112円水準では戻り売り優勢
トレードタイムです。
今週の相場展開をお届けします。
■先週はイベントラッシュで一喜一憂する場面がみられました。
日銀の異次元ともいえる金融緩和によっての副作用を考慮しての政策変更に対する期待感がありいつも以上に注目されました。
しかし結果としては期待以下の発表止まりで円は売られる格好になり一時112円を超えたものの、
その後は貿易摩擦問題から、上値は重くなりあっさりと111円前半まで売られました。
■さて、今週は以下の2点に注目したいです。
・米中貿易摩擦の行方
・9日に行われる日米通商協議の結果
■はじめに・・・、
米中間での報復合戦が強くなりつつあります。
米国は中国に対して2000億ドル相当の関税率を引き上げたのに対し、中国は対抗措置として3日に、600億ドル相当の関税を上乗せする措置を発表しています。
既に中国の株式市場はこの貿易摩擦を察知して下落していますが、更に下落が強まれば以前のチャイナショックになる可能性もあります。
現状の株式市場はそれほど悲観していないものの、中国株式市場の急落に対するインパクトは以前にも経験済みなので警戒したいです。
■次に、遅れている日米通商協議がいよいよ今週9日に開催されます。
米国は日米間での自由貿易協定(FTA)を提示してくることは確実です。
対する日本はTPP復帰を打診することからもお互いの意見がかみ合わず、結果的には意見交換の場でしかないとみています。
しかし、日本の対米貿易黒字を背景に米国側の意見を押し付けてくる可能性が高いです。
また、為替の問題に関しても中国やEUと名指していますが、日本もその中に入る可能性は高いのではないかとみています。
少なくても米国に有利な状況を作らなければ、こんな意の通商交渉の終結には至らないとみています。
少なくても日銀の異次元緩和の妥当性は、米国サイドとしては決して理解できず、
むしろ作為的に金利を低く設定して日本円をコントロールしているのではないかと感じているはずです。日本の景気自体は株価や雇用をみても良くなっていることは明白です。
それなのに、未だにゼロ金利なのはなぜなのか・・・と疑いの目で見られても仕方が無い現状です。
■つまり、日本は、米国と同じ状況(株価・雇用)にありつつあるのに、物価が上昇しないことを理由に低金利にしているのは、為替操作国に認定してくる可能性すらあります。
少なくても米ドルは指標となるドルインデックスだけみれば年初の価格よりも高いことはけん制したい内容です。
■最後に、ドル円のテクニカル面です。
やはり上値は重くなる可能性が高いとみています。
日足チャートの本数を多く表示すると、
今年の相場は年初から3月末までの約3ヶ月間ダウントレンドでした。
その後現在まで約4ヶ月以上のアップトレンドになっています。
日柄的にもトレンドはいつ終焉してもおかしくはないとみています。8月の「夏枯れ相場」という言葉があります。
市場参加者が少ないことから値崩れがおきやすいとしていますが、今年においてもこの可能性は十分あるとみています。
そのポイントになるのが、移動平均50日線(3日現在:110.71円)であるとみています。