パウエルFRB議長の発言にも注意
■先週は、先日の米中首脳会談で貿易戦争が一旦、休戦合意がなされ更に、米朝首脳会談で朝鮮半島リスクが後退したことを受けて一時、108円ミドルまで上昇しました。
しかし、米国の不調な経済指標を背景に米10年債の利回りが2%を割り込むことで、ドル売り圧力が高まり107円ミドルまで売り込まれる場面がありました。
そして注目されていた週末の米雇用統計の結果、予想を上回ったことが利下げ催促をやや弱める格好となり、再び108円台に突入して終了しました。
■今週は以下の点に注意しておきたいです。
・米中の消費者物価指数動向(米国…11日・中国…10日)
・パウエルFRB議長発言
■上述したように休戦合意の結果、相場的には急落リスクから一旦、解放されたとこです。
しかし、交渉継続はある意味、問題の先送りという見方もできなくはないです。
米中首脳会談前には「90%は合意できている」との報道で期待感もあったものの、残りの10%がとてつもない大きな課題であることは皆さんもご存じの通りです。
■今後この交渉は継続するものの長期戦になりそうです。
今回の休戦合意もこれ以上の関税をかけることで景気腰折れリスクは免れず、株価の急落リスクさえあるだけにその点においては両国とも意見が一致しているところです。
少なくても米国サイドの第四弾関税に関しては来年の大統領選後になるのではないかとみています。
そうなると相場的には主材料から外していいのではないかとみています。
■世界的には今後の景気動向をみて早めに予防的な利下げを行う中央銀行が多く、その意味では米中ともに物価動向が気になるところです。
特に今週は米中ともに消費者物価指数が発表されるので、今後の金融政策の大きなポイントになりそうです。
もし結果として鈍さがでるようであれば、容赦なく利下げを行う可能性が高いとみています。
■今週はパウエルFRB議長の発言にも注意したいです。
特に前回のFOMCでメンバーは利下げを意識し始めました。
そんなこともあり、昨今の世界経済や米国の経済動向をどうみているのかに注目したいです。
むしろ年後半にかけて複数回の利下げの用意があるようなニュアンスがあればドル売りを誘う可能性もあります。
今後は米国の利下げ動向や参院選後の日米通商交渉に話題が移るのではないかとみています。
■最後にドル円の戦略です。
基本的には売り目線で考えています。
しかし週末の大陽線があるだけにもう一段上を見たいところです。
その場合、移動平均50日線を意識して戻り売りでエントリーしたいと考えています。
ちなみに先週末現在の移動平均50日線は109.09円となっています。
109円に近付くにつれ、相場は重くなるのではないかとみています。