日本ライフL Research Memo(5):自社製品の人工血管は堅調

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最新投稿日時:2019/06/27 16:05 - 「日本ライフL Research Memo(5):自社製品の人工血管は堅調」(フィスコ)

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日本ライフL Research Memo(5):自社製品の人工血管は堅調

配信元:フィスコ
投稿:2019/06/27 16:05
日本ライフライン<7575>の品目別内容

3. 外科関連
外科関連では、大動脈の人工血管やステントグラフト等の外科手術用の医療機器を扱っている。主な自社製品は人工血管とオープンステントグラフトであり、これらは2017年4月に吸収合併したJUNKEN MEDICALが製造していたものである。そのほか主な仕入商品は、胸部用ステントグラフト、腹部用ステントグラフト、人工心臓弁、人工弁輪である。人工血管(自社)は、胸部や腹部の大動脈瘤などを治療するための医療機器で、血管にできた瘤の置き換えや閉塞した血管のバイパスに使用される。オープンステントグラフト(自社)は、胸部大動脈疾患を治療する医療機器であり、胸部大動脈を広範囲に人工血管で置き換える際、従来の人工血管のみで行う治療の場合は2回の開胸手術が必要であったのに対し、オープンステントグラフトを使用すれば独自のステント構造により、1回の開胸手術だけで治療が完結する。したがって、手術時間の短縮や患者の身体的な負担の軽減につながっている。これは国内でオンリーワンの自社製品であり、海外でも高い競争力が見込まれることから、同社の海外展開の先兵としても期待が高い製品である。

ステントグラフトとは、人工血管と同じく大動脈瘤の治療に用いられる医療機器だが、開胸または開腹手術を行う人工血管とは異なり、外科手術を必要とせず、ステントと言われるバネ状の金属製の筒を縫い付けた人工血管を、カテーテルに収納した状態で足の付け根の血管から治療部位まで挿入し、バネの力で血管に押し付けて固定する医療機器である。治療する部位により腹部用と胸部用の商品があり、同社で循環器系以外への初進出となった腹部用ステントグラフトのAFX2ステントグラフトシステム(Endologix)は好評である。しかし、2018年9月に胸部用ステントグラフト(Endologix)の共同開発契約を終了、2019年5月末にはカテーテルを用いた低侵襲治療により、症例数が減少傾向であった人工心臓弁関連製品も契約満了を機に取扱いを終了することになった。また、導入が期待されていた腹部大動脈ステントグラフト「Nellix」の発売時期が延期になるなど、外科関連も踊り場にあると言えるだろう。同社は現在、腹部用ステントグラフト「Ovation(Endologix)」や胸部用ステントグラフト「NEXUS(Endospan)」の上市を目指して導入準備を進めているところである。


Orsiroのけん引は今後も期待
4. インターベンション
インターベンションでは、主に心筋梗塞や狭心症などを治療するための医療機器を扱っている。主な自社製品は、心筋梗塞の原因となる血管(冠動脈)の詰まりを治療する際に使用するガイドワイヤーとバルーンカテーテルである。主な仕入商品は、心筋梗塞の中でも特に完全閉塞を治療する際に使用するバルーンカテーテル、治療を補助する貫通カテーテル、先天性の構造的心疾患を治療する際に用いる心房中隔欠損閉鎖器具である。末梢血管用のPTAバルーンカテーテルの市場が成長しており、同社も拡大する市場に対応して成長を取り込む考えである。

ガイドワイヤー(自社)は、バルーンカテーテルやステントなどを血管の中の治療部位に導くために使用する針金のような医療機器で、大腿部などから血管に挿入し、冠動脈や末梢動脈の狭窄部位を通過させ、このワイヤーに沿ってバルーンカテーテルなどのデバイスを運ぶ。バルーンカテーテル(自社)は、冠動脈が狭くなったり、詰まったりした場合に起こる心筋梗塞や狭心症を治療するための医療機器で、血管の内側からカテーテル(細い管)についた風船を膨らませ、血管を押し拡げることで治療する。貫通カテーテル(Teleflex)は、冠動脈や末梢動脈においてガイドワイヤーの病変通過をサポートするために用いられる医療機器である。心房中隔欠損閉鎖器具(Occlutech)は、心房中隔欠損症という心臓の左右の心房を隔てる壁である心房中隔に、先天的に欠損孔という穴が開いている疾患を治療するための医療機器である。カテーテルを用いて閉鎖栓という円盤状の器具により欠損孔を塞いで治療するため、外科手術を行うことなく、非常に低侵襲な治療を実現する。

なお、大型商品として期待された薬剤溶出型冠動脈ステント「Orsiro(BIOTRONIK)」は、発売1年してのシェアが7%と期待にそぐわない結果となった。しかし、ラインナップや営業力など処々の課題を解決し、足元でシェアは上昇傾向にある。最終的に当初想定のシェア15%には届きそうにないが、同社の収益への貢献度は着実に高まっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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配信元: フィスコ

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