*12:44JST アクシスC Research Memo(4):コンサルタントに特化したハイエンドの人材紹介サービスを展開(2)
■事業概要
2. アクシスコンサルティング<9344>の強み
同社グループは、「リカーリングサービス」を提供していること、ハイエンド人材を中心とした人材データベースを保有していること、ハイエンド人材との中長期的関係を構築していること、高単価なフリーランス案件を受注できることが主な強みである。
(1) リカーリングサービス
「リカーリングサービス」とは一般的に、継続的にサービスを提供し続け、定期的に報酬を受け取るビジネスモデルを指す。たとえばプリンターの購買者に対するインクカートリッジの交換や補充、プリンターのメンテナンスなどがそれにあたる。一方、同社のリカーリングサービスはこのような単一的なサービスを提供し続けるものではない。
同社はこのモデルの人材バージョンを展開している。1つのサービスの継続利用に加えて、ほかのサービスへの転換・循環をすることが特長である。たとえば、人材紹介した企業にコンサルタントとして入社したA氏が、数年後にさらに別の事業会社に経営陣の1人として転職したとする。するとA氏が、同社に正社員採用やフリーコンサルタントの利用など、企業側として発注をしてくれるようになる。つまり同社のリクルーティングのパートナーは数年後、ビジネスパートナーに転換し得るのである。これは、流動性が高く、ニーズの高い領域を対象としたハイエンド人材だからこそ成立したビジネスモデルである。同社は、利用者に継続的に価値を提供し、長期的な収益の獲得につなげている。ハイエンド人材を中心とした人材データベースを豊富に所有していること、ハイエンド人材との中長期的関係を構築していること、高単価なフリーランス案件を受注できるといった特長により実現しており、同社特有の強みと言える。
(2) ハイエンド人材を中心とした人材データベースの保有
同社は創業以来、約20年にわたりコンサルティング業界を中心にハイエンド人材の最適化と再配置に携わり、ケンブリッジ・リサーチ研究所においては、約60年にわたって事業会社を中心にエグゼクティブ層の採用支援に携わってきた。その経験と実績により蓄積されてきた同社の人材データベースは、大手コンサルティングファームからの現役コンサルタントの登録も含め、約8万5,000人(2023年6月末時点)の登録者数となっている。
(3) ハイエンド人材との中長期的関係の構築と多様なキャリアサポート
同社は、ハイエンド人材が自身の成長に伴い年収の上昇・高単価受注を実現するための中長期的な関係の構築に取り組んでいる。まずMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用により、定期的にハイエンド人材とのコミュニケーションをとりながらキャリアニーズを分析する。次にハイエンド人材に対し、効率的なキャリアプランを提供(カスタマーサクセス)し、最終的にキャリアアドバイザーが、面談や求人提案、求人応募後の面談対策や入社後のフォローまでの支援を行う。ハイエンド人材には、転職支援における正社員採用だけでなく、「フリーコンサルBiz」における案件紹介や「コンパスシェア」における副業紹介なども含めて、多様なキャリアパスを提案する。その結果、ハイエンド人材の46%を中長期のフォロー※により転職支援しており、そのうち30%は複数回転職に成功している。
※同社グループにおいて、コンサルティング業界にマネージャー以上の役職で転職した人材を母集団としたときの、同社データベースに登録してから転職先入社までの期間が1年以上経過していた人材の割合(2021年6月期~2023年6月期実績)。
(4) 高単価のフリーランス案件
同社サービスの特性から、過去に正社員採用サービスで転職した人材が顧客企業の発注者となり、同社がプライム案件・高単価の案件を受注するケースが多く収益向上につながっている。なお、同社の「フリーコンサルBiz」における受注単価は平均1,724千円である(2023年6月期実績)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)
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2. アクシスコンサルティング<9344>の強み
同社グループは、「リカーリングサービス」を提供していること、ハイエンド人材を中心とした人材データベースを保有していること、ハイエンド人材との中長期的関係を構築していること、高単価なフリーランス案件を受注できることが主な強みである。
(1) リカーリングサービス
「リカーリングサービス」とは一般的に、継続的にサービスを提供し続け、定期的に報酬を受け取るビジネスモデルを指す。たとえばプリンターの購買者に対するインクカートリッジの交換や補充、プリンターのメンテナンスなどがそれにあたる。一方、同社のリカーリングサービスはこのような単一的なサービスを提供し続けるものではない。
同社はこのモデルの人材バージョンを展開している。1つのサービスの継続利用に加えて、ほかのサービスへの転換・循環をすることが特長である。たとえば、人材紹介した企業にコンサルタントとして入社したA氏が、数年後にさらに別の事業会社に経営陣の1人として転職したとする。するとA氏が、同社に正社員採用やフリーコンサルタントの利用など、企業側として発注をしてくれるようになる。つまり同社のリクルーティングのパートナーは数年後、ビジネスパートナーに転換し得るのである。これは、流動性が高く、ニーズの高い領域を対象としたハイエンド人材だからこそ成立したビジネスモデルである。同社は、利用者に継続的に価値を提供し、長期的な収益の獲得につなげている。ハイエンド人材を中心とした人材データベースを豊富に所有していること、ハイエンド人材との中長期的関係を構築していること、高単価なフリーランス案件を受注できるといった特長により実現しており、同社特有の強みと言える。
(2) ハイエンド人材を中心とした人材データベースの保有
同社は創業以来、約20年にわたりコンサルティング業界を中心にハイエンド人材の最適化と再配置に携わり、ケンブリッジ・リサーチ研究所においては、約60年にわたって事業会社を中心にエグゼクティブ層の採用支援に携わってきた。その経験と実績により蓄積されてきた同社の人材データベースは、大手コンサルティングファームからの現役コンサルタントの登録も含め、約8万5,000人(2023年6月末時点)の登録者数となっている。
(3) ハイエンド人材との中長期的関係の構築と多様なキャリアサポート
同社は、ハイエンド人材が自身の成長に伴い年収の上昇・高単価受注を実現するための中長期的な関係の構築に取り組んでいる。まずMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用により、定期的にハイエンド人材とのコミュニケーションをとりながらキャリアニーズを分析する。次にハイエンド人材に対し、効率的なキャリアプランを提供(カスタマーサクセス)し、最終的にキャリアアドバイザーが、面談や求人提案、求人応募後の面談対策や入社後のフォローまでの支援を行う。ハイエンド人材には、転職支援における正社員採用だけでなく、「フリーコンサルBiz」における案件紹介や「コンパスシェア」における副業紹介なども含めて、多様なキャリアパスを提案する。その結果、ハイエンド人材の46%を中長期のフォロー※により転職支援しており、そのうち30%は複数回転職に成功している。
※同社グループにおいて、コンサルティング業界にマネージャー以上の役職で転職した人材を母集団としたときの、同社データベースに登録してから転職先入社までの期間が1年以上経過していた人材の割合(2021年6月期~2023年6月期実績)。
(4) 高単価のフリーランス案件
同社サービスの特性から、過去に正社員採用サービスで転職した人材が顧客企業の発注者となり、同社がプライム案件・高単価の案件を受注するケースが多く収益向上につながっている。なお、同社の「フリーコンサルBiz」における受注単価は平均1,724千円である(2023年6月期実績)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)
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