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最新投稿日時:2023/08/10 13:17 - 「大日本印刷と愛媛大学 養殖魚のエサとなる昆虫の自動飼育装置の開発を開始」(PR TIMES)

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大日本印刷と愛媛大学 養殖魚のエサとなる昆虫の自動飼育装置の開発を開始

配信元:PR TIMES
投稿:2023/08/10 13:17
持続可能な食料供給に向けて、ミールワームによる動物性飼料原料の国産化を目指す

大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)と、国立大学法人愛媛大学(所在地:愛媛県 大学長:仁科弘重)は、タイなど養殖魚の飼料(餌)に必要なタンパク質(プロテイン)源として、昆虫のミールワーム*1の飼育工程の自動化・効率化を目的とした共同研究を開始しました。 ミールワームは養殖魚などのプロテイン源として栄養価が高く、雑食性で繁殖能力も高いことから、サステナブル(持続可能)な食料供給に向けた課題解決策の一つとして期待されています。両者は今後、ミールワームの自動飼育装置を開発し、国内生産性の向上を通じて食のバリューチェーンを支え、食料不足という社会課題の解決に取り組んでいきます。 *1 ミールワーム : チャイロコメノゴミムシダマシの幼虫。


自動飼育装置の開発範囲
昆虫プロテインを配合した飼料のイメージ
【昆虫プロテインビジネスに参画する背景】
世界的な人口増加や経済発展を背景に、世界の食料需要量は2050年に2010年比1.7倍(58.17億トン)になると予測されています*2。水産物の需要も拡大すると指摘されていますが、一方で漁船漁業による生産が頭打ちになっており、養殖業への期待が高くなっています*3。現在は主に、養殖魚の飼料に魚粉が使用され、その原料の多くがカタクチイワシ等の天然資源に依存しているためサステナブルではなく、また近年は、魚粉の価格の高騰*4やサプライチェーン(供給網)上のリスク等の課題もあります。そこで両者は今回、養殖魚の栄養源となる昆虫プロテインを国内で生産するための自動飼育装置を開発し、持続可能な食料供給の実現を目指します。
飼料用昆虫プロテインは、植物性や他の動物性タンパク源に比べて、栄養価も高く、市場規模は2050年に24.2兆円にまで拡大すると予測されています*5。

【ミールワームの特長】
○終齢幼虫の体長が20mm程度。雑食性で飼育しやすく、繁殖力が高い。
○植物性や他の動物性のタンパク源に比べ、アミノ酸や不飽和脂肪酸を多く含む。
○牛などの畜産物と比べると、少ない土地や水で育てることができて、温室効果ガスの排出も少なく、環境負荷が低い。
乾燥ミールワーム(左)と飼料として使われるミールワームの粉末(右)
【両者のコメント】
大日本印刷株式会社 執行役員 村上 和郎
DNPはミールワームの自動飼育装置の開発・製造の役割を担い、動物性飼料原料の国産化を目指します。印刷で培った機械設計から大量生産に関する技術や経験、また、「オールDNP」の総合力を生かし、飼育の効率化・自動化に取り組んでいきます。
国立大学法人愛媛大学 大学院農学研究科 教授 三浦 猛
愛媛大学はこれまで、昆虫の養殖飼料への利用技術の開発に関する基礎研究を行ってきました。この度、DNPの協力を得て、ついに実際に昆虫を生産し、国産の昆虫による養殖の実現への第一歩を踏み出すこととなりました。これまでの知見を生かし、サステナブルな養殖技術の確立に貢献します。
愛媛大学に新設した実験室
【今後の展開】
両者は、愛媛大学に新設した実験室で育てたミールワームをプロテイン源として養殖魚に与えて、従来の飼料と比較した魚の成長速度や免疫力を調べる実験を行う予定です。また、ミールワームの自動飼育装置を開発し、2024年3月を目標に、ラボの規模の施設の建設を目指します。将来的には、昆虫プロテインとしてのミールワーム飼育工場を立ち上げ、養殖魚の飼料として年間100トンのミールワーム粉末を水産養殖市場に提供していきます。

*2 農林水産省大臣官房政策課食料安全保障室「2050年における世界の食料需給見通し-世界の超長期食料需給予測システムによる予測結果-」 10頁
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_zyukyu_mitosi/attach/pdf/index-12.pdf
*3 農林水産省「養殖業成長産業化総合戦略(令和3年)」 1頁
https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/yousyoku/attach/pdf/seityou_senryaku-4.pdf
*4 水産庁「令和3年度 水産白書」 68頁
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R3/attach/pdf/220603-11.pdf
*5 農林水産省「令和2年度フードテック振興に係る調査委託事業(フードテックに係る市場調査)」 35頁
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/attach/pdf/itaku-15.pdf


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