nms Research Memo(3):2022年3月期第2四半期は営業減益も、旺盛な需要により今後の見通しは明るい

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最新投稿日時:2022/01/05 15:43 - 「nms Research Memo(3):2022年3月期第2四半期は営業減益も、旺盛な需要により今後の見通しは明るい」(フィスコ)

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nms Research Memo(3):2022年3月期第2四半期は営業減益も、旺盛な需要により今後の見通しは明るい

配信元:フィスコ
投稿:2022/01/05 15:43
■業績動向

1. 2022年3月期第2四半期累計の業績概要
nmsホールディングス<2162>の2022年3月期第2四半期累計の業績は、売上高が30,430百万円(前年同期比16.8%増)、営業損益が237百万円の損失(前年同期は139百万円の利益)、経常利益は51百万円(同68百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損益が282百万円の損失(前年同期は499百万円の損失)となった。売上高は伸びたものの、コロナ禍や部材不足による影響が大きく、営業損益では損失を計上した。経常利益は、主に海外子会社へのグループ内貸付金に対する為替差益363百万円の発生を背景に利益を計上した。親会社株主に帰属する四半期純損益については、EMS事業における米国・メキシコ拠点で実行した事業構造改革費用による特別損失161百万円を計上したため、損失となった。事業全体としては、部材不足や先行投資などを要因に依然として厳しい事業環境ではあるものの、部材不足の背景には製造業における生産活動活発化を通じた需要のひっ迫であること、同社自体も売上は増加していることから、事業環境は徐々に快方に向かっていると弊社は考える。

2. セグメント別業績概要
(1) HS事業
HS事業の売上高は10,827百万円(前年同期比17.5%増)、セグメント利益は313百万円(同18.5%減)となった。国内事業についてはコロナ禍や半導体関連などの部材不足による影響があったものの、事業規模拡大に向けた施策が奏功したこと、コロナ禍に伴う顧客企業の稼働調整の影響が前年同期に比べて軽微となったことから、事業全体で増収となった。利益については、人材の募集関連費用といった事業規模拡大のための先行投資の影響があり、減益となった。海外事業については、ASEANにおける新型コロナウイルス感染症の再拡大により顧客企業の稼働調整などの影響はあったものの、前年同期に比べるとその影響は軽微であった。特に中国、タイの業績は改善傾向となった。

(2) EMS事業
EMS事業の売上高は13,682百万円(前年同期比20.0%増)、セグメント損失は301百万円(前年同期は33百万円の損失)となった。同事業は中国・ASEAN・北中米において生産活動を展開しており、戦略投資の実行期にある。新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う影響として、マレーシア、メキシコの両政府方針によるロックダウンや部材不足などの影響が残ったものの、ベトナム拠点での新規品生産立ち上げの開始のほか、中国・ASEAN地域においてコロナ禍による影響が前年同期に比べて軽減されたこともあり、増収となった。利益面では、重点施策として生産立ち上げを進めているメキシコ拠点の先行投資コストに加え、事業全体において部材不足に起因した顧客企業の減産や生産計画の後ろ倒し、部材価格高騰などによる影響が大きく、利益圧迫要因となった。足元では、ベトナム拠点に続いて生産計画が後ろ倒しになっていたメキシコ拠点において、顧客企業からの受注が再開され、2023年3月期からの生産立ち上げに向けた準備を開始するなどの取り組みを進めている。

(3) PS事業
PS事業の売上高は5,920百万円(前年同期比9.1%増)、セグメント損失は16百万円(前年同期は37百万円の利益)となった。抜本的コスト構造改革による体質強化の効果もあり、第1四半期は想定を上回る状況で推移したものの、第2四半期に入って部品調達難や副資材も含む価格高騰の影響が顕著となった。また、顧客企業やサプライヤーの生産拠点が集中するベトナムやマレーシアにおけるコロナ禍によるロックダウンの影響で大幅な生産減となった。第2四半期累計期間においては増収となったものの、部材調達難などの影響により、前年同期に対して減益となった。ただ需要は高い水準を維持していることから、部材不足解消後の時期や2023年3月期以降を見据えた取り組みを進めている。

3. 財務状況
2022年3月期第2四半期末における資産合計は前期末比1,885百万円増の33,392百万円となった。流動資産は23,468百万円となり、1,810百万円増加した。これは主に受取手形、売掛金及び契約資産が466百万円、原材料及び貯蔵品が1,034百万円、その他流動資産が252百万円増加したことによる。固定資産は9,878百万円となり、82百万円増加した。無形固定資産が104百万円、投資その他の資産が68百万円増加したことなどが寄与した。

負債合計は前期末比1,958百万円増の28,763百万円となった。流動負債は19,872百万円となり、2,411百万円増加した。これは主に短期借入金が1,426百万円、支払手形及び買掛金が833百万円増加したことによる。固定負債は8,891百万円となり、452百万円減少した。これは主に長期借入金が175百万円、その他固定負債が291百万円減少したことによる。純資産合計は前期末比73百万円減の4,629百万円となった。利益剰余金が348百万円減少したことが大きく影響した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)


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