今週の米ドル/円予想 世界経済への不透明感からリスクオフに（3/25週）

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

先週の米ドル/円（TFX）は反落。週初111.510で寄り付いた米ドル/円（TFX）は、週前半は概ね111円台前半で推移し、20日には一時111.70をつける局面もありましたが、FOMCで景気の先行きに対する不透明感や、今後の政策金利見通しがハト派的内容だったことなどから、米長期金利が低下しドルが売られる展開となり、110円台半ばまで下落。
さらに23日には欧米の弱い経済指標の結果を受けリスクオフによる円買いとなり、110円を割り込んで109円台後半で推移。109.98で引けました。

FOMCについては、今年の金利見通しが年2回の利上げから0回に引き下げられ、経済成長と失業率、物価見通しが下方修正され、さらにバランスシートの縮小については、9月で終了することが示されました。
また、週末に発表されたドイツやフランス、ユーロ圏の製造業PMIが市場予想を下回る結果となったほか、米国の製造業PMIが52.5（市場予想：53.5）、サービス業PMIが54.8（市場予想：55.5）と弱い結果だったことから世界経済への先行き不透明感が高まる展開となりました。


今週の主要経済指標は図のとおりです。今週は重要度の高い経済指標はあまりありませんが、先週から引き続き、今後の景気動向への懸念がマーケットの焦点になっている中で、各国のPMI、また、消費者信頼感指数等に注目です。
なお米国の第4QGDP※については、今回は確報値となるため、あまり大きな変化はないと考えられますが、マーケットが景気動向にセンシティブになっている中、市場予想から大きく乖離するようであれば、注意が必要です。
※米国の四半期GDPは、通常、次の期の最初の月末に速報値、その次の月に修正値、さらにその次の月末に確報値が発表されますが、政府閉鎖の関係で第4QGDPについては、1月末に発表がなく、2月末に速報値、3月末に確報値となっています。

【米ドル/円（TFX）週足　チャート】

米ドル/円の週足チャートです。市場内部要因は引き続き個人投資家はくりっく365の建玉状況から円買い（ドル円の売り）、CFTC建玉明細から海外機関投資家は円売り（ドル円の買い）となっていますが、CFTCの方は買い建玉も売り建玉も縮小し、ネットロングの売り越し増加量も減速的です。
また、ストキャスティクスは50％を超える水準で％DがSlow％Dを下回りそうな状況です。したがって、当面は斥候的な戻り売りを考えたいところです。

【米ドル/円（TFX）日足　チャート】

米ドル/円の日足チャートです。
先週、米ドル円は、均衡表が逆転（売りサインの1つで基準線を転換線が下回ること）し、遅行スパンも逆転（売りサインの1つで日々線を遅行スパンが下回ること）いたしました。
今週の米ドル/円は、先週末の地合いを引き継いで弱い展開となっており、本日、ザラバベースでは、雲の一番薄いところを、下回りつつあります。
日々線が雲を下回ることを日々線と雲の逆転といい、先週の売りサイン２つにこれが加わると「三役逆転」という売りサインになります。
したがって、当面は終値ベースで雲に対し日々線がどの位置で引けるかに注目です。
雲より下となる場合は、一目の雲をバックに戻り売り方針で、今週のメインシナリオになります。


このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。