならではの機能性や遊技性、演出効果等)をいかに図っていくかが課題となっており、同社の役割も大きいと言えるだろう。2024年2月には同社主催の展示会を予定しており、目玉となる新製品群においてどのような価値を提案していくのか、その反響を含めて注目したい。また、2025年3月期業績についても、スマートパチスロの伸びが設置台数割合の上昇とともに鈍化する可能性があるものの、その分スマートパチンコへ投資が向かうことが期待できることや、2024年に予定されている新紙幣の発行が機種入れ替え需要を後押しする要因となることから、引き続き高成長を実現することは可能であると弊社では見ている。
※弊社ではパチスロ機全体におけるスマートパチスロの設置割合は、当面の目安として40%程度(2023年9月末は23.8%)まで拡大する余地があると見ており、今後1年から2年の間に到達すると予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の業績についてダイコク電機<6430>は、上期業績の進捗や足元の状況等を勘案し、増額修正を実施した。売上高を前期比60.3%増の51,000百万円(修正幅+13,000百万円)、営業利益を同161.2%増の10,500百万円(同+6,300百万円)、経常利益を同148.8%増の10,600百万円(同+6,250百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益を同145.9%増の7,200百万円(同+4,200百万円)と大幅な増収増益となり、過去最高益を見込んでいる。
売上高は、引き続き「情報システム事業」が大きく伸長する見通しである。スマートパチスロについてはヒット機種や稼動が好調な機種も多く、下期においても普及が進む想定となっている。一方、「アミューズメント事業」については、上期同様、表示ユニット及び制御ユニットの開発機種減少により減収を見込んでいる。
利益面でも、DX推進や社内体制の整備に向けた費用のほか、積極的な開発投資※を継続するものの、「情報システム事業」の伸びが収益を押し上げ、営業利益率も20.6%(前期は12.6%)に大きく改善する想定である。
※研究開発費は前期比112.2%増の1,400百万円、設備投資は同131.1%増の2,900百万円とそれぞれ2倍以上に拡大する計画である。
2. 弊社の見方
通期予想(増額修正後)の達成のためには、下期の売上高21,831百万円、営業利益2,600百万円が必要となる。ハイペースで進んできたスマートパチスロの普及や、それに伴う設備投資需要の拡大のスピード感については、やや慎重に見ておく必要があるものの、1) 依然としてスマートパチスロの設置台数には拡大の余地※があるうえ、ヒット機種も増えてきたこと、2) 普及が出遅れているスマートパチンコにもヒット機種が出始めたこと、3) 稼動全体の向上によりパチンコホールの投資余力や投資マインドが高まってきたことなどから、同社の業績予想は十分に達成可能であると弊社では見ている。特に2) については、スマートパチンコとしてのヒット機種が多数登場し、想定よりも早く軌道に乗ってくれば、上振れ要因となる可能性もあり、2025年3月期以降の同社業績の伸びを判断するうえでも注目すべきポイントと捉えることができる。その意味では、業界全体として既存機種との差別化(スマートパチスロならではの機能性や遊技性、演出効果等)をいかに図っていくかが課題となっており、同社の役割も大きいと言えるだろう。2024年2月には同社主催の展示会を予定しており、目玉となる新製品群においてどのような価値を提案していくのか、その反響を含めて注目したい。また、2025年3月期業績についても、スマートパチスロの伸びが設置台数割合の上昇とともに鈍化する可能性があるものの、その分スマートパチンコへ投資が向かうことが期待できることや、2024年に予定されている新紙幣の発行が機種入れ替え需要を後押しする要因となることから、引き続き高成長を実現することは可能であると弊社では見ている。
※弊社ではパチスロ機全体におけるスマートパチスロの設置割合は、当面の目安として40%程度(2023年9月末は23.8%)まで拡大する余地があると見ており、今後1年から2年の間に到達すると予想している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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